久しぶりに「ひめゆり」を観劇。
と言っても、数えたら1年しか空いていなかったけど、ずいぶん久しぶりの感覚でした。



キャストさんたちの全身全霊の"祈り"が伝わってきて、本当に素晴らしかったです。
知っていても、何度も涙しました。
この作品を届け続けることの大切さと重さを改めて感じました。


実はわたしも3年前に「ちよ」として出演させていただいていたこの作品。
ですが、本当に右も左もわからないまま、とにかく必死だったあの頃。
「ひめゆり」という作品を伝える覚悟はまだまだ甘かったように思います。



少し大人になって、今回外から観ることで得た気づきもありました。
例えば、ちよは出ていないですが"夢を見ましょう"の前に、今まで「死ね」と教えてきたはずの先生に「生きろ」と言われて学徒達が泣いてしまうシーン。
当時、何故ここで学徒達は泣いてしまうのか?と出演するメンバーが問いかけられているのを側で聞きながら、わたしはちゃんと答えを出せていないままでした。

でも久しぶりのひめゆりを観ながら、夢見の前のシーンと、とある映画のシーンがリンクする瞬間があったのです。
それは映画『この世界の片隅に』の中で、主人公のすずさんが玉音放送を聞いた後にひとりで大号泣するシーン。映画を観たときもとても印象的だったのですが、学徒達とすずさんは同じなんじゃ…!と3年越しに自分の中で答えが出ました。
(あくまでわたしの考えですが…!)



もしまたいつかこの作品にご縁があれば、以前とは違った感覚と想いで、取り組むことができるのかな、なんてことを考えてもみたりして。
ただ本当に演じる側も観る側も大変な作品。
一度でも関われたことを、誇りに思います。
「ちよ」と「ひめゆり」は、やはりわたしにとって大切な役と作品です。


「ひめゆり」を毎年上演し続けることに、真摯に向き合っていらっしゃるすべての皆様に敬意を表して。



中右遥日