舞台「銀河鉄道の夜」
無事"千秋楽"終点に到着しました。
銀河鉄道にご乗車くださったお客様、誠に有難うございました。




みんなで新元号発表を聞くというところから始まったお稽古。





それから本番まではあっという間…!
というよりは、少しずつわたしに浸透してきて、いつの間にか作品の中で生きる時間も、カンパニーのみんなと過ごす時間も、かけがえのないものになっていました。

宮沢賢治の綴った不思議な美しい言葉たちのように、気がつけばそっと心に寄り添ってくれている。そんなチームでした。




舞台ってとても儚くて、刹那的。
同じメンバーと同じ作品を同じ劇場で同じように上演して、同じお客様に観ていただくことは二度とないのですから。
でも、だからこそわたしたちはその一瞬を大切にしたいと思えるのかもしれませんね。




今回演じた「ザネリ」という「女の子」
原作では性別がはっきりと示されていない「ザネリ」のことは、男の子という認識の方が一般的なようで、ご観劇くださった方々の中には驚かれた方がいらっしゃるかもしれません。
(実際、わたしの母も千秋楽の朝まで自分の娘が男の子役をやると思っていました!笑)


ザネリは裕福でなんでも持っている女の子。
カンパネルラのことが大好きな女の子。
だけど本当は孤独な女の子。
ジョバンニのことが気になる女の子。

単純にカンパネルラへの恋心からだけではなく、カンパネルラとジョバンニの間にある本当の友情が、すごく羨ましかったんじゃないかなって思っています。



また、今回は全キャストがイーハトーブの住人と銀河鉄道の乗客の2役を演じていて、その2つには何かしらリンクする部分があったのです。
わたしは銀河鉄道の乗客としては「少女」という役でした。これは原作だと「かおる子」に当たるのかな。


ザネリがカンパネルラに助けてもらったように、少女もカンパネルラの1言で救われました。

ザネリがジョバンニと言い合ったり笑いあったりしたかったことが、少女として銀河鉄道の中では叶いました。





少女は蠍の話のように自分を犠牲にして、家庭教師と一緒に神様の御許に行くことが"本当の幸い"だと銀河鉄道を降りたけれど、ザネリにとって"本当の幸い"はなんだったのかなって。


今回の舞台だけで描かれた最後のエピローグでジョバンニに救われたザネリ。2人は本当の友達になって"本当の幸い"に近づいているといいなって思っています。




演じる中で気づいたこと、感じたことがまだまだたくさんありました。
人によって全く違う解釈ができる銀河鉄道の夜。余白の部分には想像力が掻き立てられます。
宮沢賢治の作品が多くの人々に読み継がれ、語り継がれてきた所以はそこなのかもしれません。

稽古場で演出の能條由宇さんが「自分がやりたい芝居をやるのではなく『皆の真の幸いのために』お芝居をして欲しい」っておっしゃったのがとても印象に残っています。

キャスト、スタッフ、そしてお客様…すべてにこんなにも愛が溢れているのはひとりひとりが『皆の真の幸いのために』作品に関わったからなんじゃないかなあ。




銀河鉄道の旅は終わってしまったけれど、わたしもこの世界を信じてがんばります。

関わってくださったすべてのみなさま、本当にありがとうございました。
"もう数えきれないほどたーっくさんの"感謝と祈りを込めて。

さようなら、またいつか!



中右遥日
Haruka Nakau

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photo by ながやん@nagayan370528
素敵なお写真、まだあるのでInstagramに更新するかもしれません…!

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《速報》
舞台「銀河鉄道の夜」が映像化されます!
また作品を素晴らしい音楽で彩ってくださった西出真理さんのサントラも…!

✳︎舞台「銀河鉄道の夜」DVD発売決定!

銀河鉄道の旅が蘇る!ベガチーム、アルタイルチームの全2種類!

✳︎舞台「銀河鉄道の夜」西出真理オリジナルサウンドトラック発売決定!

✳︎舞台「銀河鉄道の夜」舞台写真付きパンフレット制作決定!

詳細は後日発表!お楽しみに!


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