実は今夏の長期休暇、
およそ18年間で初めて、父方の実家・父の家共に
訪問に行かなかった。
「自分で車運転して行きたかったのに、代車ゆえさせてもらえなかった」
というのが表立った理由だが
本音を言うと、いけたのに自主的に行かなかっただけ。
ひどいな。
特に高校へ入ってから、訪問するのが嫌だった。
父方の祖母からは、いつも、同居している同い年のいとこと比べられる。
私は好きで進学校に入ったわけではないのに。
そのいとこやいとこの両親は、私とまず顔を合わせないし
13年ぶりに一瞬会ったそのいとこからは、
「勉強ができるからねー」「おしゃれになってー」とか。いやみか。
第一成績なんて勝手につくものでそのための操作もしてないってかできる状況でもなかったし、あんたんとこと違って独り親でお金だってなくて手持ちの安っい服を色んな本参考にして着回してるだけだ。
しかし、入院して我が家が完全に家庭崩壊していた頃
父方の実家と病院が近いのもあって
二人はよくお見舞いに来てくれた。
無口で温厚な祖父は学のある敬虔なクリスチャンで
毎日お祈りに行ってくれてた、とのことも祖母から伝え聞いた。
次第に祖父母が同居しているいとこ一家と
完全家庭内別居、会話も無し、というのがわかってきたり、
いつもは祖父が手紙をくれるのに
祖母が一度一生懸命手紙を書いて送ってきてくれたこともあって
「私が二人(と伯母)を大切にしよう」と心で決めたのだった。
それから、帰省時にはかならず訪問をし、
勧められるまま部屋にも上がらせてもらって
毎回一定の時間話をするようになった。
でも、
だんだんわかってきた。
父方の祖母は、私の祖母をうらやましく思っている。
「何でも出来る、賢い人」と常に言う。
祖母は彼女なりに生計を立てて知識をつける努力しているだけだ。
また、私が来宅しているにもかかわらず
彼女は義母への賛辞を延々と続ける。
同じ市内にずっといるにもかかわらずご機嫌を伺うことさえもしない父と義母、
義母が確かに誰にでも好かれる明るい女性だがそんなことはさておき
もはや関係さえもない間柄なのに嫌がる私を十何年間も父の実家へ訪問に行かせ本人さえ挨拶をも続けた私の母なんて、彼女の眼中には無いのだ。
母はあんたのガン入院の際にもあの人らと違って心から心配して見舞いに行ったのに。
病人がまずおらず色んな意味で異様に優秀な母方の家系にいながら
私だけどうもパッとしないとか別れた父方の遺伝で私だけ病気をしやすいとか
そんなことで悩むことは少なくなくなった。
顔とか性格とか体質とか嗜好とか嫌になるほど別れた父にソックリ似ていて言ってしまえば母にとっては嫌で別れた男の分身が常に身近にいてしかも自身を傷つけ悩ませる存在であることを20年近く責め立ててきたのも、ここ数年「お母さんに似てきたね」といわれるようになり救われるようになった。
でもね、やっぱそういうのはあかんわ。
理屈は感情には勝たれへん。
確かに家庭内別居とかほんまに可哀そうや思うけど
悪いが私の中では貴方への壁が高く成長し
「想う気持ち」が恐ろしく縮んでいった。
もう、祖父だけでいいよ。祖父と話をさせて。
酷い孫やな。
酷い孫でごめんね。
そんな母は
訪問するたびに貴方がたがくださる金銭に心を痛めて
「訪問するのが申し訳なくなってくるなぁ…だからその分敬老の日で十分お礼の気持ちを伝えるんやよ」と言ってますよ。
そんなん言われなくてもギフトと手紙は送りますが
皮肉やな