Faint
The Last Episode.
"あたしは、冬を知らせる存在でいるくらいが、丁度いいの"
あの子の声が聞こえた。
か細い、でも確かにあの子の声が、私の耳に入ってきた。
"でも……忘れないでね、あたしのこと"
彼女との出逢いは、私の人生を変えた。
目に見える景色を変えた。
それなのに思い出はあまりにも短くて、儚い。
離れていた時間を一生悔やむほどに。
だけど、
過去は振り返らない。
寒い季節がやって来るたびに、
あの子が、そばにいてくれる気がするから。
たとえもう二度と、触れることができなくても。
手のひらに確かに残っている温もり。
coming soon...