別離人には向き不向きがある。それは良し悪しではなく、責められる所以はなかった。あなたも私も、できないということを認めるべきだった。あなたも私も、けして信じるべきではなかったのだ。痛みながら思い返す時、苦痛こそが心を裏付けた軛であり、私はもう二度と、あの日々のような情動で何かに対峙することはないのだと知る。空になった体で、私は安堵する。虚無と怒りの間で密かに願う報復は悲しいほど嘘のない安らぎだ。生まれて初めて自分以外の人間を呪った夜はまだ明けない。