![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150630/22/snufkin9037/d7/03/j/o0669096013352632764.jpg?caw=800)
歩くことは贅沢だと思っている。
歩くためには、それなりの必要な条件があるからだ。
「時間」
「気力」
「体力」
この3つのうち、1つでも欠ければ成立はしない。
常に条件が揃うとは限らない。
そういった意味で「歩くことは贅沢」だと思っている。
普段見えないものが見えてくるし、ゴールした時の達成感は格別に思える。
「夜のピクニック」
この小説は高校の学校行事「歩行祭」を通して同級生になった異母兄妹の確執を描く青春小説である。
「歩行祭」とは午前8時から翌朝の午前8時までの24時間で80㎞を歩く、苛酷なものである。
苛酷であればあるほど深く記憶に残るものである……
この小説の最大の魅力は彼等と一緒に歩いている感覚になれること。
もうひとつは素直になれない、もどかしい異母兄妹の心の変化にトキメキを感じること……
それから何と言っても「ほろ苦い青春だらけ」を感じること……
いつまで青春と呼べるのかは解らないが、誰にでも一つや二つは「青春の記憶」があると思う。
忘れていた酸っぱい記憶を蘇らせてくれる小説です……
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150630/22/snufkin9037/fd/36/j/o0540096013352632773.jpg?caw=800)
「みんなで、夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう。」
青春時代に「忘れ物」をした方にお薦めの一冊です……