夕張市の遺産 | Johnnyのブログ 「Welcome to the Moomin village」

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季節外れの蝶々が雪原の上を舞っていた……
まだ3月だというのに、一時的な陽気で羽化してしまったのだ……

2015年3月28日
北海道夕張市南部

気温は15度くらいだろう。
雪景色にはミスマッチな気温だ。

この日は普段あまり見ることのない夕張市を見に来た。
最大の目的は三弦橋(さんげんきょう)。
その他は廃墟となった建物も多く、負の遺産ばかり目についたが……


三弦橋……

実はこの鉄橋を見ることが出来るのは、あと数日しかない……
今後、二度と見ることが出来なくなる可能性が高い。

この鉄橋は1958年、大夕張ダム建設にあたり下夕張森林鉄道の一部が水没することになり造られた。
三弦トラスの世界的にも珍しい形は建設費低減と美しい景観を保つためとされている。
この鉄橋は約6年後、鉄道廃止により役目を終える。
2014年4月26日、シューパロダムの試験湛水により一時水没した。
2015年一時的に姿を現したが、あと数日で再び水没する。
余程の渇水がない限り二度とその姿を現すことはない……


シューパロダムへ行く途中。南部大橋を渡る。

橋を渡ると哀しい廃墟のマチを目にすることになる……

シューパロダムへと続く道……
そしてダムのたもとへ……

ダムから見た景色は壮観だった。
やがて此処に水が溜まり水没していく……


「南部地区で目についたもの……」

遠幌……
かつてここに大夕張鉄道の「遠幌駅」があった。

生協幌南……
廃墟になっていた。

夕張市立幌南小学校……
廃校となり二次利用されていた……
雪に埋もれるように鉄柵に雀がいた……
雪が溶けてやっと陽の光を見た……

市営清陵団地……
昭和の香りしかしなかった……


その後、鹿ノ谷駅に行ってみた……


列車の通過は40分後……
人に会うこともなく静けさだけが支配していた……


帰り道は少し気が重くなっていた。
この日見たものは「失われていくもの」、「朽ちているもの」、「いずれ朽ちていくもの」ばかり……
きっと僕もそうなんだろう……



南部大橋のたもとで見つけた春。
唯一見た気がする「希望」


自宅近くまで戻ってくると、夕暮れの時間になった。


「失われていくもの」……ってなんだろう……

僕は季節外れに羽化し、雪原を舞う蝶々の事を思い出していた……