3月21日の春分の日、お彼岸。
母と車でドライブした。
以前から母は自分の子供の頃に過ごしていた
場所や母の両親ゆかりの土地を訪れたいという思いがあって、
去年の8月下旬は母の父の故郷である鳥取の大山の方を旅した。
遠い昔に亡くなった母の父親の故郷を訪れては
自分のルーツを思う気持ちは、きっともう晩年の母の
今生での生涯を追想し、整理する魂の衝動なのだと思う。
そして今回は母が小学校途中から成人にかけて過ごした
福岡県の宇美町を訪れた。
宇美町は自分にとっても子供の頃、毎年お盆と正月に親に連れられて
訪れる「いなか」だった。
だから自分にとってもそこは縁のある場所ではあるのだけど
実際は親戚の家に行くだけで宇美の町を訪れたことはなかった。
最初は宇美町にある有名な宇美八幡神社に向けて
高速道路を使わずに下道でのんびりと田舎の風景を
眺めながらドライブした。
途中で宮若市にある物産品の市場に泊まって
その土地の農産物の新鮮さや値段に感動しながら
広々した畑の風景に癒される。
最初の目的地、宇美八幡宮に到着。
ここは何本もの大楠が御神木として祀られていて、
中でも湯蓋の森と衣掛の森と呼ばれる大楠は
天然記念物でもあり、樹齢も2000年以上と言われる
老樹。
その木々の様は大きく、素晴らしく、力強く、見事な出で立ちで
木、気のパワーの強さを感じれた。
こちらが湯蓋の森。
神社の奥を通り過ぎると、その先に奥の院を発見した。
母はここで過ごした時代、ここには来たことがなかったと言う。
橋の側の道路脇には桜が植えられていて、
もう数日で桜の花が開花する感じ。
橋を渡る途中、川の景色を眺める。
本殿の方に戻って裏の入り口から右方向にこの
衣掛の森があった。
こちらは大きな穴の部屋のような木。
中に入って上を見上げると吹き抜けになっていた。
神社を出て町を散策し、母の母校の中学校を訪ねた。
母が登校していた時代とは建物も変わり、時は流れてしまったけど、
その面影と思い出を追想しながら、昔話をしてくれる母。
それから母の兄弟、従兄弟の祀られている
近所のお寺さんを訪問。
ここで、自分は手向山で採ってきた
椿の花を仏壇に置いて自分のご先祖さま達に
祈った。
宇美町は自分が行ってた子供時代から30年以上たって、
建物も沢山増え、人も外からやってきて、随分と変わった。
母が子供の頃に見ていた風景はおそらく70年くらい前の話、
きっとどれだけ町の風景が変わってしまったか、想像もつかない。
母はもともと住んでた実家が後に火事で焼失したらしく、
その場所を探したのだけど、もう新興住宅地になっていて、
はっきりとは場所を特定できなかった。
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宇美町の散策とお寺参りを終えて、次に向かったのは
宝満山竈門神社。
太宰府天満宮から近いところにあるのだけど、
おれも母も行ったのは初めて。
近年は鬼滅の刃の舞台になった場所とかで有名になったらしく、
案の定若い子達の参拝者が多かった。
それはいいけど、ここは駐車料金を400円取られる。
なんでも有名になりすぎると、管理とか維持とかで
人件費とか余計なものがかかってしまう。
それも時の移り変わりの表れか。。。
本殿の出で立ち
近くに一本桜が咲いていた。
参拝の道の両脇は桜の木が並んでいたので、
ここもきっと満開の桜の時期は美しいだろうな。
あともう数日後くらいかな。
最後に行った場所は、太宰府天満宮。
お参りの前に参道にあるカフェ”風見鶏”でコーヒーとケーキ。
なかなか風情のある空間。
太宰府天満宮の本殿へと続く道は池を渡る橋。
その両側は大きな木々で囲まれてる。
本殿到着。
菅原道真が祀られ学問や厄除けなどの神様として崇敬される。
さて、余談だけどおもしろい話。
今回のドライブをする当日とその前日、
いつものように一枚、日本の神様カードをひいたら
玉依姫が連続で出てきた。
この絵を見たから、お彼岸の仏壇に椿をお供えしようと思い立ったのは
春分前日、散歩道の手向山の宮本伊織の祀られている場所にある
椿の花を見て思い浮かんだ時。
そして宇美八幡宮をお参りし、
お寺に椿をお供えし、
竈門神社をお参りし、
という流れがあったのだけど、
家に戻ってからその二つの神社の御祭神を調べてみると
どちらも玉依姫だと言うことが判明した。
この日は玉依姫さまから呼ばれ祝福されてたんだなー、
春分の日はご先祖さまに家族に、日本の神様にと
この国の故郷の恩恵を感じる時間でした。
そんなわけで、今回お送りするYouTube動画は
昨日スマイリー恵美ちゃんとドライブで行ってきた
築上町の山間の美しい田舎の土地にある
本庄の大楠という場所で撮ったもの。
本当はこの時期、桜を探し求めてドライブしてたの
だけど、ほとんどの桜はまだ蕾か少しだけしか開花して
なかったのもあり、そんな探検の途中でこの立派な
大楠を見つけ近づくとその存在感に自分のインスピレーションが
刺激された感覚を受け、その場で録音しようと決めました。
演奏曲は唱歌『故郷』
母の思い出の中にある故郷、
自分の魂の故郷、
日本人の心にある故郷、
千何百年という悠久の歳月、ここでいろんな生き物や
人の生死、自然の移り変わり、時代の移り変わりを
見守りながら、雨風雪、寒さに暑さ、様々な天候にも
遭遇しながら逞しく成長しここまで大きく育った御神木。
人の故郷はこの木に宿っている歴史に
刻まれたものでもあるのでしょうね。