スティーブン・スピルバーグ監督の「激突!」と言う映画がある。

初めて見たのは1975年だったかどうかは覚えていない。

1970年代であったことだけは確かである。

調べてみると日本での地上波放送は初放送が1975年1月5日「日曜洋画劇場」ということらしいが、もっと前の記憶だったような気もするので、人の記憶は曖昧だなぁと感じる。

この映画、スピルバーグが初監督し、かつ、自身の姿が電話ボックスなどに写りこんでいるということでも有名である。

 

さて、この映画。子供心に、おっかないトレーラーに追いかけられる映画、という、いまでいう「煽り運転」のサンプルみたいなものだ。

見た当時、アメリカはそう言う恐ろしいところなのか?と思ったほどである。

監督の「スピルバーグ」の名前なんて知らない時代。

 

そして時代が流れ1985年。

デロリアンというタイムマシン化された車が未来へ過去へと飛んで(走って)いく映画「バック・トウ・ザ・フューチャー」が公開される。

して、この二つの映画の共通シーンがあることをご存じだろうか。

 

それは「激突!」の中で、主人公のデイヴット・マンの乗る車を大型トレーラーが待ち伏せするシーンである。

 

1、待ち伏せられていたことに気づいて、急ブレーキで止まるシーン。左スピン。

 

2、そして、後ろを走ってきたクラッシックな車。

 

3、主人公が助けを求める通りすがりの老夫婦役を演じているアレクサンダ―・ロックウッドとエイミー・ダグラスは、スピルバーグの「未知との遭遇」でも夫婦役で出演していることは周知の事実だが、このシーンは1985年の映画「バック トゥ ザ フューチャー1」(※以下BTTFとする。)にもあることを発見した。

この激突!でのシーン、カメラアングル。

この主人公の肩越しアングルを観て覚えられたし!

 

さて、次がBTTFである。

ツイン・パインズ牧場の松の木を一本轢き倒して、農夫の散弾銃の猛射から逃げて走ってきたマーティの乗るデロリアン。

緩いカーブではないが、広々とした一本の道を走っている。

マーティが「なんでこんなことになってしまったんだ!」と独りぼやいてるところですね。

 

1、そして1985年から1955年にタイムスリップしたマーティは造成の始まったばかりのリヨン(英語ではライオン)住宅街を見つけて急ブレーキを踏むシーン!やや左にスピンします。

 

2、デロリアンは燃料切れで走らなくなり、途方に暮れるマーティ・・・。

そこへやってきたのは、またしてもクラシカルな車。(1955年ということならクラシックカーではないですね)

 

3、主人公のマーティに助けを求められ、マーティの変な格好(笑)に驚いて逃げる老夫婦の車。

この肩越しのシーンに見覚えありや?

 

もうお分かりですね。

BTTFの監督はロバート・ゼメキスだが、制作総指揮にはスティーブン・スピルバーグがいます。

おそらく、スピルバーグの「激突!」の思い入れが、「BTTF」にも描かれたのでしょうね。

どちらの映画も時代を感じさせない、いい映画です。

↑これはむかし作ったデロリアンの模型のリニューアルです(笑)

 

ほら、そこのあなた。

一度観た映画だからもういいや。なーんて思わず、よーく観てごらん。

「猿の惑星」(リニューアル版じゃないよ!)なんか日光の三猿いるんだから。