ヘレン・ミアーズという、一人の米国人女性による大東亜戦争における日本と米国について書かれた本です。驚くべき事にこの本は1948年(昭和23年)に書かれていると言うこと、またマッカーサーに置いて日本国内で発禁処分を受け1990年代になって初めて翻訳出版された物です。
概要がこちらのサイトに詳しく載っていますので是非ご覧下さい。
大東亜戦争における日本の行動について、どうしてあの悲惨で無謀とも思われる戦争に突入していったかがよくわかると思います。
私自身が、幼いときから父に聞いていた理論とほとんど同じなのでびっくりしています。いままで、このような解釈の本や解説には出会ったことがなかったので新鮮でもあります。
父は師団司令部付きの暗号手で、東南アジア方面を転戦していたので、生の重要情報に接し、1兵卒としては随分核心に触れる情報を得ていたようです。
まずは、日本が参戦していく過程において、自国の存亡を賭けていた部分が大いにあること。植民地主義の西欧諸国、またロシアの圧力で東アジアがすべて植民地化されるなかで、日本だけが西欧諸国のやり方をよく学び、その対抗勢力となったこと。
そこで、このままでは日本自体も植民地化されてしまいかねない状況であることに気づき、それをふせぐには自国の勢力を拡大し、他の東アジア諸国にも力をつけさせることだと言うことです。
もちろん、理由という物は一つではありませんから、中国や東南アジアに覇権を持ち自国国民を裕福にする意図もあったと思います。しかし、このなかで特筆すべき事は西欧諸国が植民地を経営する場合、基本的に愚民政策をとり現地住民の教育などにはほとんど興味を示さなかったのに、日本は積極的に教育や社会インフラの整備を行ったと言うことです。
植民地の住民を奴隷として使うならば、そのようなことは必要ないのですが、日本人の心情から推し量ると現地の住民に対して同胞として、同じような能力を持ち国家の繁栄に尽力して欲しいと願ったに違いないと思います。
このような大事な部分が、戦後の言論統制から続く誤った歴史観から、抹殺されている部分だと思います。
さて、日本が戦争に突き進み、徐々に破滅へ手つき進む中、なぜ原爆が投下されたかについても実に面白い解釈がなされていて、これ自体かなり信憑性が高いと思います。
すべては、アメリカ、ロシア、その他の連合国が複雑に絡み合ったパワーバランスの上で、既に不必要であった「死者にむち打つような」原爆投下が行われたと言うことです。このようなパワーポリティクスに基づいた外交は今でも連綿と続いているのです。
そのような観点から世界の動きを見ていないと、国が誤った方向に進みますし、情報に疎く民度が低い状態のままでは他国にいいようにあしらわれて国民の幸福など望めない状態になると言うことです。
個人の生活に置いても、このような力関係で多くのことが決まっていきます。ただし、法律や道徳、常識などと言う物が存在しある程度以上の抑圧は受けない社会になっていますが、国家間では、このような物が存在しません。
国家間の警察は存在しないし、国家を本来の意味で縛る法律もありません。
非常に冷酷で非道な弱肉強食の世界があるだけです。

ヘレン・ミアーズ, 伊藤 延司
アメリカの鏡・日本 新版

ヘレン・ミアーズ, 伊藤 延司
アメリカの鏡・日本―抄訳版