夫の職場から5~10分のところに乳腺専門医のおられる総合病院があります。
市ではなく町村域の、のどかな場所にある総合病院なのですが、じつは、口コミは、まあまあ悪かったりします。笑
主に、医師看護師、事務員のかたがたの対応の悪さ、医師のかたの診断に難があったこと、病棟での扱いなどについてが多いようです。おおむね全部やんか
しかし、幸運なことに、乳腺専門外科の先生に、おひとり、かなり患者さんから信頼を得ている先生がおられました。
とても優しく、よく話を聞いてくださり、説明も丁寧で、手術を受けられた患者さんからも安心してお任せできた、という口コミが多数。
定年退職されるまでは大阪の方の大きな病院や海外でご活躍だったご様子でした。
あと、たまたま、夫の会社が健康診断の指定病院にしている病院のようで、夫によると、設備は良いらしい、とのこと。
先日のトラウマからマンモグラフィーへの恐怖心はありましたが、不妊治療に間に合わせたいという思いから、意を決して、予約が必要であるか、初診当日検査が可能であるかを問い合わせました。
しかし、再検査の場合、電話で事前の検査の予約が必要なうえ、検査は水木しかやっておられないらしく、しかも、11月中旬まで予約が埋まっているとのこと。(電話をしている時点は10月下旬)
採卵が11月中旬ごろになる予定のため、これでは、転院する意味がない
他のCLを改めて探すか悩みましたが、やはり、夫の職場が近いことを優先したかったため、11月中旬以降で予定の空く日を探すことにしました。
が、水曜にマンモグラフィーを受けて1週間激痛が続くとなると、採卵前後の通院(片道1時間半)や、木曜と土曜の親の通院(片道45分程度)の送迎に加え、乳房が張る時期と被らないようにするのが至難になってきました
そもそも、この状態でマンモを受けて大丈夫なのか、何の組織を痛めてこんなに激痛が続いているのか、そちらの不安も強く、結局、悩んだ末に、まずは診察を受けに行くことにしました。
車で1時間弱、地元の総合病院に比べると小さめですが、町村クラスの総合病院にしては大き目の病院でした。
問診を書いていると、看護師さんがやってきて、
「紹介状なんですが、マンモグラフィーなどの画像は、転院前の先生からもらっておられませんか?」
と、聞かれました。
確かに、小さな封筒の厚さはペラペラだったので、画像データ入ってるのかな? と、私も不安に思っていたことでした。
封筒以外のものはいただいていないことを伝えると、
「そうですか~、画像データがないと、いろいろ判断しづらくて…かといって、もう一度マンモグラフィーを受けるとなると、被爆のことも心配ですし…
」
?!!
なんですって?!
なんだか、マンモグラフィーが免除されそうな空気ではないですか?
「前の先生にご依頼すれば、CDに焼いていただいたりできるものでしょうか?」
と、身を大きく乗り出す私。
「…お願いすれば、大抵はCDとかに焼いていただけると思うんですけど…う~ん、そうですね…分かりました。先生にお願いして、紹介元のCLにお手紙書いてもらいますね。大丈夫ですよ」
と、これまた、口コミと正反対の、優しく礼儀正しい看護師さんがニコニコしながら去っていきました。
なんと
紹介元の先生は、転院してもしなくてもマンモやるって言ってたけど、病院によって、判断が、えらく違うらしいです。
悩んでおられる方、セカンドオピニオンは重要です私の場合はセカンドオピニオンではないのですが
先生は、口コミのイメージからニコニコタイプのかたかと思っていたのですが、どちらかというと、あまり表情が変わらず、口数少ない淡々としたかんじの先生でした。
あれ? 違う先生かな? と思ったのですが、口調は穏やかですし、説明が丁寧で、好感の持てる先生でした
(名札見ればいいのかもしれませんが、じろじろ見るの苦手で)
上半身脱衣の指示があったため、またダメージを食らうのかと多少怯えながら、
「先生、触診とかされるのでしょうか」
と、当たり前の質問をしてみる。
「まあ…そうしないと分からないですから…」
淡々と困惑する先生。
事情を説明すると、かなり優しめに触診してくださったのですが、それでも痛いものは痛い
右胸は耐えましたが、左胸で耐えられなくなり、
「ぐ…ぐあああああ」と、潰された爬虫類のような呻きを漏らし、足をバタつかせ始めた私を見て、先ほどの看護師さんが、
「痛いねぇ、痛いね…痛いよねえ…」
と言いながら、私の太もものあたりを、優しく、乳児さんの背中をさするかのように、優しくポンポンし始めた。
だ…
誰や…
この病院の看護師の対応が悪いとか言ったのは
地元市の総合病院にはいないような、天使のような人でした…
そして、私の痛がりようから、あまりグリグリしてはならぬと思ったのかは分かりませんが、先生の触診が、早い早い。
トータル時間でなく、触れてる時間が。
北斗の拳のアタタタよろしく、このお歳(推定65~70ぐらい)とは思えぬほどの素早い高速な手技で、触れては離し、触れては離し。
ダンゴムシのように丸くなったりのけぞったりする患者の様子に動揺する様子もなく、飄々とした様子で、ひと通り触診を終わらせた。
な…なんか、スゴイ
着衣後、
「悪いものがあるようには感じられなかったのですが、画像データがないので、なんとも言えません。できれば、今日、組織をとる検査をした方がいいと思いますが、それほど痛がっていては、超音波の検査も難しいでしょうし…」
と、やはり、淡々と説明する先生。
しかし、痛がっていても当たり前のように検査を進める紹介元と違い、痛みを考慮しつつ進めてくださるのが、今の私にはありがたかった
そして、不妊治療が開始するまでに組織診が受けられるかもしれないなら、もう、やるしかない
「できるところまでチャレンジして、どうしても痛みで無理な場合は改めてにできませんか?」
と、中途半端な決意表明をし、うかがうように へらっと笑う私の様子に、先生、表情変わらず…
一貫して、先生のテンションが謎である
(冷たくも、感じ悪くもないが、表情が変わらず、口数も少ない、しかし、口調と物腰は柔らかい)
その後ろで、もはや、その様子にも慣れているらしい天使の看護師さんが、「ね~っ」、とばかりに「うふふ~
」っと、大きく笑い声を立ててくださった。
毎度そんなかんじなので、どうやら、先生の反応が薄い場合、看護師さんがそれを補うシステムになっている模様
ワンテンポ遅れて、先生も、「じゃあ、痛いかもしれませんが、できるところまで頑張りましょうか。難しければ、無理せず、日を改めても大丈夫ですので」と、淡々とした調子は変わらないが、優しい声掛けをしてくださった。
一旦、検査室に移動し、超音波検査を受ける。
女性の検査技師さんなんですが、これまた、口コミとは正反対に、「大丈夫ですか?」「痛くないですか?」と、細やかな気遣いをしつつ、雑談で気を紛らせたりしながら進めてくださる技師さん。
むろん、激痛襲うが、「(耐えろ、採卵のため)」と、心の中で唱え、乳房付近に爪立てしながら、なんとか完遂
診察室に戻ると、先生が、「痛いところを、すごく頑張ってくださったので、たくさん写真が撮れましたよ」と、再び優しい声かけ。
相変わらず、先生のキャラクターが、よく掴めぬ しかし、なんか好感が持てるのだ
「ここにあるのがしこりに見えるわけだけど、ホルモンの関係で乳腺が発達しすぎて、それらが集まって腫瘍のように見えているようにも思えます。ただ、ここに水のようなものが溜まっているようにも見えますし、確定のためには、組織を取って調べた方がいいと思います」
その後もいろいろ、現状を分かりやすく丁寧に説明してくださり、こちらの質問にも熱心に答えてくださった。
乳がん検診を受けた産婦人科の先生からも、次に行った乳腺専門の先生からも、「あまり気にしなくていい」とは言われましたが、検査した画像を見ながら、ここがどうなっているのだとか、どんな可能性があるのだとか、説明を受ける機会が全くなかったため、自分が今、どんな状態なのか、何も分からない状況だったので、とても不安に思いながら過ごしていました。
良い内容にしても、悪い内容にしても、詳しい説明を受けると、余分な不安が除外できたりもしますし、ありがたいなと思いました
そして、今日イチたくさん言葉を発した先生の話を聞いていて気付いたのですが、先生、ところどころ、明らかに関西なまりの発音なんです。
あれ? 違う先生かと思ってたけど、やっぱり、口コミの先生じゃない?
疑問に思うも、この流れで興味本位に名前を聞くわけにもいかず(診察室に入る前に入り口の表札を見れば良い、という話でもある…)、話は、ついに組織診の話に
「一部、組織を採って調べた方がいいと思いますが、今日、受けられそうですか?」
関西なまりのまま、穏やかに切り出す先生に、
「今日できるとありがたいです」と、即答した。
痛みが治まってからでは、採卵と被ってしまうのもあるし、なにより、後日にすると、どんな検査かを調べまくって不安に陥り、検査の日までの精神衛生上よろしくない。
大手術ならいろいろ事前に調べた方が良いと思いますが、検査の場合は、恐怖心をあおらないためにも、事前にあまり多くのことを知らない方が良い…と、内心バクバクしながら、今日受けた方が良い理由を頭を総動員して探しまくり、懸命に自分で自分に言いきかせる私。
先日の細胞診での右胸のダメージや内出血の痕(なぜか腫瘍があるのと反対側が内出血していた。針が中央を突き抜けて反対側にいったのか、先生がつかんだ時の指の痕か不明)が気になりはしたのですが、先生が受けますか? とおっしゃられるからには、特に問題ないのでしょう。
細胞診の時とは違い、今回は、同意書が必要でした。
「検査するには、こういう種類の検査があり、そのうちの「 コア針生検 」というのをやります。
リスクとしては、こういうものがありますが、確率としては、この程度です。
中には、麻酔の針が肺に刺さってしまうという重大なリスクもありますが、私の場合は、こういったケースは過去に一度も起きたことがありません」
と、説明になると、突然饒舌になる先生
とにかく、説明が非常に丁寧なのです。
ええ先生に当たって良かった
恐怖の生検ですが、内心バクバクしつつも、安心して臨むことができました
(痛いのは別の話…)
激痛の生検の模様は、長くなったので、次回に続かせます。
しかし、先生、看護師さん、、受付の人、皆優しすぎるぐらいに優しいのに、いったい、何があんなに この病院の口コミを下げているのか…謎は深まるばかりでした