画伯が吐く。
アルバムのレコーディングの為に、昔の曲でも思い出そうかと、古い作詞ノートをめくっていたら、若かりし頃の落書きが出て来た。
ノートを開いて作詞中、煮詰まると、見開きの隣のページにボールペンが逃避し、言葉にならない想いが言葉になる事を諦めて、片輪のまま産み落とされた奴等である。
ゲイジツ家にとって作品は排泄物みたいなもんだ、と良く言っているが、便秘が過ぎるとエラい事になる。想いが滞り過ぎるのである。
便秘じゃないなら、踏ん張る力が弱いのだ。ひと月もふた月も、ひり出せるまで踏ん張り続けにゃならん時もある。
ひり出したら出したで、他人様に御披露目するなら、リボンの一つも着けにゃなるまい。そのまんま吐き出したら、そりゃ猿が人に糞を投げ付けるのとさして変わらん。
何はともあれゲイジツ家諸君、心に溜まった老廃物は、早めの排泄を心掛けられたし。


