長崎は今日もARMY IN DOWNTOWN。
打って変わって今日。10時頃に目を覚まし取り敢えずビールを呑んで、福山からぶら下げて来た、チューニングの全く合わないバックパッカーでボトルネック。こののんびりし過ぎた山奥の空気に良く似合う。毎年、長崎に来ると少しギターが上手くなる。それ程何もする事が無いのだ。
15時、さて余りにも何もする事が無いので、遊びに行くという従姉妹達に便乗して山を下り、長崎の街へ。
16時、パチンコ屋。自分という人間の余りの意外性の無さに辟易しながら、ぶらぶらと打つ。
気付けば21時、一時は死ぬかも知れんと思ったが、いつの間にか6000円程勝っていたのでやめる。従姉妹達は遊び飽きたと言うので店を出て合流。
ここでふと、わざわざ街に下りて来た本当の目的を思い出す。大阪の友人が長崎に帰り、親父の後を継いでバーを営んでいるので、遊びに行くつもりだったのだ。ラオウの勇姿に夢中になって全く忘れていた。
で電話してみると、なんとガールズバーだと言うではないか。女の子引き連れて行くのもどぅかと思ったが、あーだこーだ考えるのも面倒臭ぇので、総勢６人引き連れて思案橋界隈へ。
店の下まで迎えに来てくれていた、抜群に胡散臭いスーツでビシッとキメた友人に導かれ、店内へ。こじんまりしたお洒落な店である。カウンター内にはマスターである友人と、２人の女性バーテンダー。想像していたガールズバーなるものとはかなり異なる、しっとりとした大人の空気。
そぅなると逆に我々６人がこの雰囲気をぶち壊す事になる。運転を任せた一人を残して、呑む呑む騒ぐ。こちとら今日はパチンコ勝ってっからよ、遠慮せんとガンガンいけや。とたったの6000円で悲しいくらい強気の俺。
従姉妹の１人に、バー的な店は初めてだという奴がいたので、「お前のイメージでカクテル作ってもらえや。」などと悪ノリ。一応言っておくが、普段は俺はそんな人間ではありません。し、バーという場所は本当は、そぅいぅ無理難題ふっかけて偉そうな顔したい人間が行くべき場所ではありません。死んで下さい。それにしてもあぁいぅのって結構お高いのよね。値札の無いカクテルだから。
で友人がシェイカー振るのをやんやと囃し立て、格好いぃだ色がキレイだで散々盛り上がった後、遂に出来上がって差し出された一杯を、ワクワクしながら唇に運ぶ従姉妹。固唾を飲んで見守る俺に目を向け、穏やかな笑顔で、
「…そぅでもねぇっす。」
田舎者!!グラスを奪い取る様に全員で回し呑む。んー。味はいぃけどねー。イメージはねー。まぁ初対面だしねー。じゃぁ次、お前作ってもらえ!!よし、次はお前がノンアルコールで!!などとてんやわんやの大騒ぎ。
友人もかなり追い詰められたのか、最終的にはグラスの中で電球が七色に光るなんてぇ下卑た反則技も飛び出す始末。
一頻り騒いで落ち着き、俺がハイボールすすっていると、従姉妹が横から手を出して一口呑み、
「あ、これが一番おいしかねー。」
連れて来るんじゃなかった。
帰ろ帰ろ。勘定おいくらかね？
「ありがとうございます!!20400円になります。」
本当に、連れて来るんじゃ、なかった。