揺れる彼岸花
その色は白かった
振り返れば何の脈絡もない
そんな人生の端っこで
華やかな金色のカーテンを開き
舞台が現れた
踊り、踊り、
恋をしたこの舞台こそ
私の処刑台だといつ頃気づいたのだろう
いつの間にか
首根っこを掴まれ
目を隠され
私の五感は効かなくなった
何の罪なのか
何に対する罰なのか
それさえ知らず
死の瞬間をただ待っている
隠された目が解放される
「美しい花が祝福しているよ」
呟く声のさす方向に花が揺れていた
命の輝きを想像し
勝手に真っ赤だと想像していた
揺れる彼岸花
その色は白かった