夫の中国駐在が決まった時、ここは是非足を伸ばして行っておきたいと思っていたのが 南京。
この土地は、日本人にとって、目を背けずに事実を受け止めなくてはならない場所であり、楽しいだけが観光ではないことを改めて感じる場所。
高鉄でたった2時間
目的はもちろん、
侵华日军南京大屠杀遇难同胞纪念馆
いわゆる
南京大虐殺記念館
夏休みシーズンだったからか、記念館内は中国人で賑わっていて、たまたまなのかいくら耳を澄ましても日本語は無。
でも、私達夫婦だって記念館に一歩足を踏み入れた時から、
醸し出す雰囲気と、
目の前の悲惨な資料と、
旧日本軍が南京の地で行った事実に、
とても他人に聞こえるような声で喋る気にならなかったから、例え周りに日本人が居てもお互い気付かなかったのかも。
私達は記念館に来た多くの中国人と同じように、1937年にこの地で起きた事実を観にきたわけで、両者の目的は一緒。
でも、展示された多くの資料を観ていると、両国に跨がる深い溝と日本人に対して今尚持っているだろう負の感情は察して余りあるなと感じたり。。。
中国側で認識している犠牲者数は
約300,000人
この数字の真偽を問う声もあるけれど、数ではなく事実は事実だということ。
印象的だったのは、日本一老人の名で『贖罪と慰霊』と書かれた石碑。
それと万人坑遺跡と呼ばれる犠牲者の合同墓地。
記念館だけど、資料館でもあり、慰霊の場でもあるこの施設。
日本人として訪れる意義は大きい。
こんな悲惨な南京大虐殺について、まだまだ勉強不足だったなぁ、と。
日本帰国後、図書館で見つけたこの本を手にとり、両国の当事者の手記を読んでみた。
歴史認識への意見は様々。
けれども、素直に戦争の犠牲者に手を合わせたい。
そんな気持ちになりました。