ログ・ホライズン6 夜明けの迷い子/エンターブレイン


2014年、12冊目。橙乃ままれ『ログ・ホライズン 6 夜明けの迷い子』

シリーズ6作目。

次の展開への序章でしょうか。

次巻と時系列的には並列になるアキバでのアカツキの苦悩話。

 

 

自身の力のなさに思い悩むアカツキは一流の武器を求める一方、噂される”口伝”を求めて他のギルドを探るが、逆に己の力のなさを思い知らされ消沈するばかり・・・。

そんななか、アキバの街に謎のPKが現れる。

戦闘系ギルド<西風の旅団>の二番隊隊長レベル90のキョウコですら手もなくやられてしまう。

更に、このPKには奇妙な点があった。街を見張る衛士がこれを探知しないのだ。

犠牲者がその後も続くが、復活した犠牲者の目撃情報を集めても、なかなか犯人には迫れない。

ソウジロウは街の巡回にあたり、犯人を追い求めるがなかなか発見することはできない。

犯人は元衛士。

アキバの衛士らを管轄する供贄一族の若頭菫星がレイネシアに伝えたのは、衛士らを衛士たらしめている動力甲冑が盗まれたのだという。

大地人の起こした不祥事に青ざめるレイネシアに対し、アカツキは健気に立ち向かおうとするレイネシアのために立ち上がる。

間もなく殺人鬼を発見したアカツキだったが、そこはソウジロウらと殺人鬼が切り結ぶ現場だった。

しかし、ソウジロウも劣勢。アカツキも加勢するが、殺人鬼の前に圧倒され、ソウジロウもろともに敗れてしまう。

死んで辿り着いた砂浜でアカツキはシロエと出会うが・・・。

一人で挑むことの無力さを知ったアキバは、これまで隠してきたシロエが不在であることを明かすと、周囲に助けを求めた。

リーゼ、ヘンリエッタ、ナズナにレイネシアをはじめ、レイネシアの茶会に集まる冒険者らを糾合し、殺人鬼への対策が練られて・・・。

 

 

話としては前巻と同様に小さな話ではあるが、本来はゲームの機構の一部であろう部分を担う供贄一族など新たな勢力の存在が開示されるなど、新しく物語が動き出した感は強い。

ただ、一方で、青春もの的なグジグジした湿っぽさというか、情けなさというか、読みにくい部分もなきにしもあらず。

最後は、お約束的な団結ものではあるが、気持ち良くラストを迎えるという意味ではそれもありか。

シロエの不在が明らかにされた今巻。

次巻はシロエを主人公とした話になるのか。

シロエも死んでしまったとの暗示があるが、一体、どこで?

 


お奨め度:★★★☆☆

再読推奨:★★☆☆☆