BCGワクチンの本来の目的は結核の予防で、とくに小児期の重篤な結核に対して有効性が高いとされます。ただ、麻疹や風疹のワクチンとは違って、BCGワクチンが定期接種になっていない国も多くあります。結核に感染している人が少ない地域ではBCGワクチンの必要性が小さいからです。世界的にみて、日本は結核の中等度の蔓延(まんえん)国です。
結核の予防以外にも、BCGワクチンが効く(かもしれない)病気はいろいろあります。有名なところでは膀胱(ぼうこう)がんに対してBCGの注入療法が行われています。あるいは、花粉症などのアレルギー疾患や結核以外の感染症にも予防的に働くという研究もあります。