話題作の映画『国宝』を見てきました。
吉田修一さんは好きな作家さんの1人なので原作はもう何年も前に読んでいたけど、上下巻の大作で読むだけで疲れてしまったので映画も最初はためらっていました。
でもあまりにも周りからの評判が良く、やはり映画館で見たいと思い行ってきました。
歌舞伎のシーンが思っていた以上に多く、それらをすべて俳優さんたちが本当に演じています。歌舞伎はほとんど見たことがないけど、素人が見ても本物の歌舞伎役者のような演技であることがわかり、それだけで圧倒されてしまいました。
物語は途中ものすごく悲しくて切なくてしんどかった。ただ「悲しい」ならまだいいのだけど、何かしら理不尽なことがあるとそこに感情移入してしまうので本当につらい![]()
*以下ネタバレ含みます*
半二郎が自分の代役に息子の俊介ではなく喜久雄を指名したのは、俊介の気持ちを思えば確かにつらいのだけど、喜久雄の方が実力があったのかもしれないし、俊介に奮起してほしくてあえて指名したのかもしれない、と思える。結果的に俊介は出て行ってしまうのだけどそれも自分の意思だし。でも半二郎が亡くなって俊介が戻ってきて、喜久雄が追い出されたのは本当に見ていてつらく、これだけ人生を捧げてきたのに結局「血」なの?という理不尽さ、そして喜久雄の気持ちを考えると涙が出ました。
その後2人はまた共演することになり、命を削って舞台に立ち続ける俊介とそれを支える喜久雄の舞台シーンは圧巻でした。
評判通り素晴らしい映画だったけどやはり疲れた。