ある日の午後、閑散とした白生徒会に一人の影があった。そんな影に、俺は無粋にも見たまま心にわいた感情をそのまま具現化してしまったのである。
『なぁ、何やってるんだ?』
『別に……』
行くの間違えたかな、と俺はかゆくもない頭を掻く。今日は明後日までがノルマだった書類をおいて帰る予定だったのだけど。
彼は白い短髪をかきむしっては四角い箱と格闘している。少なくとも俺に解決できないトラブルじゃなさそうだ、だが絶対に手伝ってなどやるものか。
『んじゃ、これ置いてくから。今から黒生徒会行くし』
『あ……』
『……何か仕事あるか?』
『別にっ……いや、だったら事務室に方眼紙と白いチョークを取ってきてくれるか?』
『やだよめんどい。おまえがいけ』
『偉そうに……仕方ない、お前に任せるとろくなものをとってこないからな』
とまあいつものやりとりだ。こいつの尊大さにはいちいち付き合ってなどいたくないのだが、あれだけ胸の奥で天使と悪魔がガチでやりあってたら流石に無視もできない。
戸が二回動く音を聞いたのを確認すると、俺は酷いことになっているPCを一旦強制終了する、そして再び立ち上げると、問題を処理しはじめた。様々な動作を一度にやろうとしたらしい。忙しいのは分かるけど、ただでさえ旧式のPCにアホみたいに負荷かけやがって。
一応黒生徒会の師匠(機械系統以外は役立たず)に改造してもらってでかい出力はかませるのだが、肝心の基盤がぼろぼろですぐに根をあげてしまう。ファンだけでも新調したいものだ、本体が激しく熱をもっている。
『ふう、これで終わっt』『……戻ってきたぞ』
『あ、だいぶ早かったな』
『当然だ。ボクはおまえと違って敏腕だからな』
本当はかなり遅かったのだ。俺は機械に特別強いわけではないからフォーマットしないかぎり一瞬でトラブルを処理などできないし。
ついでに、俺が安堵の吐息をつくまで戸の反対側であうあうしてたのも知っている。分かり切っているが、それを口にするのははばかられた。
別にこれでいいのだ。どうあっても小夏に逆らえない自分が彼には逆らうなど烏滸がましい。
『じゃ、俺はいくからな』
『あ、ちょっと待て』
俺が振り返ると、目の前には茶色の物体が。顔を引いて物体との間に空間を作り、そこに手を入れてキャッチした。
『久々見つけて美味そうだったから買ったけども、今思えば微妙だったから微妙なおまえにくれてやる』
『おう、ありがとな冬瑚(とうこ)』
『ボクは冬獅瑯(とうしろう)だっ!!』
ああはいはいと適当にうなずいて返す。いつもの日常、静かに流れていく雲。
無粋に投げつけられたそれは予約制の大人気なパン、思いつきで買えたものではないのだ。別に俺のために予約したのじゃないだろうが、自分が食べたいからと予約までしたそれを自分に投げてよこしたわけだ。
この最高に無粋な俺の友達は、今日も無粋に、だけどふとした瞬間につりあった天秤を激しく揺らす。
そのたびに、こいつの秘密、いや担いだ十字架を知る者としてしっかりフォローしてやりたい。
『次その名を言ったら殺す』
『はいはい』
今日も決まって二回返事をする。それにこいつは決まって『人間本当のことは一回しかいわないんだ』と返すのだ。
一か月以上前に携帯に書いておきながら今の今までお蔵入りしていた短編です。故あって女装している『ボクっ子』ツンデレと言う珍しい感じ。
この学校は生徒会が文科系と体育系の管轄で白と黒に分かれており、主人公は両方の生徒会の雑用を故あってやっているのです。
色々あって冬獅瑯は主人公の事が好きで、黒生徒会の女の子達といちゃいちゃされたくないもんだからちょくちょく時間のかかる仕事を言い渡しているのですが、ちゃんとお礼とかも忘れない良い感じの子。
基本M方面に回る俺としては自分がSになれる相手(M度が俺より上の相手って事ですね)はかなりポイントが高いのですが、高校時代を過ぎて何かそう言う人はそうそういないわけで、あの出会いがどれほど貴重だったか思い知らされました。
『なぁ、何やってるんだ?』
『別に……』
行くの間違えたかな、と俺はかゆくもない頭を掻く。今日は明後日までがノルマだった書類をおいて帰る予定だったのだけど。
彼は白い短髪をかきむしっては四角い箱と格闘している。少なくとも俺に解決できないトラブルじゃなさそうだ、だが絶対に手伝ってなどやるものか。
『んじゃ、これ置いてくから。今から黒生徒会行くし』
『あ……』
『……何か仕事あるか?』
『別にっ……いや、だったら事務室に方眼紙と白いチョークを取ってきてくれるか?』
『やだよめんどい。おまえがいけ』
『偉そうに……仕方ない、お前に任せるとろくなものをとってこないからな』
とまあいつものやりとりだ。こいつの尊大さにはいちいち付き合ってなどいたくないのだが、あれだけ胸の奥で天使と悪魔がガチでやりあってたら流石に無視もできない。
戸が二回動く音を聞いたのを確認すると、俺は酷いことになっているPCを一旦強制終了する、そして再び立ち上げると、問題を処理しはじめた。様々な動作を一度にやろうとしたらしい。忙しいのは分かるけど、ただでさえ旧式のPCにアホみたいに負荷かけやがって。
一応黒生徒会の師匠(機械系統以外は役立たず)に改造してもらってでかい出力はかませるのだが、肝心の基盤がぼろぼろですぐに根をあげてしまう。ファンだけでも新調したいものだ、本体が激しく熱をもっている。
『ふう、これで終わっt』『……戻ってきたぞ』
『あ、だいぶ早かったな』
『当然だ。ボクはおまえと違って敏腕だからな』
本当はかなり遅かったのだ。俺は機械に特別強いわけではないからフォーマットしないかぎり一瞬でトラブルを処理などできないし。
ついでに、俺が安堵の吐息をつくまで戸の反対側であうあうしてたのも知っている。分かり切っているが、それを口にするのははばかられた。
別にこれでいいのだ。どうあっても小夏に逆らえない自分が彼には逆らうなど烏滸がましい。
『じゃ、俺はいくからな』
『あ、ちょっと待て』
俺が振り返ると、目の前には茶色の物体が。顔を引いて物体との間に空間を作り、そこに手を入れてキャッチした。
『久々見つけて美味そうだったから買ったけども、今思えば微妙だったから微妙なおまえにくれてやる』
『おう、ありがとな冬瑚(とうこ)』
『ボクは冬獅瑯(とうしろう)だっ!!』
ああはいはいと適当にうなずいて返す。いつもの日常、静かに流れていく雲。
無粋に投げつけられたそれは予約制の大人気なパン、思いつきで買えたものではないのだ。別に俺のために予約したのじゃないだろうが、自分が食べたいからと予約までしたそれを自分に投げてよこしたわけだ。
この最高に無粋な俺の友達は、今日も無粋に、だけどふとした瞬間につりあった天秤を激しく揺らす。
そのたびに、こいつの秘密、いや担いだ十字架を知る者としてしっかりフォローしてやりたい。
『次その名を言ったら殺す』
『はいはい』
今日も決まって二回返事をする。それにこいつは決まって『人間本当のことは一回しかいわないんだ』と返すのだ。
一か月以上前に携帯に書いておきながら今の今までお蔵入りしていた短編です。故あって女装している『ボクっ子』ツンデレと言う珍しい感じ。
この学校は生徒会が文科系と体育系の管轄で白と黒に分かれており、主人公は両方の生徒会の雑用を故あってやっているのです。
色々あって冬獅瑯は主人公の事が好きで、黒生徒会の女の子達といちゃいちゃされたくないもんだからちょくちょく時間のかかる仕事を言い渡しているのですが、ちゃんとお礼とかも忘れない良い感じの子。
基本M方面に回る俺としては自分がSになれる相手(M度が俺より上の相手って事ですね)はかなりポイントが高いのですが、高校時代を過ぎて何かそう言う人はそうそういないわけで、あの出会いがどれほど貴重だったか思い知らされました。

