飛鳥はシートの上に寝転がりごろごろした。柔らかい草の上に敷いているので感触もとても良いらしい。
「ん~、それにしても、この傾斜が程良く体を傾けつつうまい具合に花火が見えるんだよね」
「だな。さてと、奴らのために焼きそばとかの予約でもとってくr」
「私も行くっ!!!」
何か食いついてきた。確かに重労働ではなかったので俺だけで行く必要性もないと言えば無いのだが……まあ良いか。
顔なじみの屋台がいくつかあるので、そこに予約を取ろうと言う腹だ。こうすれば奴らが来た際にすぐ熱くて美味しい屋台メニューがご賞味できるのだ。
「じゃあ行くか、ほら立って」
「あっ、ありがと……んっ」
俺は右手を差し伸べて飛鳥の右手を掴んで立ち上がらせる。立ち上がるとバランスを取り直した彼女はその手を思いっきり払いのける。あ、やばい。
「ごめん、痛かった?」
「いっ、いやそんな事じゃなくて……さ、さあ早く皆の分の食べ物をっ」
両手を握りしめて頑張るアピールをする飛鳥。そういう事でないのなら良いけれど……と言う事で二人は顔なじみのおっさんがいる屋台へ向かった。
「さてさて、やるわけだな、飛鳥」
「うん……でも銀璽君、私、やっぱり……」
「大丈夫だよ、飛鳥ちゃん。数か月だけど、色々頑張ってきたじゃない」
「なずなちゃん……」
少しだけ開いた窓から突風が吹きこんできた。書類が巻き上がり、紙のこすれる音や折れ曲がる音が無情に響く。
かねてから計画を練っていた飛鳥の告白。実はこの二人、ずっと前に会っているのだがそれを信は覚えていないのである。長い長い片思いに、彼が再び戻ってくるという好機、高校三年の夏、ここを逃せば受験戦争に突入して最悪志望校に入れずギクシャクと言う事もある。
「私……やるっ、きっとやれるよ……!」
「頑張れよ、飛鳥ちゃん」
灯也が右手で飛鳥の肩を叩く。ついでに左手で飛鳥のお尻を触ろうとしたので、玲於奈が背負い投げを綺麗に決めてあげた。弓道部なのにやる人だ。
「ふう、後でちゃんと請求しないとな」
「あふっ、美味しいよこのたこ焼き」
「そりゃあ産地直送のさっきまで生きてた生タコ使ってるからな」
そんなたこ焼きを作っているのはうちの学校の体育の先生。俺らが強引に生徒会の許可を通して『掲示板見ましたと言ったら一個サービス』と言うベタな企画でかなりの高校生客が来たので注文のついでにお礼として一パックくれたというわけだ。
「にしたって……平和だな」
「そりゃそうだよ、治安が悪かったら私はこんなところでパトロールなど致しませんっ」
言いきった。それにしても遅いなあいつら。集合時間から一時間が過ぎようとしている。玲於奈の姿は見つかったがあまりに忙しそうなのでそのままにしておいたが。
「ねえ、信君……あのさ、高校卒業したら、どうするつもり?」
「あ、ああ……N大の医学部を受けてみようと思う。一時期は無理かとも思ったんだけど、やっぱりもう一回目指すつもり」
「凄いね、信君は」
「目指すだけなら誰でも出来るから」
「ううん、信君なら出来るよ」
静かに微笑む飛鳥。何だかなぁと俺は頭をかく。どうにも話がつかめない。
とうに日は落ちている。花火ももうすぐ始まるだろう。それなのに二人っきりか……
「ねぇ、信君……いや、信『ちゃん』」
「っ!!!!??……やっぱり、そうだったんだな」
「ごめんなさい、最初に会った時から気づいてたし、君も気づいてるってわかってたけど……ずっと言えなかった。あの時の私は最悪な人間だったから」
「最悪って……お前のやった事は、」
「どんなに弁明しても、私は卒業生のみんな、いや全校人間にとって邪魔な存在だった」
「そんなわけないだr」「嘘だっ!!!!!!」
当時小学校で人気だった若い先生の起こした事件、飛鳥の親が猛抗議した事で大した罪もないその先生は辞職に追い込まれ、皆に愛されていた先生を辞めさせた原因の子供である彼女は大多数の人間にうとまれ結局は学校にいられなくなった。
飛鳥の頬を涙が濡らす。彼女はあの時以来声をあげて泣く事が出来なくなった。大声で泣けばそれをまた非難されるからだ。『お前が悪いのに何でお前に泣く権利がある』と。
「私は……貴方が好き、私の事を覚えていても黙っていてくれた貴方が、皆が私を嫌っても、私を嫌わないでいてくれた貴方が、誰よりも頑張っていた貴方が……ごめんっ、さよならっ!!!!!」
「あっ、ちょっ……」
「いたっ!!!!!ううっ……」
下駄の鼻緒が切れ、逃げ出そうと走り出した飛鳥は盛大に転んでしまった。駆け寄り手を差し伸べた信に対し、飛鳥は反射的に手を払いのけた。
「ごっ、ごめんなさいっ……下駄なんて履いた事なくてっ……」
「飛鳥……とりあえず、俺は今その鼻緒の修繕は出来ないから……っと」
信は飛鳥を抱きかかえ、神社前のベンチまで連れて行った。玲於奈の叔母さんから手拭いを貰って、飛鳥の鼻緒を直してあげた。
「いたたっ、ちょっと、これ結構太いんだけど……」
「慣れれば大丈夫だと思うけど……」
「うわ、血が出てる……」
「はじめてなのに調子に乗るから……ほら、舐めるか?」
「私子供じゃないもん……うん、ありがと」
玲於奈の叔母さんから貰ったべっ甲飴(爪楊枝に刺したお手製)をポケットから取り出して差し出すと、飛鳥は黙って舐め始める。
「ううっ、苦い……」
「それ焦げてる部分……何であんな事を言ったんだ?あのタイミングで」
「……………」
「……言ってくれないと、俺だってどうしたらいいk」
「断りたいならさっさと断れば良いじゃない!!!!!!!」
大声を出し飛鳥は俺をにらみつけた。最悪なタイミングで、一発目の花火が打ちあがる。この花火は本格的な花火大会用ではなく試運転と本大会の30分前と言う合図を兼ねている。
「怖かったんだもん!!!!!信ちゃんが気づいてるかもしれないとか私がした事を実は根に持ってるんじゃないかとか私の事嫌いなんじゃないかとかぁああっ!!!!!!!」
「飛鳥……」
「だから結果なんて聞きたくなかった、結果が分かり切ってるのにそんな事聞きたくなんか無かっt」
「嫌いなわけないだろっ!!!!!!!!!!」
とっさに叫んでいた。自分の気持ちをうまく代弁した美辞麗句を探していた俺は胸の奥にあった確かな気持ちを声に出していた。
「あれが同情なわけないだろ!!!!!!俺がああいうの嫌いなの知ってるだろ!!!?深い意味なんてない、それくらいでお前と無理して付きあってたまるかよ!!!!」
自分でも何を言っているか良くわからなかった、飛鳥が泣いている、それも頭の片隅にただ在るだけだった。
「別にお前が好きとか、嫌いとか無いけど!!!!!!!無いけど……飛鳥にそんなこと言われて嬉しくない奴いないだろ!!!!!!もしいたら、俺がぶっ飛ばして……して、やるよ……」
「……………」
「あの時も今までもずっと俺たちは友達同士だったからきっと俺の見えてないものがたくさんあると思う、それでも……ずっと一緒にいて、それでも俺の事を嫌いにならなければ……その、良いんじゃねぇの?」
「……ごめんね、怒鳴ったりなんかして」
「俺も同じだって……でも、お互いに本気は伝わっただろ?」
俺はにっこりとほほ笑むと……ポケットの中から夏の風物詩を取り出して着火し……はるか後方へ放り投げた。
「うぎゃあぁああああああああっ!!!!!!!!!!!!」
バチバチバチバチッ!!!!!!!!!!と遠くからでも認識できる派手な爆竹が炸裂する。と言うわけで望みのものが釣れたわけだ。
「上手に釣れました~♪(棒読み)」
「てめぇっ、ピンポイントで俺の股に爆竹って何だよ!!!?」
「鬼畜ですから」
「まずいっ、銀璽が女の子にっ、それでも私は銀璽の事愛してるからガチ百合かっ!!!?」
「本当にあんさんは下ネタしないと息出来ない生物かいな……」
巫琴がなずなをやれやれと言った目で見るので彼女にも爆竹を投げつけてやった。ついでにその場にいた霧鹿、灯也、なずなにも。霧鹿には華麗に回避されてしまったが。全く何なんだこの人は。
「でもまあ良かったよ、失敗だったら何のために蚊に刺されながらも頑張ったか分かんないからな」
「もっと別の事にその労力使ってほしかったがな」
「でもほらっ、これで一件落着だよ、さあ皆で花火大会を満喫しようよ、ねぇ銀璽っ!」
「ま、ええか……(うちも彼氏とかほしいんやけどなぁ)」
「お、みんな集まって楽しそうだな。って事は……」
玲於奈が巫女の恰好でやってきた。手には大福の山積みされた皿が乗っている。
「うんっ、成功だよ!!」
「そうか、良かったな……お、中々じゃないか。今年は金かけたらしいからな」
この町の守護神を象った花火が上がる。青、赤、黄色、緑、紫、色とりどりの花火が夜空を埋め尽くす百花繚乱の艶やかさ。
そんな景色に眼を輝かせる飛鳥は……喜びながらも、その両目には涙を湛えていた。
後日。銀璽が録音した音源にはピンクのもわもわ~んとしたBGMとともにあの日の会話が録音されていた。
『いたたっ、ちょっと、これ結構太いんだけど……』
『慣れれば大丈夫だと思うけど……ううっ、血が出てる』
『はじめてなのに調子に乗るから……ほら、舐めるか?』
『……うん』
『ううっ、苦い……』
「で、感想は?」
「……とりあえずお前を埋める」
やっと終わりました、と言うかプロットは出来てましたし、そもそも実体験を使ったところが結構あります。いいですよね夏祭り。欲を言えばもう少しヒロイン視点でドキドキさせたかったのですが。
登場キャラは全て過去に小説で出したキャラたちなんですが、巫琴だけは別の作品で他はみんなある作品から出ています。
受験前のあの時のドキドキ(LOVEベクトル)は忘れられないね。あんまりドキドキラブラブしてなくてごめんなさい。
ぺたボタンセカンド、友達が描いた絵です、うますぎる。近々日焼けあずにゃんを書いてくれるとか、下書きが神すぎて私興奮を抑えられませんぜ。
「ん~、それにしても、この傾斜が程良く体を傾けつつうまい具合に花火が見えるんだよね」
「だな。さてと、奴らのために焼きそばとかの予約でもとってくr」
「私も行くっ!!!」
何か食いついてきた。確かに重労働ではなかったので俺だけで行く必要性もないと言えば無いのだが……まあ良いか。
顔なじみの屋台がいくつかあるので、そこに予約を取ろうと言う腹だ。こうすれば奴らが来た際にすぐ熱くて美味しい屋台メニューがご賞味できるのだ。
「じゃあ行くか、ほら立って」
「あっ、ありがと……んっ」
俺は右手を差し伸べて飛鳥の右手を掴んで立ち上がらせる。立ち上がるとバランスを取り直した彼女はその手を思いっきり払いのける。あ、やばい。
「ごめん、痛かった?」
「いっ、いやそんな事じゃなくて……さ、さあ早く皆の分の食べ物をっ」
両手を握りしめて頑張るアピールをする飛鳥。そういう事でないのなら良いけれど……と言う事で二人は顔なじみのおっさんがいる屋台へ向かった。
「さてさて、やるわけだな、飛鳥」
「うん……でも銀璽君、私、やっぱり……」
「大丈夫だよ、飛鳥ちゃん。数か月だけど、色々頑張ってきたじゃない」
「なずなちゃん……」
少しだけ開いた窓から突風が吹きこんできた。書類が巻き上がり、紙のこすれる音や折れ曲がる音が無情に響く。
かねてから計画を練っていた飛鳥の告白。実はこの二人、ずっと前に会っているのだがそれを信は覚えていないのである。長い長い片思いに、彼が再び戻ってくるという好機、高校三年の夏、ここを逃せば受験戦争に突入して最悪志望校に入れずギクシャクと言う事もある。
「私……やるっ、きっとやれるよ……!」
「頑張れよ、飛鳥ちゃん」
灯也が右手で飛鳥の肩を叩く。ついでに左手で飛鳥のお尻を触ろうとしたので、玲於奈が背負い投げを綺麗に決めてあげた。弓道部なのにやる人だ。
「ふう、後でちゃんと請求しないとな」
「あふっ、美味しいよこのたこ焼き」
「そりゃあ産地直送のさっきまで生きてた生タコ使ってるからな」
そんなたこ焼きを作っているのはうちの学校の体育の先生。俺らが強引に生徒会の許可を通して『掲示板見ましたと言ったら一個サービス』と言うベタな企画でかなりの高校生客が来たので注文のついでにお礼として一パックくれたというわけだ。
「にしたって……平和だな」
「そりゃそうだよ、治安が悪かったら私はこんなところでパトロールなど致しませんっ」
言いきった。それにしても遅いなあいつら。集合時間から一時間が過ぎようとしている。玲於奈の姿は見つかったがあまりに忙しそうなのでそのままにしておいたが。
「ねえ、信君……あのさ、高校卒業したら、どうするつもり?」
「あ、ああ……N大の医学部を受けてみようと思う。一時期は無理かとも思ったんだけど、やっぱりもう一回目指すつもり」
「凄いね、信君は」
「目指すだけなら誰でも出来るから」
「ううん、信君なら出来るよ」
静かに微笑む飛鳥。何だかなぁと俺は頭をかく。どうにも話がつかめない。
とうに日は落ちている。花火ももうすぐ始まるだろう。それなのに二人っきりか……
「ねぇ、信君……いや、信『ちゃん』」
「っ!!!!??……やっぱり、そうだったんだな」
「ごめんなさい、最初に会った時から気づいてたし、君も気づいてるってわかってたけど……ずっと言えなかった。あの時の私は最悪な人間だったから」
「最悪って……お前のやった事は、」
「どんなに弁明しても、私は卒業生のみんな、いや全校人間にとって邪魔な存在だった」
「そんなわけないだr」「嘘だっ!!!!!!」
当時小学校で人気だった若い先生の起こした事件、飛鳥の親が猛抗議した事で大した罪もないその先生は辞職に追い込まれ、皆に愛されていた先生を辞めさせた原因の子供である彼女は大多数の人間にうとまれ結局は学校にいられなくなった。
飛鳥の頬を涙が濡らす。彼女はあの時以来声をあげて泣く事が出来なくなった。大声で泣けばそれをまた非難されるからだ。『お前が悪いのに何でお前に泣く権利がある』と。
「私は……貴方が好き、私の事を覚えていても黙っていてくれた貴方が、皆が私を嫌っても、私を嫌わないでいてくれた貴方が、誰よりも頑張っていた貴方が……ごめんっ、さよならっ!!!!!」
「あっ、ちょっ……」
「いたっ!!!!!ううっ……」
下駄の鼻緒が切れ、逃げ出そうと走り出した飛鳥は盛大に転んでしまった。駆け寄り手を差し伸べた信に対し、飛鳥は反射的に手を払いのけた。
「ごっ、ごめんなさいっ……下駄なんて履いた事なくてっ……」
「飛鳥……とりあえず、俺は今その鼻緒の修繕は出来ないから……っと」
信は飛鳥を抱きかかえ、神社前のベンチまで連れて行った。玲於奈の叔母さんから手拭いを貰って、飛鳥の鼻緒を直してあげた。
「いたたっ、ちょっと、これ結構太いんだけど……」
「慣れれば大丈夫だと思うけど……」
「うわ、血が出てる……」
「はじめてなのに調子に乗るから……ほら、舐めるか?」
「私子供じゃないもん……うん、ありがと」
玲於奈の叔母さんから貰ったべっ甲飴(爪楊枝に刺したお手製)をポケットから取り出して差し出すと、飛鳥は黙って舐め始める。
「ううっ、苦い……」
「それ焦げてる部分……何であんな事を言ったんだ?あのタイミングで」
「……………」
「……言ってくれないと、俺だってどうしたらいいk」
「断りたいならさっさと断れば良いじゃない!!!!!!!」
大声を出し飛鳥は俺をにらみつけた。最悪なタイミングで、一発目の花火が打ちあがる。この花火は本格的な花火大会用ではなく試運転と本大会の30分前と言う合図を兼ねている。
「怖かったんだもん!!!!!信ちゃんが気づいてるかもしれないとか私がした事を実は根に持ってるんじゃないかとか私の事嫌いなんじゃないかとかぁああっ!!!!!!!」
「飛鳥……」
「だから結果なんて聞きたくなかった、結果が分かり切ってるのにそんな事聞きたくなんか無かっt」
「嫌いなわけないだろっ!!!!!!!!!!」
とっさに叫んでいた。自分の気持ちをうまく代弁した美辞麗句を探していた俺は胸の奥にあった確かな気持ちを声に出していた。
「あれが同情なわけないだろ!!!!!!俺がああいうの嫌いなの知ってるだろ!!!?深い意味なんてない、それくらいでお前と無理して付きあってたまるかよ!!!!」
自分でも何を言っているか良くわからなかった、飛鳥が泣いている、それも頭の片隅にただ在るだけだった。
「別にお前が好きとか、嫌いとか無いけど!!!!!!!無いけど……飛鳥にそんなこと言われて嬉しくない奴いないだろ!!!!!!もしいたら、俺がぶっ飛ばして……して、やるよ……」
「……………」
「あの時も今までもずっと俺たちは友達同士だったからきっと俺の見えてないものがたくさんあると思う、それでも……ずっと一緒にいて、それでも俺の事を嫌いにならなければ……その、良いんじゃねぇの?」
「……ごめんね、怒鳴ったりなんかして」
「俺も同じだって……でも、お互いに本気は伝わっただろ?」
俺はにっこりとほほ笑むと……ポケットの中から夏の風物詩を取り出して着火し……はるか後方へ放り投げた。
「うぎゃあぁああああああああっ!!!!!!!!!!!!」
バチバチバチバチッ!!!!!!!!!!と遠くからでも認識できる派手な爆竹が炸裂する。と言うわけで望みのものが釣れたわけだ。
「上手に釣れました~♪(棒読み)」
「てめぇっ、ピンポイントで俺の股に爆竹って何だよ!!!?」
「鬼畜ですから」
「まずいっ、銀璽が女の子にっ、それでも私は銀璽の事愛してるからガチ百合かっ!!!?」
「本当にあんさんは下ネタしないと息出来ない生物かいな……」
巫琴がなずなをやれやれと言った目で見るので彼女にも爆竹を投げつけてやった。ついでにその場にいた霧鹿、灯也、なずなにも。霧鹿には華麗に回避されてしまったが。全く何なんだこの人は。
「でもまあ良かったよ、失敗だったら何のために蚊に刺されながらも頑張ったか分かんないからな」
「もっと別の事にその労力使ってほしかったがな」
「でもほらっ、これで一件落着だよ、さあ皆で花火大会を満喫しようよ、ねぇ銀璽っ!」
「ま、ええか……(うちも彼氏とかほしいんやけどなぁ)」
「お、みんな集まって楽しそうだな。って事は……」
玲於奈が巫女の恰好でやってきた。手には大福の山積みされた皿が乗っている。
「うんっ、成功だよ!!」
「そうか、良かったな……お、中々じゃないか。今年は金かけたらしいからな」
この町の守護神を象った花火が上がる。青、赤、黄色、緑、紫、色とりどりの花火が夜空を埋め尽くす百花繚乱の艶やかさ。
そんな景色に眼を輝かせる飛鳥は……喜びながらも、その両目には涙を湛えていた。
後日。銀璽が録音した音源にはピンクのもわもわ~んとしたBGMとともにあの日の会話が録音されていた。
『いたたっ、ちょっと、これ結構太いんだけど……』
『慣れれば大丈夫だと思うけど……ううっ、血が出てる』
『はじめてなのに調子に乗るから……ほら、舐めるか?』
『……うん』
『ううっ、苦い……』
「で、感想は?」
「……とりあえずお前を埋める」
やっと終わりました、と言うかプロットは出来てましたし、そもそも実体験を使ったところが結構あります。いいですよね夏祭り。欲を言えばもう少しヒロイン視点でドキドキさせたかったのですが。
登場キャラは全て過去に小説で出したキャラたちなんですが、巫琴だけは別の作品で他はみんなある作品から出ています。
受験前のあの時のドキドキ(LOVEベクトル)は忘れられないね。あんまりドキドキラブラブしてなくてごめんなさい。

ぺたボタンセカンド、友達が描いた絵です、うますぎる。近々日焼けあずにゃんを書いてくれるとか、下書きが神すぎて私興奮を抑えられませんぜ。





