[C]

 何のことは無い、僕はかつてどんな楽器の声も聴く事ができた。まだ自我の芽生えていない、あるいは自分自身を表現する言葉を知らない楽器でなければどんな楽器の気持ちも手に取るように理解できた。
 しかし、とある事情で僕は楽器の声が聞こえなくなる。大切な()相棒・クルルの声を除いて。それから、僕は楽器を演奏する事が出来なくなった。なぜかと訊かれれば、そんな下らない理由だったのだ。



 次の日。桜吹雪の舞う学園への並木道を、今日は二人で歩いていた。否、歩いているのは一人だけか。髪を撫ぜる心地よい南風に背中を軽く押されながら、僕は非常にいらっとした面持ちで歩を進める。

 『おおっ、おおおぅっ、おおおおおおおっ!!!!!! 祝・外出っ!!! 脱・ニーーーートっ!!!!!』
 『うるせぇ』

 エナメルの鞄の口から顔を出して、現在は手のひらに乗るくらいのミニサイズとなった幼女が目をキラキラさせている。こんな風に収納しているだけでもヤバいのに(一応他人には見えないはずだけど自分の心境としては中々辛い)、それと雑談に興じるなんて冗談じゃない。傍から見れば独り言を話す痛い奴だ。意識を集中させて最低限の命令を出し、すたすたと歩いていく。
 学校指定のエナメルの鞄はクラリネットが入っているせいで昨日よりもかなり重かった。一応依り代的な役割であるこれを持って来ないとクルルが学園までやって来れないのだ。これがあれば学校の周囲くらいなら彼女も自由に動き回れる。

 『やっぱり昨日の女の子の御陰なのん? ご主人はてっきり低脳低身長低収入の女子を金と権力で支配するのが好きだと思ってたのん』
 『何その三低。僕がロリコンみたいに言うんじゃない。あとそのしゃべり方止めろ。口調を戻せ』

 よほどの田舎でもない限り、彼女を知らない吹奏楽人はおそらく日本には存在しないだろう。金管女王、山口雪姫の異名がそれだ。彼女の出身校は全国的に吹奏楽で有名な中学校で、昨今の吹奏楽ブームにあやかって何度かテレビにも出た事がある。
 彼女は金管楽器全般を手足のように自在に操る。そんな中でも最も得意とするのはトランペットで、彼女がトップに立って演奏されたローマの祭り(オットリーノ・レスピーギ作曲)はテレビ画面越しでありながら鳥肌が立ったものだ。
 激しい曲だけでなく静かで優雅な曲も吹きこなし、一時期は『音楽に愛された女子中学生』と呼ばれていた、ような気もする。

 『ではでは、お昼時まで失礼するのね。色々楽しいものがありそうだし~』
 
 クルルは胸ポケットから飛び出すと、元の2,30cmの姿に戻った。そして背中の双翼をパタパタさせながら学園の中へと飛んでいく。大丈夫か彼女を放置して、とも思ったが、まあ誰にも見えないし聞こえないし大丈夫か、と考え直し僕は彼女を適当に送り出した。可愛くない子には身銭を与えず旅をさせよ。と言う事で去り行く背中に手を振り、また歩き出そうとすると。

 「何してんの?」
 「わわわっ!!!!?」

 後ろから不意に声をかけられ情けない叫びを洩らしてしまう僕だった。反射的に振り向くとそこには水無月さんが立っている。今日は肩まで伸びた長髪に×模様の髪留めを付けている。まさにこちらとしてはばつが悪い。

 「いや、遠くに知人が……」
 「ふーん……まあ良いけどさ、今日クラリネット持ってきてるよね」
 「何故それを……っ」

 クルルがエナメルの鞄の口を閉めていかなかったせいで鞄からはクラリネットのケースがチラ見えしていた。あの幼女後でシメてやる、そう心に誓ったがさし当たってはこの状況の回避のほうが先決と言えた。

 「どういう心境の変化?」
 「いや……(どうしよ)」

 色々な言い訳が頭の中を駆け巡っていたが、自持ちの楽器を持参してきて楽器吹かないというのはあまりにも怪しすぎる。
誰かに貸す、と言うのも怪しすぎるし、と言うかまだ殆どのクラスメイトと話していないのでそう言った嘘も付けない。こんなところでコミュ障が仇になるとは思わなんだ。大人しく真実をぶちまけられたら良いのだけれど、真実が時に虚構よりもタチが悪い事を僕は身を以て体感している。でなければ現代社会にまで『嘘も方便』などという都合のいい格言が継承されたりはしない。

 「……たまには楽器吹きたくなってさ。でもブランク長いから、聞かれると恥ずかしいんだけど」
 「だったらさ、放課後屋上行こうよ。入学前にこの学園のOGの先輩に聞いたんだけど、この学園屋上を開放してるんだって。そこでなら楽器吹いても大丈夫なんだってさ」

 目をキラキラさせて提案してくる彼女を見て、マリアナ海溝よりも深く落胆した。言い終わって何の切り替えしにもなっていないことが分かり酷く落ち込んでしまう。あまりコミュ障を追い詰めないでくれお願いだから。と言う事で少しばかりの抵抗を試みてみた。

 「でも、楽譜も何も無いよ?」
 「大丈夫だよ、楽譜なら何冊か図書館で貸し出してたから」
 「凄いなこの学園」
 「と言う事で、鍵は私が借りてくるから四時半くらいに行こうよ」
 「……分かった」
 「うんっ、じゃあまた教室で!」

 放課後と提示されたのだから放課後はちょっと用事がと断ることも出来たのだが、じゃあいつ吹くつもりだったのとか言われるだろうから結局回避不可能だろうと悟る。渋々了承せざるを得なかった僕の心中を知らない彼女は満面の笑みでぺこりとお辞儀をすると、玄関へと走っていった。
 そうか、彼女はフルート担当だったっけか……考えて止めた。確かにクラ・フルート二重奏の楽譜は鞄の中のUSB内にデータとして入っているが、そんなものをわざわざ持っていく必要は無かろうて。


 ……と言う事で昼休み。今朝の話が気になったので僕は図書館に来ていた。成る程、これは広い。話によると市内の図書館などとも本のやり取りを行っているらしく一般のお客様も入館を許可されているらしい。
 登校前に買っておいたパンを適当に平らげて来たので昼休みもまだ始まったばかりの時間帯だが、結構な人数がいた。机で大人しく本を読んでいる人も居れば友達と談笑している人達も居て様々だ、所々制服が違う生徒は中等部の子達だろう。
 と言うか中等部と隣接しているからと言って別館をわざわざ作る意味はあるのか。大学か。大学の図書館よく知らんけど。噂によると児童書は殆どおいていないらしい。

 『広いのね~……カリカリポリポリカリカリポリポリ』
 『うるせぇよ。図書館内での飲食は禁止されてんだけど』

 昨日買ってあげたポテトサラダっぽいものを細長く整形した後揚げたお菓子を人の頭上で食べるクルル、食べかすが頭に降り注いでくる。ちなみにまだ実証したことは無いが、彼女が触れている食べ物は他人には不可視だが彼女の手を離れた場合見えるようになるらしい。よく分からないけどそんな感じ。よって現在僕は頭上にポテト菓子の滓を付着させたいたい生徒と言うことになっている。何だろうこれ。僕が何をした。
 このまましていると痒くなりそうだったので、僕はゴミ箱の前で滓を払う。すると、肩をとんとんとたたかれた。

 「……可能なら、外で……」

 眼鏡をかけた、数冊の小さな本を片手に積んだ白髪の少女。いかにも真面目そうな容姿の彼女におどおどした様子で諭されては従わざるを得ない。あ……すみません……と僕は外へ出ると近くの茂みで髪を払った。土に還る物だからかまわないだろう。
 元の場所に戻ると、その子はまだ同じ場所に立っていた。非常に申し訳なさそうな表情だ。俯いているので顔全体がよく見えるわけではないが。

 「あの……ごめん」
 「いや、僕こそ館内汚すとこだったし……」
 「……土屋、さん?」
 「え、ま、まあ……」

 何だか嫌な予感がする。僕自身彼女に会ったのは初めてのはずなのだが(入学時点でこの学園に殆ど知り合いが居なかったため)、彼女が自分を知っていると言うことはまた吹奏楽関連の話だろうか。自惚れている訳ではないが、明らかに才女と分かる女子達が吹奏楽部入れと強く迫ってくるここの所の星回りを鑑みるにそれは十分ありえそうな話だった。

 「……私、知ってる?」
 「……ごめん、分からない」
 「私……一応、同じクラス」
 「あ……あぁ」

 思い出したかもしれない。彼女の名前は金城蕾(かなしろつぼみ)、影が薄すぎて昨日の自己紹介では逆に印象に残っていた。と言っても今のやり取りを見てもらえばわかるとおり、即日忘れてしまったのだけど。
 とても白い肌に少しばかり猫背気味の背中、華奢な肢体は生粋の文学少女を思わせた。少なくともこの時間に此処に居るわけだし(前の時間は体育だったためおそらく彼女は着替えてそのまま此処に来たのだろう)。

 「……名前」
 「ん? 享佑だけど……」
 「……ごめん、違う。呼び方……」
 「あ、ああ……別に、特に変なあだ名はついてないけど」
 「……じゃあ、土屋君」
 「別に良いけど……ってか金城さん、手馴れてるみたいだけど入学前から此処結構来てたりする?」

 無言で、こくりと頷く彼女。何だろうこの子。僕自身割とコミュ障であることは自覚しているつもりだけど、さすがにこのレベルではないぞ。

 「寮、入ってから、多分毎日」
 「だったら、貸し出しとかってどうやるか教えてもらえる?」
 「……了解。でも、学生証で、すっと」

 彼女が持っていた本はまだ借りていない物だったらしく、近くの無人貸出し機に本を入れて学生証をカードリーダーに通すと、ピッと音が鳴った。これで終わりなのか、便利すぎる。

 「ありがとう、金城さん」
 「……どう、いたしまして」

 その後で更に何かを言いかけて、彼女は口をつぐむ。それじゃあ、と会釈し、彼女は図書館の奥へと消えていった。不思議な子だなぁ、と僕。それについては頭上の幼女も同意権だったようだ。だが。

 『あの子……こっちをちらちら見てきたような気がする……のね』
 『気のせいじゃないのか?』
 『だといい……わけないのね。むしろもっと私を見てくれる人が増えて欲しいのね』

 向こうからその話を振ってくることはないだろうな~とは思ったが、それはそれで今後彼女とどう接していこうか非常に悩ましい僕だった。だがまあそれはおいといてだ。此処に来た目的を果たさなければならない。
 館内図を見て、奥の更に奥の部屋へと移動し、真っ暗な部屋の明かりを点ける。埃と紙とインクのにおいが鼻をつく。その部屋は大体教室ひとつ分ぐらいの広さで、四方が巨大な棚で囲まれていた。
 そして眼に飛び込んできた『楽譜庫、許可の無い限り持出しを禁ず』の貼り紙。許可は取っていないため(担任に難癖をつけられて計画が頓挫した)今回は見るだけだが、まあそれでも……ね。
 [B]

 ……………

 ………

 …

 「……ただいま」

 少しばかり重い扉を開け、返事の返ってこない我が家に僕は一言声をかけた。閑散とした廊下に淋しく自分の声が反響する。僕は靴を脱ぎきちんと揃えると、居間に向かった。テーブルの上には妹の書き置きがある、多分夕食でもこしらえてから出て行ってくれたのだろう。一宿一飯の恩義とはよく言うけれど、宿を貸したくらいで飯を食わせてもらったのはむしろこちらの方なのでそれだけでも対等だと思う。
 『お米はお兄ちゃんが帰ってくる位の時間に炊き上がるようにしてます。あとポテトサラダと豚肉の生姜焼き(仕込のみ)を準備してるので、お肉の方は適当に焼いて食べて下さい』……か。流石妹だ、僕のツボを心得ている。
 さっさと食べて寝ようと思い僕は自分の部屋へ向かった。鞄を下ろし制服を脱ぐと私服に着替え……机がガタガタガタガタと震えているのを見た。あーそういや今朝ケース閉じてから出ていったんだったけか。流石に酷いか……と、僕は机の上に乗った黒いケースを開ける。
 その瞬間、強烈なアッパーカットが僕の顎をとらえた。

 『ああぁああああああもうっ!!!!!! どんだけ閉じ込めておけば気が済むのねっ!!!!!??』
 「うぐ……忍びないな」
 『なぁあああああにが忍びないですかっ!!!? 丸一日こんなとこに閉じ込めてご主人はアホのキワミなのねっ!!!!!?? アッーーーーーーー!!!!」

 僕の顎に強烈な一撃を与えた犯人は小さな身体を最大限暴れさせぷんすかと発狂している。黒と銀の入り混じった髪(染毛に失敗したわけではないらしい)に黒のワンピース、天使の右翼と悪魔の左翼を持った全長2,30cmの少女と言うか幼女は、続けざまにボディブローを叩き込もうと机を蹴って突進してきた。そんな彼女を僕は掴むと勢いよくスープレックスを決める。馬鹿め何度もやられてたまるものか。

 『うごげっ!!!!』
 「いやマジで申し訳ないと思ってるって。だから許してくれ、クルル」
 『言動と行動が一ミリも噛み合ってないのね……申し訳ないと思ったらスープレックスをかます人種のお人ですかご主人は』

 頭を押さえてマジで痛がる幼女、クルルを(一応ベッドの上に落としたのだけれど、打ち所が悪かったらしい)撫で撫でする僕だったが、触り所が悪かったのか強烈なカウンターを食らってしまった。ボディブロー再び。ちなみに幼女と侮るなかれ、無駄に強烈な拳を持っているので普通に痛い。

 「じゃあこうしよう、500円まで何でも好きなもの買ってやるから」
 『ううう……ま、まあよかろうなのね。じゃあ早速行くのね』
 (ちょろいな~……)

 頭に搭乗する彼女、一応言っておくと彼女はそんなに重くない。ヘルメットを被るくらいの感覚を想像して貰えればいいかと思う。

 「じゃあクルル、どこに行きたい?」
 『ソレイユ行きたいのね! 今の時間帯ならシュークリームとかパンとかがお安くなってるはず……』
 「遠いわ。でもまあ……定期で行けるし大丈夫かな」

 ソレイユと言うのは24時間ほぼ年中無休で営業しているスーパーマーケットで、品揃えも豊富でしかもかなり安い。そのせいでその近場のコンビニは劣勢を強いられているとか。
 と言う事で機動戦士土屋は有能なパイロットにコントロールされながらお買い物に行くことになったのだった。まあ殆ど何も食材無かったし、何か保存の利くものも一緒に買いに行こう。僕は財布にそこそこのお金が入っているのを確認し、極めて適当な格好(シャツにジャケット、下はGパン)で外へと……繰り出す前に。僕は彼女が出てきたケースの前に立ち、中身を見つめた。その中には一つのマウスピース、バレル、上管、下管、ベルの五つと薄い木べらのような物が何枚か入っている。
 僕はそのケースを、クラリネットの入ったケースの蓋を閉める。カチャリと言う音がして、クラリネットは外界と遮断された。別に深い意味は無い。ただでさえ日本の気候に合っていないクラリネットを大気に晒すのが可哀想だっただけだ。音楽を続けていくのをやめたからと言って、楽器を粗末に扱おうなどとはとても思えなかった、ただそれだけの事だ。
 僕は小さな青い手提げ袋にクラリネットのケースを入れると(これが無いとクルルは遠くへ行けない)、頭上の彼女を振り落とさないように、静かに歩いて家を出るのだった。


 ガタンゴトン……夜の電車は朝よりも鮮明に車輪と線路のぶつかる音を響かせる。余計な視覚的情報が入ってこないからというのもあるが、基本的に夜のほうが音が遠くに飛ぶのだ。僕らは周期的な振動に揺られ目的地のある駅まで黙って座っていた。
 クルルは……悪霊のようなものだと個人的には思っている。彼女曰く『楽器の代弁者』らしいが、本当のところはよくわからない。
 物に触れるし、先程の問答を聞いてもらっても分かるとおり食べ物を食べることも出来る。気に入らないやつを殴ることだって。だが、厄介な事に彼女は僕以外の人間には見えないのだ。妹にも見ることは出来なかった。あの完全無欠の妹ですらだ。
 ちなみに彼女は胸ポケットに入るサイズまで自身を小さくすることも出来る。ただこの際は僕とその所有物(服など)以外に触ることが出来ず、僕の周囲から離れられなくなる。また、楽器に宿り直すことで楽器と一体化する。ただしその状態で楽器ケースを閉めると彼女は一切外に出てくることが出来ないみたいだ(少なくとも今朝から夜にかけてはそうだった、冗談とはいえ悪いことをしたものだ)

 『お腹すいたのね……』
 「今は我慢しろ、500円分をソレイユで買えば1日分くらいのおやつは買えるだろ」
 『丸2日何も食べてないのですがそれは……』
 「んぐっ……」

 ちなみに昨晩僕の部屋を散々な状態にしてくれたのは大体こいつのせいだった。些細な口論、と言うか僕が高等部からは吹奏楽をやめると言ったら激おこである。単純に留守番が暇すぎて死ぬからと言う理由もありそうな気がしたが、それで大喧嘩した。
 それでも、『部活入らなくていいから連れて行け』とは一言も言わない辺り、彼女も僕に音楽を続けてほしいのか……そう思うとやり切れなくなってくる。
 ちなみに発言を直接脳内に送ったりする事も一応可能なのだけど、無駄に疲れるので今日みたいな周囲に誰も居ないときは普通に喋っている。それか携帯電話を耳に当てながらとか。たまにバレるが問題ない。
 それからもとりとめもない事を色々と話している間に、電車の揺れが収まった。目的地に着いたらしい。僕は電車を降りるとそのままソレイユへ向かった。春先とは言えまだまだ夜は寒い、もう少し着込んでくるべきだったかと思う……と。
 僕の目の前には、一人のクラスメイトが居た。黒い艶めいた髪にすらっとした肢体、そして自分の低身長がより際立つほどの高身長。男なら誰もが振り返る程の美貌を持つ彼女は、僕を見つけると駆け寄ってきた。

 「あっ、土屋くん」
 「山口さん……久しぶりって、ついさっきまで一緒に部活見学してたじゃん」

 山口雪姫(やまぐちゆき)、自己紹介一つでクラス全員を圧倒した迫力は微塵もなく、あるのはただただ微笑みの素敵な一般的な高校生女子の顔だった。

 「まあそうなんだけど……土屋くん、この辺に住んでるの?」
 「いや、2駅ほど離れたとこなんだけど……ここ便利だし、定期使えるからさ」
 「そうなんだ……私女子寮だから、この辺なんだよね」
 「女子寮ってこの辺なのか……すごい便利なんだね」
 「そうそう、いいとこに建ててくれたよね、ホント……あのさ、土屋くん」

 神妙な顔つきで、山口さんは僕の方を見つめる。

 「私の事……覚えてるかな?」
 「……そりゃあ、もう。大体一年ぶりかな」
 「吹奏楽……続けないの? 受験で忙しくて三年生のときはソロコン出てなかったみたいだけど、土屋くんの実力ならブランクなんてすぐに」
 「ちょっと待って」

 僕は彼女の言葉を遮った。おそらく彼女だけではないだろう、そう思っているのは。だからこそ言わなければならない。

 「別に受験で忙しいから出なかったわけじゃないよ。単純に出たくなかっただけだし、もう音楽をやる気はないんだ」
 「……勿体無いよ。私、土屋くんと同じ学校で、同じクラスで嬉しかったのに。一緒に音楽したかったのに……舞台裏で私感動して涙流してたんだよ、あんなに深い音を出せる人が中学にいるなんて」
 「ごめん……でも、買い被らないでほしい。山口さんが思っているほど僕は凄い人間なんかじゃない。もしかしたら昔は凄かったのかもしれないけど……今は……っ」

 何者かが必死で人の頭髪を引っ張っている。こんな時までやめてもらえないだろうか。こんな所で急に局地的に禿げたらどうしてくれるんだ。

 「……僕は音が苦になった、だから音楽から逃げ出したんだよ」
 「土屋くん……いつでも待ってるから、土屋くんなら多分、いや絶対入部出来ると思ってる」
 「……また明日学校で」

 瞳を潤ませ、彼女はぺこりとお辞儀をして帰っていった。僕は彼女が完全に視界から消えるのを確認すると、後頭部を壁に打ち付けた。声にならない呻きを上げる相棒をひっぺがすと、僕はぐちゃぐちゃにされた髪を整えた。

 『……何故なの。ご主人……今だって私の事、しっかり見えてるのに……』
 「……知るかよ。むしろなんで見えるんだ、僕みたいな人間が……」


 何故、未だに楽器に愛されているんだ。その言葉は、彼女の前で言葉にする事は出来なかった。
 Ⅰ:Prelude in the Mist

 [A]


 「それじゃあ、次、12番の奴」
 「はいっ!! 桜木希(さくらぎのぞみ)、15歳ですっ!!! そりゃそうかっ!!! 中学までは吹奏楽部でホルン吹いてたんですけど、親が反対するんで高校からは運動部で荒ぶろうと思いますっ!!!! 以上っ!!!」

 翠蓮(すいれん)学園高等部。1学年20クラス程度の割と、いやかなり大きな規模を誇る伝統ある私立学校法人の高等部だ。ただ学園と言っても皆翠蓮高校とか翠高とか言ったりしていたりする。学園と学校の違いなどあってないようなものらしいのだけれど。
 1年5組の自己紹介は出席番号順ではなく事前に用意されたくじの番号順に行われていた。ちなみに出席番号順に決まっていた座席はこのくじに従い即座に席替えが行われバラバラになってしまった。別に此方は構わないのだけど教師陣は大丈夫なのだろうか。名前を覚えにくいことこの上ないと思うのだが。
 今教壇に立ちクラス全員の前で発表してくれた生徒は身長が150cm無いくらいの小さなショートカットの女の子で、制服を着ていなければ小学生と言われても通じるかもしれない子供っぽい容姿。挨拶内容と風体を同時に現す四字熟語があるとしたら『元気一杯』か。熟語じゃないとか言わないでもらいたい。
 それにしても熱い。熱すぎる。テニスでもやるつもりだろうか。偏見か。などと達観した目で彼女を見ていた僕であったが、よく考えたら自分のくじの番号は13番だった。不吉な数字を引いたものだと辟易していたが、こんなハイテンション娘の後に挨拶しなければならないとは、早くも不運の波は押し寄せてきているらしい。重い足取りで教壇へ向かうと、精一杯普通の表情をつくろい、

 「えー……土屋享佑です。部活は特に考えてません。宜しくお願いします」

 我ながら無味乾燥な挨拶だった。周囲の拍手もカラカラに乾いている。僕はそのまま音も無くストンと座った。次、14番の奴~と先生が言うと、後ろの席に座っていた女生徒が立ち上がる。先程電車の中で出会った子だ。彼女の所作でふわっとした桜のような匂いが周囲に広がる。

 「水無月夏海です。音楽したくてこの学園を選びました。部活は吹奏楽部に入ろうと思っています。宜しくお願いします」

 パチパチパチ……と暖かい拍手が響く。分かりやすいな~と思いながらもそれに追従した。達観していても彼女が人気者になるだろうことは容易に想像がついた。すらっとした頭身、綺麗な肌、大きな胸、優しそうで且つ締まった顔立ち。理知的な語り口調もあいまって、誰にでも人気が出るだろうことは言うまでも無い。
 そのような感じで淡々と自己紹介が続き、終盤に差し掛かったころチャイムが鳴る。安っぽい電子チャイムの音ではなく実際にチャイムを鳴らして録音したらしい音だった。

 「ええと、じゃあ少し休憩挟んでまた続きな」

 担任の渡利先生(メガネをかけた若い真面目そうな先生で、吹奏楽経験者だが色々あって顧問の座は勝ち取れなかったそうな)はそれだけ言って教室を出て行った。途端にがやがやとなる教室。折角窓際の日差しがいい感じに差し込む場所を手に入れたのでつかの間の仮眠を取ろうとした僕だったが、それは叶うことは無かった。癪な話であるが、前に居た男子生徒に声をかけられたゆえ。

 「うっす、土屋とか言ったかお前」
 「ああ、まあ。ええと、確か火野(ひの)、君だっけか。吹奏楽部でファゴットやるとか言ってた」

 黒く日焼けした頭髪ツンツンの快活な青年は馴れ馴れしく話しかけてくる。一応近くの生徒だったので苗字だけでも覚えておいてよかった。

 「そうそう。ちなみに下の名前は陽介(ようすけ)な。陽ちゃんとか呼ばれてたんでそんな感じで」
 「……じゃあそうする」
 「そういや土屋、お前部活決めてないって言ってたよな?」
 「まあ、色々見て決めようかと思ってるんだけど……」
 「そっか……こんな学園じゃなきゃ一緒にブラスやろうぜって誘ったんだけど、まあ仕方ないわな」

 落胆する陽ちゃん(この呼び方に慣れる必要があるのか甚だ疑問だ)だが、彼がそういうのも無理はない。さっきの水無月さんが『音楽したくてこの学園を選びました』と言うだけあってこの学園の吹奏楽部は強い。全国で金賞を取れるレベルなのだ。前情報でも『初見さんお断り、パートによっては部活そのものに入れないこともある』と聞いている。どこのプロ団体だとも思ったが、夏のコンクールを主眼に置くとそうなってしまうのかもしれない。それでも、数だけ確保してオーディションなどの形式を取りながら切磋琢磨させる方がいいとも思うのだが、それすら難しいくらい入部希望者が居るのだろうか。いや全然関係ないのだけれども。

 「まあ入学式の歓迎演奏でファゴットは一人しか居なかったし、俺の実力ならたとえ競り合っても多分大丈夫だろうけどな」
 「へぇ……よく知らないけど、上手いのね」
 「そりゃあ多少自信が無きゃわざわざ自前で買ったりしねぇよあんな高い楽器。昨年の全国大会ではコントラファゴットも使ってたみたいだし、もしかしたら俺が吹くチャンスもあったりして……」

 低音楽器のことはよく分からないが、あんな化け物みたいな楽器を吹きたいと言う辺りかなりの低音マニアか変態かどちらかだろうと推測した。あるいは両方か。
 それにしてもまあ、自分の周りには吹奏楽界の人間ばかり寄ってくるな~と思う。いい迷惑なのだが、これもまた一つの受難なのかもしれない。切っても切れない関係か。きるけど。
 ところでさぁ……と彼は机の下からルーズリーフを一枚取り出すと、一筆認(したた)めだす。なになに……

 『このクラスで誰が好みよ』

 グシャッ、メモを引っつかむとくしゃくしゃに丸め窓の外へ放り投げた。幸い誰も見ていない、と信じたい。拾った方どなたかあるべき所=ゴミ箱へ捨てて下さい。
 
 「馬鹿なのお前莫迦なの」
 「一気に口調崩れたなおい。いやそういうのって男子高校生にとってそう言うのって最優先事項じゃねぇの?」
 「うるせぇ最優先事項は吹奏楽にしとけ。ってかまさかそういう下らない目的で音楽やってんじゃないだろうなお前」
 「違ぇよ、むしろブラス女子はよっぽどのことがないと避けたい……んだけどもさ、ほら、あの水無月さん。あの子は例外だな」

 彼女をひとさししゆびゆびで指差しながらひそひそ声でこっそり話してくる陽ちゃんだった。確かに可愛いのは分かる。だがあの吹奏楽に命懸けてますみたいなスタンスは多分自分とは相容れないだろうな~とも思うわけで。かなりの直情型だし。

 「多分ライバル殺到だろうけどさ、同じ部活同じクラスってのは結構なアドバンテージだと思うわけよ。だからこうね、最初はお友達から始めて」
 「純情だな。もつのかその伽羅。偽った姿で近付いても意味無いんじゃね」
 「いやそれはほら、最近のアニメとかって割と本性グロいのに美少女の姿で近付いてくる的な」
 「何の話してるの?」

 水無月さんが首を伸ばしてきた。口には出さないが明らかに陽介(もうこれでいいや)の顔が引きつっている。

 「いや、何かアニメの話してると思って。私が今読んでるラノベが丁度そういうのだったから」
 「ああ、もしかして『アザトースと過ごすあざとい日常』かな」
 「そうそう。今丁度5巻の『深奥の冒涜』読んでてね、何か無駄にクトゥルフ神話の知識がついちゃった」
 「な、何それ何それ。クトゥルフ? 最近何かで聞いたことあるけど……」

 陽介が身を乗り出してきた。うざいなこいつ。全身で臨戦態勢をアピールしてやがる。別に見た目は悪くないのにこれじゃ中々彼女出来ないだろうな~と完全に自分を棚に上げて蔑んだ視線で彼を見ていると、水無月さんは後ろへ下がり持っていた手提げから一冊の本を取り出していた。

 「はいこれ」
 「へぇ、これが……がががががががが」

 顔が真っ白になっていた。真っ白なハイってやつだ。まるで自分の犯罪がばれて千本ノックで処刑される事になった奴のように。何を見せたんだ貴女は。そして戦犯はきょとんとしている。僕は彼から本を取り上げて前を向かせ(思いの外硬かった、ガガガガって言ってた)て座らせると、取り上げた本のタイトルを見た。

 「……何だってこんなもの持ってきたの」
 「いやぁ同志が居るかと思って」
 「出来たらこれ使って同志探すの止めて貰えるかな」
 「駄目なの?」
 「同志を探す度にこれ見せられた人の半分近くがこうなる事に良心の呵責が芽生えないならお好きに」
 「ううむ、火野君なら別に白骨化しても構わないんだけど……あ、ちゃんと聞こえてたからね。いい友達になろうねって言っといて」

 氷のような笑みを浮かべると、彼女は僕から本を引ったくり席に戻った。怖いなこの女の子は。早く次の席替えしたい。このままだと視線だけで後ろから殺される気がする。そんな事を考えていると、教室の扉がすーっと開いて先生が戻ってきた。大量のプリントを抱えている、多分挨拶の後配るのだろう。

 「いや~ごめんごめん、ちょっと印刷に手間が……じゃあ次、30番の奴」
 「はい」

 少し離れた場所に居た黒髪の女生徒がすっと立ち上がり、すたすたと前へ進んでいく。艶めいた髪、すらっとした手足、と言うかでかいでかすぎる。水無月さんよりでかいんじゃないかこの人。況や僕と比較をや。勘弁して欲しい。

 「山口雪姫(やまぐちゆき)です。部活は吹奏楽をしようと思っています。よろしくお願いします」

 ただそれだけの事なのに。彼女の発言にクラス中が息を呑んだ。全員が背筋を正され、彼女の姿に目が釘付けになる。そして数秒の沈黙の後、遅れてあちこちからパラパラと拍手が起こる。それほどまでに凛とした彼女の立ち振る舞いは場を掌握するほどに圧倒的だった。蛇に睨まれた蛙でもこうはいくまい。RPGの負けイベントのほうがまだマシだ。
 とりあえず一番ビビっていた担任がようやく体勢を立て直し、次の生徒を指名する事で歯車はもう一度正常に回りだしたのだった……が。


 「……よし、これで全員終わったな。んじゃあ今からプリント配るから。今日は昼から部活動見学ツアーな。見学先でスタンプ押してもらう形式にしてあるから、放課後即帰ったりしないように」

 全員の自己紹介が終わった後、担任は糞みた……面倒な事を言い放ちやがったのである。
 どうも、46熊です。別に中国で出回ってるくまモンのパチモンではありません。

 中々執筆速度が上がらない上に推敲しだすとまったく話が進まないため、もういっそのこと上げちまおうぜと言う行き当たりばったりな感じで始めてみました。
 久々の執筆でブランクありありなのですが、書いていけばそれなりにテンションもあがってくるだろうと言う事で、よろしくお願いしますー。

 作者的には二度目となる吹奏楽物です。と言ってもあんまり吹奏楽しなさそうな予感がしてならない……音楽を文字で表現するのは難しいのですよ。楽隊のうさぎとかBeat Kids!とかホント尊敬する。

 若干ながら知り合いの名前やら性格やら拝借している面があるのですが、『こいつ俺じゃね』とか思っても温かく見守っていただけたらと。


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 楽器に愛された者達、世の中にはそうとでも定義しなければ説明できないような神業の持ち主がこの世界には存在する。

 一般の人間がどれほど効率的な研鑽を積もうとも届かない、まさに『次元が違う』存在。その音色は老若男女を問わず人々を魅了し、そのパフォーマンスとエンターティナー性は人種を超えて世界中を日々沸かせている。

 その『楽器に愛された者達』が、比喩ではなく本当に言葉通りの存在だとしたら。どうだろうか。

 職人が心血を注いで生み出した楽器に何らかの霊的な存在が降りる、などということももしかしたらあるのかもしれない。とりわけこの日本においてはそこらの木石にすらも神が宿ると言う考え方のある国だ、大量生産される楽器においても使い手が愛情を持って接すればひょっとしたら強い自我をもたらす事もありうるのではないか。

 今回語るのは一人の少年の物語。どこにでも一人はいるような、際立った特徴のない冴えない少年の送る少し特別な非日常。


 音一つ、心一つ。舞台は、桜咲く街の一室にて始まる。



   ~音が苦になったから
     僕は『音楽』から逃げ出した~


 Overture The town blowing Southern-Wind


 水無月夏海(みなづきなつみ)を説明するとしたら、然程多くの言葉は要らない。品行方正、成績優秀、才色兼備、百人が百人振り向くであろうそんな人間だ。何と胸糞悪い事か。
知れば知るほど良い所しか見えてこないつまらない奴だ。学年に一人くらいは居るだろう、『一人一人の悪い所を上げてみようみたいな糞企画の際に『何でも一人で溜め込もうとする』『優しすぎる』』みたいな賞賛にも似た意見を頂戴してしまう酷い奴だ。世の中にはそんな企画の際に誰からも意見を賜る事の出来ない可哀想な人間だっていることを知るべきではないかと思う。
 そんな絵に描いたような聖人が僕なんかと関わってしまったのがそもそもの間違いだったのではないかと思う。僕のせいで、僕にとっては彼女のせいで、かもしれないが、二人の人生は大きく変わってしまった。
 それこそ、舗装されたレールの上を進んでいては絶対にわからないような世界に、僕らは飛び込んでいくのだから。



 ……………

 ………

 …


 はぁ、はぁ、はぁ………

 基本的に物欲が無いためか部屋を散らかす事の無い僕だが、日差しの差し込む約6畳の部屋(日本の子供部屋にしては一人で居るには少し大きい方らしい)は荒れに荒れていた。何も知らない人間が見たら発狂したのではないかと思うだろう。概ね正解だ。だからこそタチが悪い。寝癖はタチまくっているわけだが。いやそんなことを言っている場合ではないけれど。
 肩を激しく上下させ、春先だと言うのに真夏並みに汗をダラダラとかいている自分が非常に滑稽に見えるのはわかっている。下着が汗ばんで肌に張り付き気色悪い、そろそろこの下着の売り文句である『抜群の通気性』の看板も返上するべきだろうか。結構なことだ、とりあえずシャワーでも浴びようと思い、着替えを箪笥から取り出すと左脇に挟み部屋のドアを開けようとして……転んだ。
 今時バナナの皮で滑るなんてギャグにもならないまさにスベる話だ。後ろでアヒャハハハハハハハと甲高い声を出しながらベッドの上で七転八倒している何かが居るみたいだがどうでもいい。憎憎しげに人の足を滑らせたそれをゴミ箱に捨てると、再び扉に手をかけた。すると、

 「お兄ちゃーん、起きとるー?」
 「……起きてるよ。今から少しシャワー浴びてくる」
 「良いけどお兄ちゃん今日入学式やろー、大分遅く出て行っていいかもしれんけど、明日からは早起きなんやけん」

 下から味噌汁のにおいとともにそんな声がした。たまにしかこっちに居ないとはいえ、居るときはいつもこうして甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるこの愛妹に感謝の意を抱きながら僕は階段をくだり……ながらバナナの皮や濡れ雑巾など滑りそうなものを拾っては本来あるべき場所へと戻し、浴室へと歩を進めた。
 着ているもの全て過ぎ捨てて浴室へ入り、蛇口を捻って少しばかり待つと、すぐに早朝時の眠気を覚ますに丁度いい温度のぬるいお湯がシャワー口から出てきた。僕はそれで全身の汗を流す。まったく、まだ家を出てすら居ないのにどうしてここまで疲れる必要があるのだろうか……

 『……いってどういう事ですかあっ!!!?』
 「……うるさいな」

 昨日の喧嘩(と言うかほぼ一方的な罵詈雑言)を思い出し若干気分が沈む。こちとらいつまでも遊んでいるわけにはいかないというのに。
 そう、遊んでいるわけにはいかないのだ。思えばしがみつきすぎた、そろそろゴールしても構わない筈だ。お湯の蛇口を絞り水の蛇口を勢いよく捻り、頭にだけ当たるようにシャワーを当てた。冷たい。しかし考えは冴えた。本当は全身余すとこなく洗ってしまいたかったが、そんな時間はないのでさっさと身体を拭き服を着る。中学の頃と同じ学ラン(こちらの方が少しオサレ)は同じものとは思えないくらい通気性も動きやすさも段違いで、それだけでもかなりの進歩だと言えた。伊達に目が飛び出るほど高かったわけではないと言う事か。
 廊下をすたすたと歩いて茶の間へ向かうと、そこには二人分の食事が用意されていた。最後に二人分のお茶を持って来た妹は湯飲みをそれぞれの場所に置き、彼女専用の座椅子にぴょこんと座る。

 「ふう、いつもありがとな」
 「まあこれくらいはするけどさ……ちゃんと片付けてってよね、私昼から仕事なんやけん」

 長い橙色の髪をツインでまとめ黒いリボンで束ねた我が妹、土屋涼花(つちやすずか)は役者だ(女優やアイドル、モデルと言う言い方を彼女はとても嫌い、役者がギリギリ許容できる言葉らしかった。と言うかこれら全部に足を突っ込んでいる時点でかなり凄い)。街でスカウトされ、読者モデルとしてデビューした所偉い所の目に留まり、トントン拍子に今の地位に登り詰めたのだとか。事務所のお金でレッスンも受けられ、待遇は非常に良いと言えた。
 同じ親から生まれたとは思えないくらい(証明してくれる人が居ないので未だにお互い血縁を否定している)自分と違うこの妹、家事全般をやってくれたりする事には感謝しているものの、それ以上のことは特に思ったことがない。身内に芸能人が居て誇らしいとか、羨ましいとかそういう気持ちは全くないのだ。ファンとの揉め事に巻き込まれたりする時は面倒だと思うけれど。
 あまりにも違いすぎて、嫉妬すらする気にならない。彼女はある意味で、テレビの向こう側にしか居ないような芸能人よりも遠い存在なのだった。
 僕は用意された目玉焼きをずるずると一飲みにし、味噌汁を吸い上げウィンナーやベーコンをおかずに白米をかっ食らった。そして、思い出したように口を開く。

 「てことはアレか、今日からまた離れ離れか」
 「うん……ちゃんと掃除せんとよ。洗い物とか溜めんで。それから……」
 「大丈夫だって。じゃあそろそろ行くから、鍵ちゃんとかけといて」

 僕は立ち上がる。入学式くらいしかないだろうから忘れ物の心配もない。二階に戻ろうとして、ある事を思い出した僕は妹の方を振り返った。

 「あ……ちゃんと二人に宜しく言ってから出て行けよ」
 「……うん」

 俯く妹。僕は少しばつが悪そうにその場を立ち去るのだった。


 確かめる術がないから血縁を否定していると言ったが、その理由は至極単純な話だった。僕らの両親は、つい数ヶ月前海外遠征の帰りに飛行機が墜ち帰らぬ人となった。
 詳しくは見ていないので分からないが、テロリストにより飛行機が占拠され乗客は毒ガスにより全員殺され、飛行機そのものは陸地に墜落し爆発炎上したらしい。周囲には両親は亡くなっていないと言っている。
 そして幼い頃から一度も親戚の会合など経験したことがない僕らは、少しでも血縁のある知人を知らない。両親の葬式でさえ、両親の職場の人達がやってくれたのだから。葬儀に親戚は誰も参加していなかった。遺骨も何もない(墜落した機内からは遺体が見つからなかったそうだ)形だけの葬儀だった。膨大な遺産は(少なくとも兄妹の知る限りでは)全て自分達のものになった。
 妹がスカウトされたのは両親の葬儀が終わって一週間ほど後の話だったはずだ。別に急いで金を稼ぐ必要のない彼女がカメラの前で様々な表情を振りまいているのは、もしかしたら哀しみを上塗りしようとしているからではないか、そんなくだらないことを考えてしまう。
 空の黒鞄を左手に持ちエナメルのスポーツバッグを肩にかける。これだけあれば大概のものは持ち帰ることができるだろう。出来れば教科書類をロッカーに置いたままにしておいて良いみたいな温情判決が下される事を期待したいけれど。
 一階からリン(仏壇に置かれたチーンと鳴るアレ)の音が静かに鳴り響く。彼女には早く慣れてほしいと思うのだけれど。鳴れども慣れず。響くほどに其れを日々苦とす。
 ふと机の上を見る。其処には小さな黒い箱が開いたまま置かれていた。中身を確認せずに僕はそれを閉じる。カチッという音が舌打ちのように鳴るのを確認し(うげっという断末魔が聞こえた気がするが気にしない)、僕は部屋を後にした。

 思えば妹は昔から可愛かった、外面も内面も両方近いところから知っている僕ですら可愛いと思うほどなのだから間違いない。それが開花しただけだ、自分の長所を極限まで社会にいかしている彼女の生き方は非常に生産性のある人生だと思っている。
 僕はいい。生産性などなくても全くかまわない。極振りしたステータスが無駄になってしまったのは残念だが、生産するのが虚しさや怒り、哀しみなら要らない。
 

 この街はやたらと桜が多い。至る所に植えられているのではないだろうか。桜が何か不利益をもたらすかと言うとせいぜいこの時期掃除のおばちゃんが花弁を掃くのに梃子摺るくらいか。テレビでやっていたが色々と経済効果も生んでくれているらしい。桜をモチーフにした萌えキャラをあちこちで見かけると思ったら街ぐるみでやっていたのかあれ。
 ゆるキャラの需要が高まる昨今、萌えキャラと言うのもそこそこ市民権を得てきているらしい。日本の象徴として毎春咲き誇る桜から萌えを見出すと言うのは昔の人からすればクレイジーかもしれないが、ある意味では『萌え』と言う単語をの本来の意味を正しく使用しているとも言えた。
 電車に揺られながらそんな歪んだ感情で外の景色を見ていると、次の駅に停まったらしく揺れが収まった。大学が近くにある駅なので多くの学生が降りていく。明日以降はこの大学生達の姿を見ずに済むかと思うと(今日は遅く家を出たので大学の1限と時間帯が被ったに過ぎない)少しばかり気が楽になる。基本的に人混みが嫌いなのだ。人混みとは『人がゴミのようだ』の略だと言われても納得してしまいそうなくらい。大勢の乗客を吐き出した電車は少数の人間を吸い込み、口を閉じ、息を一つ吐き出すと再び動き出した。








 「………」
 「………」
 「………………」
 「………………」
 「………………………」
 「………………………何か?」

 対面に座った女生徒にちらちらと見つめられ、沈黙に耐えかねた僕は根負けして口を開いてしまった。一応色んな所に視線を泳がせるなど頑張ってはみたのだけど、無理でしたごめんなさい。
 彼女は座っていても分かるくらい背が高かった。少々ふっくらした、しかし決して太っているわけではないそんな体型で、褐色の長髪を特に結ばず鎖骨辺りまで伸ばしている。そして、制服のデザインからして今からお世話になる高校の制服を着ていた。

 「あ、いえ……すみません、人違いだと申し訳ないんですが、土屋享佑さんですか?」
 「あ、はい……どこかでお会いしましたっけ?」

 言ってから適当にはぐらかすべきだったかもと後悔する。彼女の眼は爛々と輝き、次の瞬間には握手を求められていた。器用だなこの人。加速中の電車の中で全くと言っていいほど慣性の法則を感じさせない。

 「やっぱり!」
 「ちょっ、急に何を……」
 「中二の時のソロコン全国出てたよね、まさかまた会えるなんて思ってなかった!」
 「中二のソロコンって……あ、ああ、あの時の……」
 「覚えててくれたんだ! 私、水無月夏海(みなづきなつみ)、担当楽器は紹介するまでもないよね、フルートです!」

 嘘だ。覚えているわけがない。と言うか思い出したくない。それでも一応は話をあわせておかないと余りにも不義理だと思ったのであんな事を口走ってしまったのだった。彼女は首にかけた楽器ケースの紐を首からはずし、両手に持ってにっこりと笑う。
 楽器が好きなんだな~……と、若干ながら冷めた目で見てしまった。

 「前の学校ではなっつんとか呼ばれてたけど、呼び方はお任せするね。私は何て呼んだらいいだろう?」
 「いや、ちょっと待って……幾らなんでも早合点しすぎじゃないかな? クラスが同じになるとかだったらまだしも……」
 「え、でも高校でも吹奏楽続けるんでしょ? だったらどのクラスかなんてかんけ」
 「やらないよ」
 「えっ」
 「ほら、楽器も持ってきてないし……」

 呆気に取られる彼女。無意識なのか半歩後ずさるのを僕見逃さなかった。もっと早くいえばよかっただろうか、ここまで急にまくしたてられては反応できなかったのもあるが。

 「そ、そっか……ごめんね、てっきり私、ブラスやりたくて翠蓮来たと思ってて……」
 「別にそういうつもりで高校選んだわけじゃないから……なんかごめん」

 ばつが悪そうに僕は俯く。彼女は先程まで座っていた椅子に腰掛けると心なしかしゅんとした様子で顔を背けてしまった。電車はガタンゴトン、ガタンゴトン、キン……とリズムを刻む。景色は同じスピードで右から左へと流れていた。

 「……あ、あのさ」
 「……………」
 「一緒にクラス見に行かない? 私、地方から来てて友達居ないんだ」
 「……ごめん。先に行ってて、すぐ追いつくから」
 「……うん」

 まずい、非常にばつが悪い。彼女は少し寂しそうな顔をして(自惚れであって欲しいと)すたすたと歩いていく。もっと上手い言い方があったのかもしれないけれど、生憎そんな気遣いスキルは僕にはなかった。さてと……僕は近くの駅員に声をかけた。20代前半、と言った所だろうか。話の分かりそうな温和な面持ち、そうでなくては困る。

 「あの、この電車って此処が終点で、30分後に発車するんですよね?」
 「うん? まあそうだけど、それがどうかした?」
 「この電車って何両編成ですか?」
 「ええと、10両だけど……」
 「4つ目と7つ目の車輪の点検をお願いできますか? 少し危ない気がするので」
 「は?」
 「いえ、多分どちらも前の方の車輪だと思うんですが……変な音がしたもので」

 きょとんとする駅員、予想出来た反応ではあるけれど……僕は言いたいことだけ言って、その場を後にした。


 彼女に追いつくことは出来なかったけれど……どうやら彼女は自分と同じクラスのようで少しだけ胸を撫で下ろした。
どうも、46熊です(各方面で微妙にアカウント名変えてるのでこれで統一します)

社会人になって約三週間くらい経ちましたが、あいも変わらず平日は必死で働き休日は必死でアニメ見る生活してます。社会人万歳っ♪

このままいくと定年後はいくら貯金が出来るでしょう、軽く絶望してきました。


と言う事で今回は布教と自身の頭の整理もかねてアニメ評論の回にしたいと思います。ただ何も考えず消費するだけの豚と思うなよ、小説書く上での養分に出来るよう一応ちゃんと考えながら見てんだからね。
と言う事で、好きなものから並べるのもなんなので日曜から土曜にかけて(一応東京基準でいいのかな)順番にといった感じで。興味あるやつだけしか上げてないので『俺はこの作品大好きなのに何で見てないんだよチクショウ』って方はコメ欄で布教していただけると大助かりです。頑張って見ます。

あらすじを入れると文字ばかりで気持ち悪くなったので省きました。その代わりにOPを入れておきます。気になったら

日曜日編
『メカクシティアクターズ(エネ:阿澄佳奈、マリー:花澤香菜、モモ:柏山奈々美、キド:甲斐田裕子、カノ:立花慎之介、ヒビヤ:富樫美鈴、コノハ:宮野真守)』



ニコニコ動画をよく利用するなら知らない人はそうそういない『カゲロウプロジェクト』のアニメ化、シャフトのせいで止め絵がかなり多めになってます。一話はエネちゃんが喋り捲りますAパートはほぼエネちゃん無双です。あすみん酸欠にならないのかこれ。
多くを語るとネタバレになるので自重しますが、とりあえず一話だけ見てもあまり中身はわからないんじゃないかと思います。ほぼ全部伏線なので。
デパート行ったらテロリストに占拠されたり、そこからIQ160の知能で解決したり、異能者色々出てきたりで中二だ何だと叩かれていますが、そもそも中二な作品というのは『上っ面の雰囲気のかっこよさが先行してそれっぽいものを脈絡無く詰め込んだ結果お粗末なもの』であって、それっぽいものをちゃんとした筋道立てて並べていけばそれはちゃんとした作品なのだと私は思っております。
そしてニコ動、ボカロ界隈の宿命ですが信者とアンチが両方キチガイです、他人の評価に流されてると損しますよ。まっさらな気持ちで見た上で判断してください。


『ニセコイ2/2クール』(一条楽:内山昂輝、桐崎千棘:東山奈央、小野寺小咲:花澤香菜、鶫誠士郎:小松未可子、橘万里花:阿澄佳奈、宮本るり:内山夕実、舞子集:梶裕貴、クロード:子安武人)



ジャンプで大好評連載中のラブコメ枠をこれまたシャフトによるアニメ化です。声優人がオタクの心をとらえまくってます(ちなみに福岡では火曜深夜放送中)
ジャンプ作品によくある『昔会ったことのある約束の人は誰だ』的な作品で、約束の人が持っているはずの鍵を複数の女の子が持ってて、誰が本物だみたいなやつです。風呂敷広げすぎじゃないのこれ。
2/2クールからはマリーこと橘万里花が登場します。CVは大正義あすみん。やはり福岡出身と言う事で方言は完璧ですね。通常時の落ち着いた演技は一定のレベルの声優さんなら誰でもそこそこやれるんでしょうけど。
原作見ずにアニメから入ったのですが、小野寺さんから確実に負けヒロインの匂いがします。
ちょっとテンポが悪い気もしますが、まあ軽ーく見て問題ないかと。


月曜日編
『一週間フレンズ』(長谷祐樹:山谷祥生、藤宮香織:雨宮天、桐生将吾:細谷佳正、山岸沙希:大久保瑠美、藤宮志穂:中原麻衣、井上潤:間島淳司)



さっき見てたのですがとても切なくなる作品でした。一週間しか友達の記憶がもたないヒロインと必死で仲を紡いでいくお話。香織役の雨宮天ちゃんはトラハモ(火曜深夜の文化放送ネットラジオ番組)やどっとあい(土曜深夜の文化放送ネットラジオ番組)でも活躍している現在赤マル急上昇中(表現が古い)の声優さんで、彼女が歌うEDの奏(スキマスイッチのカバー)は作品の切なさを色濃く表現しています。
こういう『好きだけど好きになっちゃいけない』『楽しいけど楽しんじゃいけない』みたいな強い葛藤のある作品は個人的に大好きです。Bパートのテンションの上がり具合が可愛かったです。その後我に返ってまたそっけなくなる辺りも上手いな~と。
今書いてる作品の肥やしに一番なってる作品かもしれません。今後も視聴継続予定。


火曜日編
『マンガ家さんとアシスタントさんと』(愛徒勇気:松岡禎丞、足須沙穂都:早見沙織、音砂みはり:能登有沙、黒井せな:釘宮理恵、風羽りんな:井口裕香、皆野まとめ:田中真奈美、足須沙穂乃:伊藤美来)



10分アニメです。作品的にも丁度良いくらいの長さ。主人公役の松岡君がジョジョのモブ並みに荒ぶってて楽しいです。あとあざと井口さんが聴けます。何だこいつ。
頭空っぽの方が夢詰め込めますし、短いので仕事帰りでも気楽に見れる点で非常に優秀。


『ブラック・ブレット』(里見蓮太郎:梶裕貴、藍原延珠:日高里菜、天童木更:堀江由衣、ティナ・スプラウト:黒沢ともよ、蛭子影胤:小山力也、蛭子小比奈:悠木碧、室戸菫:甲斐田裕子、聖天子:豊崎愛生)



OPは大正義fripSideです。PVでキーボード弾いてる八木沼さんはALTIMAの方でも作曲活動してるのでどうしてもALTIMAの曲と似てしまうのよね。いつラップが入るか気が気でない。
とりあえず進撃っぽいとか言うのやめろ。十年前に襲来した地球外生命体に対抗するためにそいつらの嫌う金属で壁作ってその中で暮らしてて、人類の対抗手段がそいつらのウィルスに感染して生まれてきた10歳以下の子供達とか色々にてるとこはあるけども(壁で敵と隔離、対抗手段が敵の力なとこ)
とりあえず戦うロリが見たい貴方に。あとウィルスに感染して生まれてきた『呪われた子供達』が受ける謂れなき迫害とその打開なんかも裏テーマであるのかなと思ってます。
と言うか小山さん悪役やりすぎなんですが。新参の私は全部吉良(ジョジョ四部)に聞こえる。そして最近とんと見なかったダウナー系悠木碧が聴けます。ラジオではたまに聞けるのですがねぇ。


水曜日編
『ノーゲーム・ノーライフ』(空:松岡禎丞、白:茅野愛衣、ステファニー・ドーラ:日笠陽子、ジブリール:田村ゆかり、クラミー・ツェル:井口裕香、フィール・ニルヴァレン:能登麻美子、初瀬いづな:沢城みゆき、テト:釘宮理恵)



ネットでは無敵のニート兄妹空と白が謎のメールによって多種族の共生するゲームの結果が全てを左右する異世界に飛ばされ、魔法でイカサマなんてアホみたいなことをするやつら相手に勢いと知略でゲームを挑んでいくそんな作品です。声優が豪華すぎてヤバいです。
コミュ症(笑)みたいなくらい口の回る兄妹ですが、この二人別々にすると完全コミュ症ってか人としての存続が危ういレベルに弱体化します。そして近年稀に見る(ラジオでは頻繁に見る)ハイテンションな日笠さんが見れます(こいつ黒子(超電磁砲)じゃねと思ったら2話のメイド役に新井さんが居て笑いました、ああ絶対演技指導してやがると)
問題児っぽいデザインですが一応こっちは武力を伴わないゲームで戦う抗争の話なのでそういうのがゆるーく好きな人は是非(ライアーゲームとかカイジとかが好きな人には少し物足りないかも)


木曜日編
『棺姫のチャイカ』(チャイカ・トラバント:安済知佳、トール・アキュラ:間島淳司、アカリ・アキュラ:原優子、フレドリカ:斎藤千和、アルベリック・ジレット:細谷佳正、ニコライ・アフトトル:佐藤健輔、ヴィヴィ・ホロパイネン:野水伊織、ズィータ・ブルザスコ:幸田夢波、マテウス・キャラウェイ:森嶋秀太、レオナルド・ストーラ:山本和臣)



ニートしてた主人公が棺の中から現れた幼女を守る話。母国語が違う関係でヒロインのチャイカがカタコトになってます。可愛い。母国語で喋れる場面ではとても饒舌になるのですが。
折角地上波で見れるんだから、ぐらいのノリで見たんですがそこそこ面白いです。幼女強い。


『ご注文はうさぎですか?』(保登心愛(ココア):佐倉綾音、香風智乃(チノ):水瀬いのり、天々座理世(リゼ):種田梨沙、ティッピー:清川元夢、チノの父:速水奨、宇治松千夜(チヤ):佐藤聡美、桐間紗路(シャロ):内田真礼、条河麻耶(マヤ):徳井青空、奈津恵(メグ):村川梨衣、青山ブルーマウンテン:早見沙織)



前々からアニメ化するだろうな~と個人的に思っていた作品がついにアニメ化です。世界観が明らかに欧州っぽいのに登場キャラはみんな日本名ですし一人ソーニャちゃん(キルミー)みたいな子が居ますしタイトル回収用のうさぎは実はジジイというどっかで聞いたような(主人公の声優あやねるだし)話です。
デザインの関係でキャラがどいつもこいつもロリにしか見えませんがチノ意外は高校生(15歳または16歳なので)です。チノも13歳だったかな。原作読んでないのに何で覚えてるんだ私。
これもそんなシリアスな要素は無いので気軽に見れる作品なのかなと。OPは歌う用と言うよりは完全に聞く用です。サビとそれ以外のテンションにかなり落差があって妙な違和感が。


金曜日編
『犬神さんと猫山さん』(犬神八千代:上坂すみれ、猫山鈴:東山奈央、柊木秋:大坪由佳、杜松美希音:堀野紗也加、牛若雪路:藤本葵、猿飛空:長弘翔子、鳥飼ひばり:山崎エリイ、猫山珠喜:原田ひとみ)



今期作品で唯一原作を買いたくなった作品です。5分アニメです。どいつもこいつも撫で撫でしたくなる可愛さでした。
此処までぶっ飛んでると逆に百合っぽくなかったりします。これも何も考えずいつでも見れる素敵な作品。


土曜日編
『ジョジョの奇妙な冒険-スターダストクルセイダース-』(空条 承太郎:小野大輔、ジョセフ・ジョースター:石塚運昇、モハメド・アヴドゥル:三宅健太、花京院 典明:平川大輔、ジャン=ピエール・ポルナレフ:小松史法)



ジョジョ史上最高クラスの人気を誇るスターダストクルセイダース(3部、ちなみにクルセイダー『ズ』ではない)のアニメ化です。まあ私は4部が一番好きなんですが。
とにかく原作愛に溢れた作りになってます、原作を知ってる人は勿論知らない人も見てほしい作品です。ちょいちょい擬音が実際に文字で出てきますがこれもジョジョのテイストのひとつとして楽しんで頂けたらと。




……疲れた。一時間もかかってしまった。この時間を小説の執筆に当てれば多分2回分くらい更新できたぞこれ。てか声優の話ばっかだな、しょうがないじゃん1話だもの。
と言う事で今後もアニメを楽しみつつ仕事頑張っていけたらな~と思う46熊でしたっ。




おまけの花物語(これは五月末に一挙放送されるらしいです)
私の個人的な意見をつらつらと書き述べるだけの退屈な日記です。と言うことで、下のBGMでも聞きながらお楽しみください。
黄色い生物はまさかのCV宮野真守です。可愛い容姿にシニカルな言動が目立つうざい奴です。最終話でトランザムしました。マジです。白衣着て中二病発言したりします。マジです。ピンクのお知らせうーさー(CV田村ゆかり)や黒いダスうさ(CV神谷浩史)も居ます。声優の無駄遣いです。





お久しぶりです。かなり長いので『長い産業』とか言ってくる方はブラウザの『戻る』をクリックして下さい。

先日企業研修で『差別について考える』的な講義を受けました。同和問題、女性差別、子供差別、外国人差別、障がい者差別等々。これについて非常に物申したいことがあったのですが、多分講義を邪魔しそうなのでその場では黙っておいたのです。
ですので、黙ってた分をここで吐き出したいわけです。私の体力が続かないので女性差別と外国人差別に絞って語ります。

全ての問題について共通して言いたいのは、『『差別にも理由がある』の意見は悪い事じゃない』『業に対する適切な仕打ちは受けてしかるべき』ですかね。

Ⅰ『女性差別』について

これは結構よく言われているようですが、『女性は家事、男性は仕事、というのは差別だ』『女性と言うだけで出世できない』『痴漢、セクハラを受けるのはいつも女性』みたいな話です。日本を飛び出せば『女性は勉強しなくてもいい』みたいな国は結構あります(アフリカとかね)。これらを否定するつもりはありません。
では、逆はどうでしょう。『男性差別』が無いと言い切れるでしょうか。そしてそれは『女性差別』と比べどの程度問題意識がもたれているでしょうか。
・『痴漢を受けるのは女性』と言うなら、『痴漢冤罪を受けるのはいつも男性』で、『男性が痴漢された際の訴え』が認められた事など事例としては極めて稀です(調べましたがどうしても見つかりませんでした、これほど稀有ならひとつでも存在すれば見つかりそうなものなのですが…)。日本は物的証拠が女性の証言に負ける国です。例を挙げれば『腕に障害を持っており物が持てない触れない男性に有罪判決が下される』『両手で新聞を読んでいた男性に有罪判決、監視カメラにその光景が写っており、写っていなかった時間は5秒ほど)』などなど。これは差別ではないのでしょうか。(余談ですが男性だって痴漢されますしされれば怖いです)
・『女性は家事』と言う偏見も最近は大分無くなってきていますが、反面『男性が家事に従事したい』と言うと叩かれます。割とひどい話です。
・ほぼ10:0で女性に非があっても、離婚の際に男性が慰謝料を払うことになったり親権を女性に剥奪されたりと言った事例は枚挙に暇がありません。また、男性の浮気やDVは全力で叩かれるのに対して女性の浮気やDVは下手すれば男性が叩かれます。『女性様にこんな事をさせたお前が悪い』と言うやつです。
・女性が出世できないと言うのは割と否定できないのですが、これも近年かなり改善されています。ただ男女問わず採用する企業としては、妊娠→出産→専業主婦化による寿退社により女性よりも男性の方が長期働いてくれる人材として有利と言う背景もあるわけで、このあたりは国のテコ入れが必要かな~と思ったりします。

あとは余談にもなりますが『女性専用車両』や『レディースデー』なんかは完全に女尊男卑の象徴として君臨しているような気もします。まあこれに目くじらを立てても仕方ないのですが(これは企業の戦略でしょうし)
こんなもんかな。ディベートするにもこれくらい材料揃えてれば善戦できるでしょ。相手が『男尊女卑万歳』してるような価値観なら屈服させられないにしても客観的に見て議論の場を制圧しているようには見えるかと。


Ⅱ『外国人差別』について

『最近では特にヘイトスピーチが問題になっています』とのたまいやがった人権センターの方の胸倉をつかみかかりに行きたくなりました割とマジで。と言うことでネットで調べればいくらでも出てくる話ですがこの『ヘイトスピーチ』から話したいと思います。
『ヘイトスピーチ』とは幕末の攘夷運動みたいなもので、端的に言えば『朝鮮人は出て行けー』です。何ゆえ韓国人が嫌われるのか……これ説明しないといけないものなんでしょうかこの現代社会で。

まず最初に言っておくと分かりやすいと思うので言いますが、『日本人が朝鮮人を嫌うのはそれ以上のレベルで朝鮮人が日本人を嫌っており、その嫌悪感を我慢することなく行使し日本の国益を著しく損ねているから』です。

日本に居る外国人の中でそれほど多い割合を占めているわけではないにもかかわらず(本国の国民人口からすれば多い方なんでしょうけど)犯罪率は圧倒的1位(ちなみに誤解しないでもらいたいのですが、来日外国人の犯罪率は中国が一位です。これはあくまで『在日』外国人の話なので)。色々調べましたがhttp://blog.goo.ne.jp/fukudaikichi/e/7bc2a9229007dd1b7ac0ef1a885a254aが割といい感じにまとめてくれてるので参考までに(私の調べ方が足りないかもしれませんので過信は禁物です)
しかもタチが悪いのが、在日朝鮮人の犯罪は隠蔽されることが非常に多いです。理由としては『通名の存在』が大きくあります。在日朝鮮人は偽名を使って日本人のように生活していいのです。犯罪を犯しても日本名で報道されるためイメージとしては『凶悪な日本人犯罪』と言う風になってしまいます。まあ最近は在日朝鮮人の犯罪の際にはTV局や新聞社が意図的に名前を伏せるので察してしまう場合も多いのですが。
また韓国は国家レベルで日本人に対するヘイトを加速させています。関西でつい最近起こった『日本人のみを狙った在日韓国人による殺人事件』なんかもありましたね。仏像は盗まれ文化財は放火や糞尿などで破壊され、一切の謝罪は無い。それどころか存在すらしない慰安婦問題や竹島問題で日本にタカり続ける毎日です(国際司法裁判所への出頭を頑なに拒んだりアメリカやロシアに告げ口外交をしている辺りどちらが悪いのかは明白なのですが)。国家ぐるみで半日教育を推進し日本を擁護しようとする人間は撲殺するような国と友好など不可能なのです、彼らは『日本人は我々に対し一生罪を償っていかなければならない』と妄信(猛進)しているため此方がなにをしても全く意味が無いのです。と言うか半日で固まっている国なので半日をやめると国が崩壊してしまいます。多分大統領はすぐ過激派に殺されます。
メディアが特定アジアに乗っ取られているのも問題のひとつですね。グローバル化を叫び続けるメディアがグローバルスタンダードである『朝鮮人お断り』を一切叫ばないこと以外にも理由はいくらでもあるのですが(最たる例は朝日新聞ですが、大手新聞社は大体売国新聞ですね)。
また、外国人による生活保護不正受給も問題になっていますが、これも在日朝鮮人の割合が極めて多い事が予想されています。正確な数値は出ていませんが、多くの外国人の中でも日本人に成りすますことのできる利点は計り知れません(生活保護は日本人にのみ該当する保障であると法で定められています、外国人に生活保護を渡す御人好しな国など日本くらいのものでしょうね)。また、外国人(と言うかこれも中韓が圧倒的に多い)留学生への返還義務のない奨学金もかなり問題になっています。私も返還しないといけない立場なので文句の一つも言いたくなるのですが、外国人に無償で渡すなら日本人にもそうしろ、それが出来ないなら外国人にも利息付で貸し出せと思うのです。そう思うのは差別でしょうか?

此方もあげればキリがないのですが、差別される側に明確な理由があるからこそこのような排斥運動は行われているのです。『差別される側にも理由がある』なんて理論は特にいじめ問題において禁句とされている昨今ですが、差別がいけないのではないのです。事象に対する対応が過剰なのが問題なのです。差別を無くせと言うのは問題を見て見ぬ振りしろと言うことと同義です。差別と区別は違うのです。

我々に必要なのは『差別をなくす』事ではなく『差別の理由を知り、それが本当に正当であるか考える』事です。同和問題もこの講義の最初に扱いましたが部落差別を問題にするだけでその理由や裏の黒い部分については一切触れてくれませんでした(この原因は過去に特定の高給取りが集まっていた地域への嫉みが起源となっているそうです、確かに過去に何をしていたからと言って現代に生きる人達が差別されるいわれはあってはいけません。ただ世の中は汚いもので『差別されてるから金払え』と言う輩も居るのです、こいつらを野放しに考えることは出来ません)。綺麗事を言うだけの人権教育なんぞ何の意味もありません。(アフリカの貧困に対する支援なども何故貧窮しているのか説明しないことが多いです。だから『恵まれない子供達に愛の手を→いやその国の奴らが頑張ろうとしないのに何で支援しないといけないんだよ』と言う当然の意見も戯言と一蹴されてしまいます)


講義の邪魔をしない分言いたいこと全部アンケートに無記名で書きなぐりました(年代に丸をつけるところがありましたが20代は2名しか受講してないので私であることはわかってしまうかもしれませんが)。いつになったらこの形式での人権教育は続くのでしょう。一刻も早く、根源を見つめた上で『こうしなければならない』から『どうすれば良いか』を考える教育になってほしいものです。
専門的な知識も何もなく、個人的にネットや本などを色々見ながら調べたものなので矛盾や事実との相違が数多く見られるかもしれませんが、その際はやんわりと指摘していただけるとありがたいです。

最後に。つい先日韓国人のビジネスマンに英語で道を訊かれた事がありました。見た目日本人にしか見えないので『こいつふざけてんのか』と思いましたが、よくよく話してみると日本人ではなくて羽田国際空港に行きたかったみたいで。カタコトの英語で(HANEDA international airport is…next,next,and next stationみたいな)何とか伝えた後は英語で色々コミュニケーションをとりました(I think you are Japanese,sorry.とかとか)、とても物腰の柔らかい人でした。韓国にもこう言う人が0でない、日本に来るのは10人が10人侵略や略奪のためでないと言うのが実感できただけでも自分の中で大きな進歩だったと思います(裏で何を考えているのか分からない点は勿論胸の奥に仕舞ってます)。
知る事は悪くない事だと分かって貰えたでしょうか。多くの視点から物事を見ていけば、何が正しくて何が間違っているのか徐々に分かってくるのだと思っております。
こんにちは、絶望の申し子4696熊です。今回は試験期間の頭の沸き具合を逆手に取った作品を紹介しようかと思います。



はい、今回扱うのは『きゅんっ!ヴァンパイアガール』(アイドルマスター2)です。原曲はこちら(下記の歌詞は一応動画のカット通りにしてます)
こいつをいさじ版にしてみたいと思います。何ということでしょう。
記憶違いな部分が多く再生に苦労しましたが、まあホモが嫌いでない方は見てってください。


どこかへおでかけ お兄さま
喉がからから 限界ぎりぎり 発狂寸前 きゅんっ!

2番目にイケてるヒトがいい
いいえヒトなら誰でもいいの
ぜいたく言わない

発見!おいしそうな男の子 じゅるるん

いいものあげる 暗闇で
思わせぶりに ウインク
はにかみながら 目をふせて
パッと舞って ガッとやって チュッと吸って han

しゃなりしゃなり おじょうさま
か弱いオーラで惑わせる
ひとめみたらくぎづけよ
青白い肌 赤い唇 ヴァンパイアガール きゅん!

しゃなりしゃなり おじょうさま
100年生きてる ロリータ
愛した人には背を向けて
ルビーの瞳 濡れたまつげの ヴァンパイアガール きゅん!



どこかへおでかけ お兄さま
喉がからから 限界ぎりぎり 発狂寸前 きゅんっ!

2番目にイケてるホモがいい
いいえ別にノンケでもいいの
ぜいたく言わない

ハッテン!おいしそうな男の子 じゅるるん

いいものあげる 暗闇で
思わせぶりに ウインク
はにかみながら 背を向かせ
パッと脱いで ガッとやって ガッとやって アッー

しゃなりしゃなり お兄さま
くそみそオーラで慰める
ひとめみたら『大きいです…」
汗臭い肌 厚い唇 ヴァンパイア兄貴 アッー!

しゃなりしゃなり お兄さま
100回イきてる お兄さん
愛した人には背を向かせ
ルビーの瞳 濡れた○○げの ヴァンパイア兄貴 アッー!


$羅月 ~月影の島~

 久々の日記です。

 此間塾の方で結構大事なテストが行われまして、それの何年生かはあえて言わないのですが、とある国語の小説の問題が中々面白くて。

 村上早紀さんの『コンビニたそがれ堂』(ポプラ社)って作品の一場面なんですが、話のあらすじとしては下記の感じ。ざーっと見せてもらっただけなので記憶違いは割とあるかと思いますがまあそこはおいおいと言う事で。

 とある捨て猫と出会った縁で今まで可愛いなと思っていたクラスメイトの美音と仲良くなった雄太。しかし小学生と言うのはまあいつの時代も男の子と女の子が仲良くしていると冷やかしに来るもので、それでも二人は徐々に仲を深めてた感じでした。

 ある日、雄太は美音から手帳を渡されます。その手帳は美音の大切な物で、購入したは良いが一度も中身を使わっていない位大事にしている代物でした。しかし周囲から浴びせられるからかいの嘲笑、雄太は一言『いらねぇよ』と言い払いのけてしまいます。それから二人は目があってもお互い気まずいばかりで、そんなこんなで夏休み。そして二学期になりました。

 美音は居ませんでした。夏休みの内に転校してしまったのです。そして雄太は気が付きました。あれは別れる前の美音の最後のプレゼントだったのだと。雄太は激しく後悔します。しかしどうしようもありません。

 そんな時立ち寄ったコンビニで、特に何も言わないのに店員の兄さんが笑って雄太に微笑みます。

 「その手帳なら、そこの棚にあるよ」(この辺マジでうろ覚えです)

 世界に一つしかない彼女の手帳がこんな所にあるはずはありません。しかしそれは確かにそこに置いてありました。それは紛れも無く彼女の物でした。

 兄さん曰く、此処は本当に欲しいものがある人だけが来れるコンビニで、此処にはそんな人が探しているものは必ずあるのだといいます。兄さんはその手帳をタダで譲ってくれました。



 此処で終わりです。小学生って良くこう言う事あるよな~と何だか懐かしくなってしまいまして。私もまあそう言う事があって女の子を振ってしまった経験がありますし(彼女のプライドなのか私が振られた事になってましたが所詮その程度の相手だったと言う事ですよ)。

 小学生と言うコミュニティに於いて、冷やかしと言うものはかなり重要なファクターになります。大人になると忘れがちなのですが、思い出せてよかったです。


 と言う事で画像を本屋の兄さんにしてみましたw
真田響(さなだきょう)
ジョブ:騎士
武器:スクラマサクス(愛染)
主人公曰く『何の変哲もないただの鉄塊』といわしめるくらい何の力もない剣。刀身の長さは大体60cm。切ると言うよりも叩くと言った方が正しいかもしれない。
その正体は『主人公の意志を物質化する鏡』で、鋼の意志や憤怒の炎に反応し形状と属性を変える。
平静さを失う程の感情の相転移を要するため扱いが極めて難しい。
名の由来は『鉄』(アイゼン)。暁が13の刃である事から、他にも多数の変化形態があると思われる。
・黒鐵(くろがね):鋼の属性を開花させた剣で、彼女を守り抜く鋼の意志が顕現させる。最も冷静に扱える力。リーチが伸び切れ味が増し、全体的に刺々しくなる。
・暁(あかつき):スサノオとの戦いで鳴を守ろうと覚醒した剣。深い闇に塗られ、命を砕く。

この物語の主人公の一人。見滝原の高校二年生で、幼馴染の鳴を愛していた。
しかしある日彼女は消え、その事を誰もが忘れているという状況に立たされる。

謎の転校生'九兵衞'の誘いにより魔法少女となった彼女と再会、世界の真実を聞かされ彼女に遠ざけられるも、もう魔法が使えないほどに追い詰められた彼女を魔女から守るために舞い戻り、契約に至る。
契約後の姿は白髪の騎士。黒いズボンと深い黒のブーツ、白いシャツに漆黒のジャケット。持つ剣の属性によって外装の色や性質も変化する。

主人公。コンセプトは『完璧じゃない男の子』。私の書いてる作品の歴代主人公の中でも最弱クラスかと思います。とにかく強い奴にしたくなかったので。
私の『此処が嫌』ってとこと『此処が好き』とか『こうなりたい』とかが混在している人間味のあるキャラ、と言うのを目指してます。ヘタレです。それでも愛する者の為に全力を尽くす、そんな風にしていきたいです。
持ってる武器は鳴の事を想うことで姿を変えます。非常にめんどくさい武器です。このせいで鳴と絡む敵のエピソードが非常にめんどくさい事になってます。
一応私の脳内では『なのはForce』のトーマ・アヴェニールをモデルにしてます。
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木村鳴(きむらめい)
ジョブ:巫女
武器:杓杖(明電)(めいでん)
聖属性を常時宿した、持ち手に漆黒の装飾、先端に銀の鈴を当てがった杖。強度に優れ殴るのにもそこそこ向いている。
しかしその本分は『強大な陰陽術の起動触媒』であり、周囲の力場から自身の力以上の術の発動を可能とする。
現在回復と身体能力強化以外はそこまでうまく扱えない。
名の由来は『処女』(メイデン)。

主人公の彼女。勝気で喧嘩っ早い。
短い髪を申し訳程度に軽く整えただけの髪型。健康的ですらっとした、しなやかな筋肉を持つ(0話より)
とある事情で魔法少女になり、魔力の資質のない一般人から忘れられてしまう。
九兵衞が主人公を連れてきた時自分を覚えていてくれた事に感涙するもその使命と孤独に巻き込むわけには行かないと拒絶する。
しかし彼女のソウルジェムは既に魔法が使えないほど濁っており、戦える状況ではなかった。
そこに現れた魔女にジリ貧を強いられるも、助太刀にきた主人公の熱意に負け契約し、魔女を討滅する。
魔女を倒したらその世界を去る必要があるため、知り合いの記憶がなくなる事も含め主人公と契約したくなかったようだが、『絶対に守るから』の一言に負け、異なる幾つもの世界を巡る。
ジョブの性質は回復や防御などの支援に特化しているが、彼女自身の腕っ節が強い事と属性が聖属性であるため物理攻撃もそこそこ強烈。
変身後は巫女の姿をとる。


方言ヒロイン。一番私が熟知している方言を使っています。モデルになった子は割と方言がゆるいです。もっと方言使ってくれ。あと、恭が告白した時の彼女の返事は『恐らく俺がモデルになった子に告白して、OKされたらこう言われそうだな~』ってのを具現化してます。すまんモデルになった人。
一章では殆ど戦いませんし、二章でも殆ど戦いません(予定)。何だこれ、ルキア(BLEACH)か。
彼女がスサノオにさらわれそうになった理由は今後明らかになっていきます。

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九兵衞
武器:???
契約のエキスパートにして世界の導き手。白い髪をツインテールにまとめ、赤いルビーのような瞳を持つ。
人間の姿で主人公のいる高校に転校してきた彼女はヒロインのパートナーを探していた。彼女に縁があり彼女を覚えているだけの資質のある者を。
条件に合致した主人公を彼は契約させ、魔女を撃退させた。
三巡目においてインキュベーターは魔法少女達の完全なサポーターであり、魔法少女達の願いも後払いで叶えるようになっているためか願いが叶うまではちゃんと死なないようフォローしてくれる。その意味では丸くなったと言えないでもない。
この世界では女性と言うことになっており、二巡目の記憶だけは持っているため一巡目の事も口伝では(ほむらから)聞いている。

原作キャラにして擬人化した皆のアイドルにして契約のエキスパート(Byえみりん)べえさん。戦えません。補助スキルしか持ってないです。ペルソナ3で言う所の風花、ペルソナ4で言う所のりせちー。
この物語のキーパーソンです。彼女の存在は原作以上に大事になってきます。
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油田璃音(あぶらだりおん)
武器:???
恭のクラスメイトで、彼に片想いしている。また、鳴の事を快く思っていない。
鳴の記憶を残しており、それ故鳴の消失の隙に恭と付き合おうとしている。
恭に対し無理やりにキスを強要し、それを目の当たりにした鳴に深い傷を与える事となった。

NTR系ヒロイン。近くに居る友人をモデルにしました。
またあとから出てくるかもです。魔法の適性はあるので。そうなると恭ちゃん四角関係ですね。羨ま死ね。
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真田涼(さなだりょう)
武器:レーヴァティン
設定資料集の中身を載せると色々まずいので且つI。

恭の妹で抜群のプロポーションを持つ。そしてお兄ちゃんラブ。家庭環境がそうさせている。
容姿はSAOのスグ、性格は物語シリーズの撫子ですね。実は相当切れやすい女の子です。
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スサノオ
ジョブ:???
武器:『天羽々斬(あめのはばきり)』
特性は『神獣殺し』(セイクリッドスレイヤー)であるが、それがどのような能力であるかは良く分かっていない。
邪撃(クラッド):重力の属性を持った暗黒の球体を飛ばす。彼曰く『借り物の力』
邪衝(レヴァイド):闇の力を圧縮し放つ闇の一閃。邪撃を軽く貫く事から邪撃の上位互換であると推測される。
『闇』を司る騎士。見た目はちゃらいギタリスト。しかし背中のケースには絶対無敵の神器が格納されている。基本的に自由人で、気ままに動き回っている。
とある事情から鳴を狙っており、そのために恭と激突する。しかし場を冷静に見る目も持っており、鳴の負担を考え一度は身を引いた。

ガチ勢。恭や鳴の強さを遥かに凌駕する素敵なチャラ男です。もうホントにアホみたいに強いです。ただ結構気配りも出来る人。彼が仲間になると色々捗るのですが、そうは問屋がおろさぬっ。
今後彼の一派はちょいちょい出てきます。
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鳥籠の魔女(ロベルタ)とその使い魔
一応原作にも居る魔女です。10話で瞬殺されたので知らない人も多いかと思いますが。
設定としては結構原作を踏襲してますが、多分この魔女炎攻撃やりません。あと原作よりかなり大きく登場してます。そこから繰り広げられるジャンピングプレスです。
一応一章のボスキャラと雑魚キャラと言う事で、主人公も苦戦しないレベルの強さです。主人公を弱くした事によるデフレ現象ですね。パワーデフレなんてものを私がやる事になるとはですよ。
あと、ほのめかしてはいますが鳴の家族を焼き殺した張本人でもあります。
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と言う事で、キャラ設定集でした。バトル物は一人一人の設定が多くなりがちなので困ります。作り始めると止まらないんですけどね。
そんな感じで一章完です。大体世界観的な物は分かっていただけたのではないかと思います。

キャラ募集をやろうと思っていたのですが、某所で散々馬鹿にされたので止めます。やって欲しいと言う方は連絡下さい。そう言う方には直接提供して頂こうかと思ってます。


では、一時休憩です。もう二章の起承転結は組んでいるのですが、ある程度書き溜めが必要かと思います故しばしのお別れです。


ありがとうございました。
13話 門出

 その後は何とか回復した九兵衛と一緒に鳴を運び、真田家へと連れ帰った。一応真田一家が帰還するのは夕方くらいと聞いているので、今の所は大丈夫だろう。
 恭は九兵衛に鳴を風呂へ入れるように言い(九兵衛が『きょうちゃんがやりたいんじゃないの?』と言う提案は名残惜しくも見送った)、その間に恭は軽食を作っていた。魔法少女だろうと騎士だろうと、宇宙人だろうと腹は減る。
 そう言えば料理したのも久しぶりだった。恭の妹にして真田家の味の門番、真田涼は兄に料理をさせない。なまっているかとも思ったが意外と身体が覚えているものだ。
 簡単な物で申し訳ないと思いながら、シチューを作った。カレーにしても良かったが、米を炊いている時間がなかったのだ。シチューならそんなに時間もかからない。


 「……ん……」
 「やっと起きたね、鳴。大丈夫? どこか痛いとこない?」
 「九兵衛……正直、全身痛い。ソウルジェムも真っ黒だし、魔力で治す事も出来ないみたいで」

 鳴を脱がせ、お湯も使いながら優しく身体を治していく。一応九兵衛も魔法が使えるので外傷はそれとなく治癒出来たが、内側まではそうそう簡単に治せない。

 「此処は……?」
 「きょうちゃんの家。今きょうちゃんが何か作ってるみたいだから、ちゃちゃっとしてしまおうよ」
 「うん……」

 九兵衛の献身に身を任せる鳴。こんなに落ちついたのは久しぶりだった。とても心地よい。まさかこんな気分になれるなんて。

 「……私、あの後どうなったの?」
 「分からない、でも君は生き残ったし魔女は倒された。実は騎士を直に見たのは初めてなんだよ。きょうちゃんは本当に企画外だね」
 「真田くんが……ねぇ、九兵衛」
 「何だい?」

 鳴は九兵衛に抱きつく。温かい。確かにそれは生きている者の温もりだった。

 「私、生きとるよね……?」
 「……ああ」

 死ぬ気だった。九兵衛も、契約に魔力を使えば死ぬと言っていた。しかし自分は生きている。温かさがそれを表していた。その温もりだけは信じる事が出来た。


 「……お風呂上がったよ、真田くん」
 「お、分かった。じゃあ飯にしよう。と言っても適当にあるもんぶち込んだだけだけど」

 恭は台所へ戻りシチューを三人前持ってきた。ジャガイモと玉ねぎ、人参と鶏肉が入ったオーソドックスなホワイトシチューだ。正直、きっと誰でも出来る。そんな誰でも作れるようなシチューが、鳴にはとても有難かった。

 「「「いただきます」」」

 手を合わせ、温かくて白いクリーミーなそれを口へ運ぶ。口いっぱいに温かくて重厚な旨味が広がる。甘くて、柔らかくて、優しい。

 「……美味しい?」
 「うん……真田くん、こう言う事できるんやね」
 「まあな。俺の妹知ってるだろ? あいつの料理食ったり手伝ったりしてれば、自然とスキルも身に付くさ」
 「へぇ……意外な特技があるものだね。他にもいろいろ作れるのかい?」
 「まあな……それで九兵衛。さっき言ってた改変ってのは?」

 恭の質問に、食べる手を休める事なくちまちまと話しだす九兵衛。この町から魔女が討滅された事により魔女が行った所業の傷跡が改ざんされようとしているのだ。異能の輪の外に居るもの以外は、魔女が行った事は全て無かった事にされる。
 今ですら魔女の口づけにより死んだ人間達は熱中症や行方不明などで処理されているし、鳴の家族は放火魔による愉快犯の犯行と言う事で犯人も捕まっているらしい(この辺りはよく分からないらしいが)。とにかく、世界に負担のないように様々な部分が改ざんされると言う事だ。

 「改変は恐らく今から二時間後、5時くらいに終わるはずだ。きょうちゃん達の通ってた学校の校庭に次の世界へのゲートが開くと思うから、その位に校庭に来てくれ」
 「じゃあ、私達は先に行ってるから……色々あるやろ、最後に見ておきたい所とか、会っときたい人とかさ」

 残らず完食した二人。鳴は恭と九兵衛の分まで後片付けをやってくれた。九兵衛は『どうせ改変されれば元に戻るのに』等と言ったが二人で無視する。
 洗い終わると、二人は真田家を出て行った。そこにはぽつんと恭だけが取り残される。最後に会いたい人か……多分家族には会えないだろうと恭は思っていた。
 彼はふと自分の部屋に行きたくなった。階段をのぼり、部屋に入る。そこにあった自分の物は全て半透明になっていた。これも改変の前兆なのだろう。全て無くなってしまうのは虚しいような気がして、何か持って行ける物は無いかと探す。
 そう言えば、家族で映っている写真なんかは全くないな~と悲しくなった。写真が欲しいかと言われても首を横に振るしかない。彼に欲しかったのは、笑顔で全員そろって写真を撮れるような家族だからだ。
 色々探すが、特に何も持って行きたい物は無い。漫画はかさばる。ゲームは特にやる気にならないし、どんな世界に行くか分からないので充電も出来るか怪しい。そんな中、埃被った機械を発見した。昔もの珍しいからと買った手回し式の充電器だ。相当回す必要があるが、USB充電を行うの電化製品を充電して使う事が出来る。これと携帯くらいの大きさのタブレット式端末を鞄に入れ(何処に行くか分からないため通話機能は期待できないが、辞典が色々と入っているので役に立つかもしれない)、残ったスペースにこの前安売りしていたから買い込んだ、保存食として食べられそうな乾パンなどを詰める。あとは……

『Master』

 魔法デバイス、Clavisの無機質な声が頭に響く。恭は首飾りを外し、鍵の中心でキラキラと輝く小さな宝玉を覗きこんだ。

 『You can put your luggage in me』(私の中に荷物を入れる事が出来ます)
 「へぇ、そんな便利な事が出来るのか……じゃあ、そうさせてもらうか」

 恭は言われるままに鞄の中身を移し換え、意外と入りそうだったので薬なども入れる事にした。考えてもみればどんな場所に行くか分からないのだ、用心するに越した事は無い。
 容量の関係でClavisと色々悶着はあったものの(流石に某四次元ポケットのようにはいかないらしい)、当初の予定よりもかなり多くの物を入れる事が出来た。さてと、そろそろかな……と部屋を見渡した彼は、部屋の隅に小さな箱を見つける。

 『……Master?』
 「いや……これも持っておきたくてさ」

 恭は静かにそれを荷物の中に入れた。無駄に部屋の片づけなどやってしまったので相当時間を食ったが、今から部屋を出れば十分間に合うはずだった。その時。
 ガラガラガラ……バタン。何者かが玄関を空け、その先の扉を開ける音がする。音の主はバタバタと階段を駆け上がり、恭の部屋を勢いよく開いた。

 「はぁ、はぁ……どうして、なんで何も無いの……!?」

 涼だった。彼女の目には恭の部屋が空き部屋に見えているのだろう。部屋を一通り歩きまわるが、恭には見えている家具が全て涼をすり抜けて行く。
 改変前で世界が不安定になっているからだろうか。涼は恭を忘れていない。しかし、彼女に恭は見えていない。こんなにも近くに居るのに。
 涼は床にへなへなと座り込み、床とにらめっこしたまま微動だにしない。恭は触れようとして止めた。すり抜けてしまうだろうし、もしすり抜けなければそれはそれで問題だ。このまま離れるのが一番良いに違いな……
 恭はガタっと言う音をうっかり立ててしまう。しかしそれに涼は反応する様子がない。それを見た恭は、涼の目の前で囁いた。

 「俺、少し旅に行ってくる。もしかしたらずっと戻れないかもしれないけど……幸せに暮らせよ。今までありがとう」

 これでいい。きっと聞こえていない。ひょっとしたら改変が済めば彼女は一人っ子だった偽の記憶を与えられこれから両親に溺愛されて育つのではないか。だとしたら、少しだけだが救われる。
 恭は彼女の元をすり抜け、約束の場所へと向かった。


 聞こえてるよ……お兄ちゃん……

 涼は泣いていた。聞こえていた、しかし彼女には恭を止める事が出来なかった。声が出ない、顔が上がらない。涼は何も知らない。恭が騎士になった事も、魔法少女の存在する非日常の世界も。彼女にとっての真実は、兄を失った事だけだ。
 違和感を感じたのは帰り道の高速道路の中の父の発言だった。『今日は久しぶりに家族全員で旅行できたな~』と言う一言を涼は聞き逃さない。父も母も悪ふざけや意地悪で言っている訳ではない事は涼の目には明らかで、だからこそ不安だった。
 だからこそ、予定よりも少し早く帰って来た涼は家に入るなり二階へ駆けあがったのだ。家の玄関には鍵はかかっておらず開いていた。だからこそ、居るのなら部屋だと思ったのだ。

 (お兄ちゃん……やだよぉ、行かないで……)

 さめざめと泣く涼。家の事を殆どすべて取り仕切っていた彼女だったが、それは兄の存在があったからだ。兄が居なければ涼は頑張れなかった。どんなに溺愛されても、母の事は好きになれない。彼女は人によって恐ろしいまでに態度を変えると知っているから。
 母を肯定すれば兄を否定しなければならない。だが涼が好きなのは恭だけだった。学校で幾度となくクラスメイトや先輩後輩に告白されても、愛する人は恭以外に考えられなかった。

 (嫌だ……お兄ちゃんの居ない世界なんて耐えられない……)
 (お兄ちゃんとずっと一緒に居たい)
 (お兄ちゃんと……)

 「何だ、こんな所に居たのか」

 顔を上げる。恭の部屋の窓の外に、紫色の髪をしたちゃらい男が立っている。男はするりと窓をすり抜け恭の部屋に入ってきた。

 「お前、さっき戦った少年の匂いがするな……」
 「なに……貴方、誰?」
 「へぇ、見える聞こえるってわけか。お前、もしかして兄がいたりしないか?」
 「お兄ちゃんを知ってるの!?」

 妹は駆けより、男にすがりついた。彼が誰か分からない。しかし兄の存在が自身のアイデンティティの大半を占める涼はなりふり構っていられなかった。

 「お願い、お兄ちゃんに合わせて!!!!」
 「……会えるよ。多分すぐに会える。だから……これを受け取りな」

 無数の荊の形をした装飾がまとわりついた深紅の宝玉。男はそれを涼に手渡した。彼女がそれを受け取ると、凄まじい魔力が彼女に吹きこむ。
 黒髪は根元から真っ赤に染まり、着ていたミニスカートとTシャツ、下着すらも溶けて消える。彼女は全裸でそこに座り込んでおり、彼女の足元には、前からそこにあったかのように一本の剣が出現した。

 「受け取りな、神器『レーヴァティン』だ。俺について来れば兄に会わせてやる」
 「お兄、ちゃん……」

 一人の純朴な少女は姿を消し。そこに存在していたのは、渾沌と殺戮を信条とし安寧を何より嫌う一人の邪神の魂を継承する者。

 恭が話しかけた事、それが未来に於いてどんな意味を持つのか。彼には知る由も無かった。
 男は、着ていたジャケットを涼に着せると(体型があまりにも違いすぎるため前を止めれば一応下半身まで隠せた)、彼女の手を引いた。部屋の片隅にどこまでも深く暗い空間が出現する。

 二人は、闇の中へと姿を消した。


 「……遅かったね、置いてくつもりだったよ」
 「まあ、俺にも色々あるんだよ」
 「それじゃ……行こう」

 三人はこの世界に別れを告げる。これから何が待っているのか、恭も鳴も分からない。しかし確かに分かっている事がある。

 「……木村さん」
 「……なん(何)?」
 「……大好きだ。これからずっと、護らせてくれないかな?」
 「……まあ、頑張りたまえ」
 「……押忍」

 世界の導き手インキュベーターは、二人の愛し合う少年少女を未知なる世界へいざなう。



 此れは、混沌に歪められた愛と勇気のストーリー。

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これにて一章終了です。いやいや長かった。
色々謎も残しての終了ですが、その謎も今後解き明かされていくと良いなと思います。
まだ沢山隠してる部分がありますしね。