……………
………
……
さっきまで楽しそうに騒いでいた学生達は一斉に黙り込んだ。
『天麟山生存ゲーム
1・11/1の0:00より24時間、この山の中で過ごしてもらう
2・24時間、参加者は全ての法から解放される。そのため人を殺そうと何の問題も無い(殺人理由は後述)
3・最後まで生存していた人間には参加費の2000円×300人分、加えて死者一人から搾取できる臓器の平均価値2千万円を合計し半分に割った金額を残ったチームで等分し、さらにチーム内で生存している人数で割った分の賞金が各人に手に入る(半分は事務局が回収する)。そのため、他人を殺せば殺すほど終了後多額の賞金が手に入る
4・先程支給されたボックスが開始10分前に開き、ランダムに一つアイテムが支給される。極端に強い武器は生存時の入手金額の倍率が減少し、極端に弱い武器はその逆となる。倍率はゲーム終了後公開
5・このゲームの間、いくら徒党を組んでも構わない
∞・極端に倍率の高い弱小武器を使う人間は極端に強い武器を持つ人間と徒党を組み最後に裏切るという形を推奨する』
開始までにはまだ一時間ある。この寒空の下、しかも真っ暗だ。こんな状態で始まると言うのか。
俺達の部活は今一ヶ所にかたまって洞穴の中で思案し合っていた。男三人、女二人。他のメンバーは開始位置が違うのではぐれてしまった。
「こうは書いてあるけど……殺し合いって本当に起こるのかな?」
沈黙を破り口を開いたのは雪(せつ)、誰にでも優しく冷静沈着な彼女だからこそ出来た発言だろう。
「……そうであってほしいと思うばかりやけど、もし相手が知り合いでも何でもない人間だったら? いや、嫌いな人間だったならどないすんねや?」
「止めろよ鋪(しき)、そう言う事言うの……」
俺は黙ってそれを聞いていたが、確かにその発言は的を射ていた。全員がきちんとした道徳観に基づいて動いたなら1000円損するだけで済むのだ。しかし、誰か一人でも殺された事が分かったなら。
殺される前に殺すと言う生存本能、加えて殺すたびに増える賞金。生存欲と金欲が交錯して恐らく精神が崩壊するだろう。どちらを目的としているのか分からなくなるほどに。
鋪はあからさまに怯えを露(あらわ)にしていた。無理もないか、彼は逆境に弱い。もう一人の男、玲(あきら)も普段は冷静だが今回ばかりは動揺を隠せないでいる。
「……黙ってれば、きっと見つからないんじゃないかな」
「ボクもそうであってほしいな、それにほら、アイテムの中に防御系のものがあればさ、この穴に閉じこもって籠城ってのもありだし」
俺は無難な意見を出す。それに賛同したのがもう一人の女子、雛(ひな)だ。元々企画されていた夜間歩行を一番楽しみにしていた体育会系の女の子。こんな事になって一番ショックなのは彼女かと思っていたが、割と冷静で居た。
「とりあえずだ、俺達の目標は此処から生きて帰る事。仲間の事は心配だけど、あいつらもあいつらでうまくやるだろうし、そんな簡単に殺し合いが始まってたまるかよ」
「そう、だけど……あ、十分前だよ、玲君」
五人のボックスの鍵が外れる。五人はそれを開けた。玲はスタンガン、鋪は拳銃(弾数6発)、雛はサーモグラフィー、そして。
「せっちゃんは?」
「私は……カプセルが一粒だけ。説明書がついてるけど、何て書いてあるか……ま、有益だろうから飲んでおくけど」
「俺も似たような感じだよ。だけど、一応これは分かった。覚醒剤みたい、その依存性のあるあれじゃなくて、細胞を活発にしてより運動能力を高めるみたいな」
俺は箱の中に入った5本の試験管をひとりずつ手渡す。効果は1時間なので、59分に飲もうと言う事にした。それにしても確かに雪の説明書は読めない。平仮名の羅列だが、何かの暗号だろうか。
「接近戦は俺で落とす、遠くから襲ってきた敵は鋪に任せた」
「……頼む、俺にこれをつかわせるなよ……」
「近くに人が居るかはボクのこれで判断すれば良いんだよね?」
「そう言う事だね……僕らは何も出来ないかもしれないけど、多分僕とせっちゃんの倍率は高いだろうから、ちゃんと帰れたら皆で何か買おうよ」
「私……何も要らないよ。だから、皆で帰ろうよ」
雪の優しい言葉が全員の身にしみたようだ。そして時間は開始の一分前。五人はそれを一人ずつ飲んでいく。そして自分の飲む番に差し掛かったのだが。
まあ、何事もなく終わると……信じていた。
『ぐぎゃぁああああああっ!!!!!!!!!!!』
「うわぁああああっ!!!!!」
さして遠くない所から断末魔の叫び。5人の緊張が高まる。思わず試験管を投げ捨ててしまい、貴重な薬を床にこぼしてしまう僕。
「な、何してんだよ!!?」
「ご、ごめん……でも、まあこれも気休めだし」
「だな、あんまり気にする事じゃ……」
後ろでコトンと言う小さな音がする。いっせいに振り返ると、洞穴の上部に開いていた穴から小さなボールが投げ込まれたらしい。
「まずい、皆逃げろっ!!!!!」
玲の一声にみんな逃げ出す。僕は途中で転んでしまった雛の手を引き強引に脱出させた。
「ご、ごめん……」
「っと、そこに居るのは分かってんだよ!!!!!」
「ついでに……後ろにもな!!!!」
銃撃の音、スタンガンを起動する音、そして洞窟の中が爆弾によりこっぱみじんに崩れ去る音が同時に響く。籠城が必ずいいとも限らない事がこうして証明されてしまった。
流石は伊達に仲良しじゃない。このような極限状態の中でも手を取り合って一人ひとりが戦っている。
「こ、ここにいると拙いんじゃないかなぁ……ほら、ここに人が居るのはばれてるわけだし」
「せっちゃんの言う通りだよ、別の場所に……」
こうして巣の中で安穏としている選択肢はつぶされ、命がけのサバイバルが始まった。
割愛します。ブログ的に。ここは小説板じゃないので。じゃあやるなとか言わないでください。
時間は23:58分。後2分、正直これ以上戦うのは無意味じゃないだろうか。もう何十人も、いや百人以上死んでいるはずだ。大量の賞金が入る、一人ひとりが自粛すればすべてうまくいくはずだ。
「はぁ、はぁ……もう弾も一発しかねぇんだけども?」
「こっちだってほぼエネルギー切れだ……」
「ボクのこれはさっきの衝撃で壊れちゃったしぃ……」
「きっと……大丈夫ですよ」
一人だけ、無言を貫き通した。正直こんなゲームを考えた人間を心の底から恨んでいる。そしてこんな物を僕のボックスに入れた人間も。そして……
こんな使い方しかできない自分を。
「……っ、んぐっ、んあぁああああっ!!!!!」
「鋪っ、ぐ、うううっ……!!!!!」
「どっ、どうしたのさ二人とも……ああっ、あああああっ!!!!!!」
「みんな、何を……んぐっ」
突然苦しみ出す四人。そんな中で一人だけ苦しんでいない人間の姿を見て、玲が声を発した。
「まさか、あの薬って……」
「説明書が嘘だったのか……くそっ、命拾いしたんやな、お前」
「違うよ」
「えっ……ボク、よく、分かんないよ……まさか、もしかして……」
「まさかももしかしても無いよ」
隠していた説明書を読みあげる。『劇薬、効果は24時間後きっかりに始まる遅効性。その特性上同じチームメイトに飲ませると言う用途が最も一般的。また、自殺したい場合に備え自分が飲む用の本数分用意した』
「お前……何で、そんな事を、した、んだ……!!!!!」
「そうすりゃ、3億の等分した賞金を一人占めじゃん?仮に全チーム生き残ってたとして、3億÷60チームで500万は貰えるわけだし、多分チームも半分以下だろうし軽く1000万は貰えるわけ」
「酷い……仲間、なかまじゃんか!!!! ボク、キミの事好きだったのに、最初助けてくれて、嬉しかったのに……っ!!!」
「……知らないよ。こっちだって、ただお金がほしいだけじゃないさ」
「くそ、力が……」
「………………」
苦しみに負けて男二人が武器を取り落としてくれてよかった。もし今もその手に握られていたら死んでいた可能性もある。
とても勝手ではあるが、座り込み両手で顔を押さえ止め処なく涙を流し続けた。誰も好き好んでこんな事をしたかったわけじゃない。正直言って、こんな薬自分だけが飲めば良かったのだ。なのに自分の弱さがそれをさせなかった。
「終わった、これでこのゲームも……え?」
鋪が持っていた拳銃が彼の周りに落ちていない。そして……雪が居ない。
ドン、乾いた音が鳴り響く。自分の腹を貫いて出てきた銃弾に驚愕しながらそのまま地面にひれ伏す。
「やっぱ止めた、あんたと賞金二人占めなんて」
「せ、っちゃん……」
「あの説明書ね、偽物なんだ。本物にはあのカプセルの本当の用途ともう一つ、このゲームにおける劇薬の情報がね。あのカプセル、48時間の間、今世に知られている全ての毒薬の効果を無効にするの。素敵でしょ、絶対に君は勝利を確信してたろうけd……」
最後の方までしっかり聞き取れなかった。相当疲弊した後に強烈な一撃をくらったのだ、もう立てるはずがなかったのである……
普段からは想像もつかない悪魔の笑みを浮かべて、大会終了のサイレンの音を聞く雪。彼女は天使の仮面を剥ぎ、さっきまで勝利宣言をしていた男の亡骸を踏みつけた。
「ふう、別に使い道は特にないけど、お金は何に使おうかな~……」
その瞬間、雪の持っていた拳銃が爆発した。『6発使いきったら爆発して使用者を殺す』、その縛りがあったために鋪は最後の一発を使わなかった事も知らず。
今ゲーム、生存者0。劇薬と予防薬はどこのチームのメンバーにも配布されており、どのチームも同じアイテムに踊らされたと言う事だった。
こうして死者達の使える手足や臓器はリサイクルされ、欲に溺れた人間の屑は新たに生きたいと願う人間の明日を創っていくのだ。
果たして、次の戦場はどこになるやら。
ふう、疲れた。こう言う意外性のあるお話は好きですが字数制限とか色々で楽しめなかったかと思われます。フルは多分ないです、私は満足したので。
これは一応私が昨日行った遠歩大会の妄想話で、こんな事は当然やってません。ただバスで阿曽山まで向かうというそのイベントだけでここまで妄想出来る私はもはや神です。
キャラは名前こそちょいちょいブラスから頂きましたが性格とか口調とかはせりふだけで個人が判断できるようにしているのでうちのブラスの人がこんなではないと言う事はご了承。
雪と言うとドリクラでミズハスが演じてる子なのですがまあ細かい事を気にしちゃいけない。正直この子だけは名前の元ネタになった同級生の性格を模倣してます。彼女は100%天使なので安心ですが。
やっぱりこの手の話にはレクイエムがいるじゃないと言う事で探したらこれが出てきた。画像をいじらずにこれだけ面白い別のストーリーを作るのが凄いんだよねぇ。MAD職人流石。
おまけでこれも。こう言うのをミクシィに貼ると女子の目がきついのでね。てかこの曲フルで初めて聞いたけど(大体ボーボボのOPで聞いただけだったので)素敵な曲だ。
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さっきまで楽しそうに騒いでいた学生達は一斉に黙り込んだ。
『天麟山生存ゲーム
1・11/1の0:00より24時間、この山の中で過ごしてもらう
2・24時間、参加者は全ての法から解放される。そのため人を殺そうと何の問題も無い(殺人理由は後述)
3・最後まで生存していた人間には参加費の2000円×300人分、加えて死者一人から搾取できる臓器の平均価値2千万円を合計し半分に割った金額を残ったチームで等分し、さらにチーム内で生存している人数で割った分の賞金が各人に手に入る(半分は事務局が回収する)。そのため、他人を殺せば殺すほど終了後多額の賞金が手に入る
4・先程支給されたボックスが開始10分前に開き、ランダムに一つアイテムが支給される。極端に強い武器は生存時の入手金額の倍率が減少し、極端に弱い武器はその逆となる。倍率はゲーム終了後公開
5・このゲームの間、いくら徒党を組んでも構わない
∞・極端に倍率の高い弱小武器を使う人間は極端に強い武器を持つ人間と徒党を組み最後に裏切るという形を推奨する』
開始までにはまだ一時間ある。この寒空の下、しかも真っ暗だ。こんな状態で始まると言うのか。
俺達の部活は今一ヶ所にかたまって洞穴の中で思案し合っていた。男三人、女二人。他のメンバーは開始位置が違うのではぐれてしまった。
「こうは書いてあるけど……殺し合いって本当に起こるのかな?」
沈黙を破り口を開いたのは雪(せつ)、誰にでも優しく冷静沈着な彼女だからこそ出来た発言だろう。
「……そうであってほしいと思うばかりやけど、もし相手が知り合いでも何でもない人間だったら? いや、嫌いな人間だったならどないすんねや?」
「止めろよ鋪(しき)、そう言う事言うの……」
俺は黙ってそれを聞いていたが、確かにその発言は的を射ていた。全員がきちんとした道徳観に基づいて動いたなら1000円損するだけで済むのだ。しかし、誰か一人でも殺された事が分かったなら。
殺される前に殺すと言う生存本能、加えて殺すたびに増える賞金。生存欲と金欲が交錯して恐らく精神が崩壊するだろう。どちらを目的としているのか分からなくなるほどに。
鋪はあからさまに怯えを露(あらわ)にしていた。無理もないか、彼は逆境に弱い。もう一人の男、玲(あきら)も普段は冷静だが今回ばかりは動揺を隠せないでいる。
「……黙ってれば、きっと見つからないんじゃないかな」
「ボクもそうであってほしいな、それにほら、アイテムの中に防御系のものがあればさ、この穴に閉じこもって籠城ってのもありだし」
俺は無難な意見を出す。それに賛同したのがもう一人の女子、雛(ひな)だ。元々企画されていた夜間歩行を一番楽しみにしていた体育会系の女の子。こんな事になって一番ショックなのは彼女かと思っていたが、割と冷静で居た。
「とりあえずだ、俺達の目標は此処から生きて帰る事。仲間の事は心配だけど、あいつらもあいつらでうまくやるだろうし、そんな簡単に殺し合いが始まってたまるかよ」
「そう、だけど……あ、十分前だよ、玲君」
五人のボックスの鍵が外れる。五人はそれを開けた。玲はスタンガン、鋪は拳銃(弾数6発)、雛はサーモグラフィー、そして。
「せっちゃんは?」
「私は……カプセルが一粒だけ。説明書がついてるけど、何て書いてあるか……ま、有益だろうから飲んでおくけど」
「俺も似たような感じだよ。だけど、一応これは分かった。覚醒剤みたい、その依存性のあるあれじゃなくて、細胞を活発にしてより運動能力を高めるみたいな」
俺は箱の中に入った5本の試験管をひとりずつ手渡す。効果は1時間なので、59分に飲もうと言う事にした。それにしても確かに雪の説明書は読めない。平仮名の羅列だが、何かの暗号だろうか。
「接近戦は俺で落とす、遠くから襲ってきた敵は鋪に任せた」
「……頼む、俺にこれをつかわせるなよ……」
「近くに人が居るかはボクのこれで判断すれば良いんだよね?」
「そう言う事だね……僕らは何も出来ないかもしれないけど、多分僕とせっちゃんの倍率は高いだろうから、ちゃんと帰れたら皆で何か買おうよ」
「私……何も要らないよ。だから、皆で帰ろうよ」
雪の優しい言葉が全員の身にしみたようだ。そして時間は開始の一分前。五人はそれを一人ずつ飲んでいく。そして自分の飲む番に差し掛かったのだが。
まあ、何事もなく終わると……信じていた。
『ぐぎゃぁああああああっ!!!!!!!!!!!』
「うわぁああああっ!!!!!」
さして遠くない所から断末魔の叫び。5人の緊張が高まる。思わず試験管を投げ捨ててしまい、貴重な薬を床にこぼしてしまう僕。
「な、何してんだよ!!?」
「ご、ごめん……でも、まあこれも気休めだし」
「だな、あんまり気にする事じゃ……」
後ろでコトンと言う小さな音がする。いっせいに振り返ると、洞穴の上部に開いていた穴から小さなボールが投げ込まれたらしい。
「まずい、皆逃げろっ!!!!!」
玲の一声にみんな逃げ出す。僕は途中で転んでしまった雛の手を引き強引に脱出させた。
「ご、ごめん……」
「っと、そこに居るのは分かってんだよ!!!!!」
「ついでに……後ろにもな!!!!」
銃撃の音、スタンガンを起動する音、そして洞窟の中が爆弾によりこっぱみじんに崩れ去る音が同時に響く。籠城が必ずいいとも限らない事がこうして証明されてしまった。
流石は伊達に仲良しじゃない。このような極限状態の中でも手を取り合って一人ひとりが戦っている。
「こ、ここにいると拙いんじゃないかなぁ……ほら、ここに人が居るのはばれてるわけだし」
「せっちゃんの言う通りだよ、別の場所に……」
こうして巣の中で安穏としている選択肢はつぶされ、命がけのサバイバルが始まった。
割愛します。ブログ的に。ここは小説板じゃないので。じゃあやるなとか言わないでください。
時間は23:58分。後2分、正直これ以上戦うのは無意味じゃないだろうか。もう何十人も、いや百人以上死んでいるはずだ。大量の賞金が入る、一人ひとりが自粛すればすべてうまくいくはずだ。
「はぁ、はぁ……もう弾も一発しかねぇんだけども?」
「こっちだってほぼエネルギー切れだ……」
「ボクのこれはさっきの衝撃で壊れちゃったしぃ……」
「きっと……大丈夫ですよ」
一人だけ、無言を貫き通した。正直こんなゲームを考えた人間を心の底から恨んでいる。そしてこんな物を僕のボックスに入れた人間も。そして……
こんな使い方しかできない自分を。
「……っ、んぐっ、んあぁああああっ!!!!!」
「鋪っ、ぐ、うううっ……!!!!!」
「どっ、どうしたのさ二人とも……ああっ、あああああっ!!!!!!」
「みんな、何を……んぐっ」
突然苦しみ出す四人。そんな中で一人だけ苦しんでいない人間の姿を見て、玲が声を発した。
「まさか、あの薬って……」
「説明書が嘘だったのか……くそっ、命拾いしたんやな、お前」
「違うよ」
「えっ……ボク、よく、分かんないよ……まさか、もしかして……」
「まさかももしかしても無いよ」
隠していた説明書を読みあげる。『劇薬、効果は24時間後きっかりに始まる遅効性。その特性上同じチームメイトに飲ませると言う用途が最も一般的。また、自殺したい場合に備え自分が飲む用の本数分用意した』
「お前……何で、そんな事を、した、んだ……!!!!!」
「そうすりゃ、3億の等分した賞金を一人占めじゃん?仮に全チーム生き残ってたとして、3億÷60チームで500万は貰えるわけだし、多分チームも半分以下だろうし軽く1000万は貰えるわけ」
「酷い……仲間、なかまじゃんか!!!! ボク、キミの事好きだったのに、最初助けてくれて、嬉しかったのに……っ!!!」
「……知らないよ。こっちだって、ただお金がほしいだけじゃないさ」
「くそ、力が……」
「………………」
苦しみに負けて男二人が武器を取り落としてくれてよかった。もし今もその手に握られていたら死んでいた可能性もある。
とても勝手ではあるが、座り込み両手で顔を押さえ止め処なく涙を流し続けた。誰も好き好んでこんな事をしたかったわけじゃない。正直言って、こんな薬自分だけが飲めば良かったのだ。なのに自分の弱さがそれをさせなかった。
「終わった、これでこのゲームも……え?」
鋪が持っていた拳銃が彼の周りに落ちていない。そして……雪が居ない。
ドン、乾いた音が鳴り響く。自分の腹を貫いて出てきた銃弾に驚愕しながらそのまま地面にひれ伏す。
「やっぱ止めた、あんたと賞金二人占めなんて」
「せ、っちゃん……」
「あの説明書ね、偽物なんだ。本物にはあのカプセルの本当の用途ともう一つ、このゲームにおける劇薬の情報がね。あのカプセル、48時間の間、今世に知られている全ての毒薬の効果を無効にするの。素敵でしょ、絶対に君は勝利を確信してたろうけd……」
最後の方までしっかり聞き取れなかった。相当疲弊した後に強烈な一撃をくらったのだ、もう立てるはずがなかったのである……
普段からは想像もつかない悪魔の笑みを浮かべて、大会終了のサイレンの音を聞く雪。彼女は天使の仮面を剥ぎ、さっきまで勝利宣言をしていた男の亡骸を踏みつけた。
「ふう、別に使い道は特にないけど、お金は何に使おうかな~……」
その瞬間、雪の持っていた拳銃が爆発した。『6発使いきったら爆発して使用者を殺す』、その縛りがあったために鋪は最後の一発を使わなかった事も知らず。
今ゲーム、生存者0。劇薬と予防薬はどこのチームのメンバーにも配布されており、どのチームも同じアイテムに踊らされたと言う事だった。
こうして死者達の使える手足や臓器はリサイクルされ、欲に溺れた人間の屑は新たに生きたいと願う人間の明日を創っていくのだ。
果たして、次の戦場はどこになるやら。
ふう、疲れた。こう言う意外性のあるお話は好きですが字数制限とか色々で楽しめなかったかと思われます。フルは多分ないです、私は満足したので。
これは一応私が昨日行った遠歩大会の妄想話で、こんな事は当然やってません。ただバスで阿曽山まで向かうというそのイベントだけでここまで妄想出来る私はもはや神です。
キャラは名前こそちょいちょいブラスから頂きましたが性格とか口調とかはせりふだけで個人が判断できるようにしているのでうちのブラスの人がこんなではないと言う事はご了承。
雪と言うとドリクラでミズハスが演じてる子なのですがまあ細かい事を気にしちゃいけない。正直この子だけは名前の元ネタになった同級生の性格を模倣してます。彼女は100%天使なので安心ですが。
やっぱりこの手の話にはレクイエムがいるじゃないと言う事で探したらこれが出てきた。画像をいじらずにこれだけ面白い別のストーリーを作るのが凄いんだよねぇ。MAD職人流石。
おまけでこれも。こう言うのをミクシィに貼ると女子の目がきついのでね。てかこの曲フルで初めて聞いたけど(大体ボーボボのOPで聞いただけだったので)素敵な曲だ。