おばさんの喜びと悲哀 | 子育てというボランティア

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昨日、ある駅のそばの大型スーパーで、セールの婦人服を見ていた。
全品半額と言うので、高校の参観や面談に着て行く服を
あれやこれやと、鏡に映してみていたら・・・。

後ろから知らないおばさんに話しかけられた。
「その服いいわね~」と。
ちょうど、紺色の綿のサッカー生地のブラウスで
「さっきからあなたを見ていたんだけど、あなたの手に取る服素敵ね」と。
娘が、お母さん、もっとおしゃれないい服を着てというので
買いに来たんだけど、普段服なんかあんまり買わないから
太ってるし、旦那も早くに癌で死んじゃったし、娘も息子もみんな独立して
孫も4人いて、気ままな一人暮らしだから・・・と。

あなたは、きっといい人ね。おばさんは75歳だから、年の功じゃないけど
顔を見たら、人として良い人か嫌な人かわかるから。
貴女は明るい顔でいつも元気な人でしょ。
私も人を見て話しかけてるから・・・と。

不思議なおばちゃんだ~と思いつつ。
関西人では意外にこういうシチュエーションよくあることだし。
銭湯なんかじゃ関西のおばちゃんは見知らぬ人と
ベラベラ世間話をするのはよくあることですから。
でも、東京ではあんまりそういう人はいないし、
店員でさえ、デパート以外はほとんど接客なんてしないのがほとんどだし。

おばちゃんは、パッと見60代に見える元気なおばちゃんで、
どこか友達のお母さんの、料理屋をやってたおばちゃんに似ている雰囲気で
憎めない感じなので、特に急いでいるわけでもなかったので、
話しを聞くのに付き合ってあげた。

おばちゃんの娘さんは、実業家に嫁いで、いわゆる玉の輿で
孫はこの辺りでは一番の私学に進学しているそうで、
うちの学区でも、この学校目指して中学受験の勉強してる人もいたと
聞くぐらい有名な学校ですが。
商売人の家庭の娘が、いきなりセレブのお母さんの仲間入りで
お付き合いが大変だとか。

自分は何も、不自由はしていないが、婚家の家族とつきあうのは大変だから
出来るだけ顔は出さないようにしていると。
お母さんも小奇麗にしてほしいと娘に言われて昨日も買いに来たけど、
こんなの安っぽく見えると周りに言われて、返品して交換するのだと。

さっき同じ年くらいのおばさんに声をかけていたので
知り合いなんかと思っていたんだけど、どうやら違うらしく。
それで、もう一人のおばさんは何も買わずに売り場からいなくなったのね。

ごめんね知らないおばさんがべらべらしゃべってと言いだしたので、
知らないから、しゃべれるんですよ。と。
隣の家のおばさんだったら、毎日こうだと困るよね(笑)

おばちゃんは私の手に取っていた服をあれやこれや持ってきて、
これは自分に似合うかなと聞いてきたので、これは顔映りがイマイチとか
そのデザインは30代の人向けですよとか感想を言うと
貴女の見ていた服、素敵だから買う事にしたわ。と。

おばちゃんのサイズのシャツは
高い場所にディスプレイされていたので、店員さんに声をかけて
私は、結局おばちゃんとは違うワンピースを買ったんですけどね。
おばちゃん、背が低いから、ワンピースは着ないそう。

娘さん、私とほぼ同じ年の様で、「あなたの方がずっと大人ね・・・」と。
私の母も生きていたら同じくらいの年だなと思って。
こんなふうに、本当は娘さんに服を選んでほしいのだろうと思ったよ。
それだけで、親孝行になるのになと。

孝行したい時は親はいない・・・。
娘さんが、このブログを見ることはないだろうけど、
親孝行してあげてほしいなと思った日でした。