長谷寺といえば、十一面観世音菩薩はもちろんですが、長い登廊と本堂にある懸造りが素敵なお寺ですね。


少し傾斜がついた懸造りは、五色の布が風に揺れる景色がCMにも使われていたので、見たことある人は多いのでは。


長谷は初瀬参りと言われて、枕草子や源氏物語、更級日記にも出てくる場所ですが、実際に行ってみると結構奥まったところにあって、京都からもかなりの距離。


あの時代の女性が良く旅したなー。


ただ、十一面観世音菩薩を見上げると、その迫力と麗しいお姿に、お参りに来て良かったと思ったに違いない。


長谷寺は景勝も良い場所ばかり。


一番素晴らしいと思ったのは、春になってもなかなか暖かくならなくて4月中旬に一気に暖かくなって、山桜や枝垂れ桜、ソメイヨシノが一気に咲いたときがありました。


偶然にもその時期に長谷を訪れたことがあり、白と桃色と淡いピンクと濃いピンクに埋もれたお寺を眺めて、これこそ桃源郷だと感嘆したことがあります。


今思うと夢のような景色でした。


あれから幾度か時期を狙って訪問していますが、あれは幻だったのかなと思うくらい、巡り会えません。


ベストな時期って奇跡に近いですね。