動作をみる | 「スポーツ医科学をもっと広めたいっ!」という気持ちを込めたブログ
治療の現場では、とかく痛みのある場所のみを見るところが多い。


もちろんそれだけで治るケースもあろうが、そうでないケースは


けっこう多いものだ。


1人目


ちょっと遠いところから来ている、高校でバレーボールをしているKさん。


一般的な左足関節捻挫で来院。


筋力テストで、外返し、内返し筋力が弱かったが、基本的なアイソレート


したトレーニングで足関節周囲筋を再教育・強化。


試合などがあったため、ある程度の痛みを押して出場。その後、内側に


痛みが出るようになってきた。


自宅が遠いため、数週間後に筋力を再チェック。外返しはだいぶ改善したが、


内返し筋力が少しの改善にとどまっていた。


痛みがないことを確認し、左右へのステップ動作でチェックしたところ、


左足部アーチの機能が効いていない。




ピンボケで見づらくて申し訳ないが、左のアーチはグチャッと潰れるように


なっている。


これを修正するようにリプログラム。現在、まだリハ進行中だ。


しかし、彼女はこちらの指導をしっかり聞いてくれるので、非常に進めやすい。




二人目


これまた、遠方からきたO君。中学で硬式(リトルシニア)をやる野球少年


(右投右打)。


1ヶ月前から、右肩、3週間前から右肘痛が出現。


普段は、地元の医療機関や民間治療院で診察やケアを受けていたというが


みなさん言うことは一緒で、「体かたいから、ストレッチしなさい」


でも、O君、チームがストレッチをしないから、ストレッチを知らなかった!


だから、知ってる限りのストレッチを15秒程度で1セットのストレッチをやって


いた。


もちろん、どこをストレッチしているのかわからずに!


自分では、どれほどかたいのかもわからないので、基準を教え、私がいつも


指導しているようにどこのストレッチで、どれくらい。これくらいになったら普通


だよと指導。


もちろん、柔軟性はある程度改善。しかし、彼の問題はそれだけではない。


胸椎がやや右屈し、右肩下がり。X-rayでは、骨頭挙上が認められた。


これは側面。後傾、肩甲骨が前方へスライドし、頭部前方偏位。


体幹筋の支持が効いていない。

肩関節を屈曲させると、このような状態。広背筋、前鋸筋のStiffness、


Tightnessあり。


体幹も左捻りけ傾向がつよく、股関節は左右とも硬いが、アンバランス


あり。


前腕は回内ROMが悪く65°、加速期からリリースまで、肩が前に


突き出て、肘が下がっているイメージが目に浮かぶ。


この状態では、教えることがたくさんありすぎて、一日で全ての指導は


無理。ということで、彼の地元に近い後藤トレーナー にバトンタッチ。


彼ならちゃんとフォローしてみてくれる。


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痛みのある所だけをみていると、その痛みを出す本質を見失う。


何が、あるいはどこがどうリンクして動きの悪さにつながるのかを見て


いかなけば根本的にな治療にはならない。


特にスローイングスポーツの選手を治療するには、


そうでなければ難しい。