野球選手の腰痛 | 「スポーツ医科学をもっと広めたいっ!」という気持ちを込めたブログ

土曜日は遠方から来る選手が多い。


特に夏場のシーズン中は野球選手のケガが多く


肘、肩痛をもったピッチャーが一番だ。


でも、腰痛もまた多い。これは当然野手も含まれる。


見てて一番気になるのはバランス。


問診しながら、どんな練習をやってて、練習前後のウォーミングアップや


クールダウンの内容もチェック。


来る選手のほとんど、いや全員がやはりストレッチ不足。


当然、痛みがあって困ってくるのだが、自分の柔軟性が


どれほどなのかを分かっている選手は少ない。


わかる術がまずないからだが、わからずとも柔軟性の維持向上には


すごく気を遣ってほしいところだ。


でも、今回はそれはおいといて、バランスの話。


野球に限らず、偏側的なスポーツは多い。その特徴があるからこそ


バランスをとることはとても重要だと言える。


しかし、現場の指導者はなかなかそこまで気が回らないのが


実情だろう。


こうやって、痛みが出てから医療機関を受診する前に、『予防』として


左右均等に使うことを、何かしらやっておかないといけないだろうね、ホントは。


今回リハに来たA君。


後ろから見てやや脊椎がS字状で、レントゲンの側面像では腰椎の


前弯が強調されていた。


それに加え、ハムのタイトネスが強すぎ、SLRは右40°左60°。


HBDは右0cm左15cmで、左右でタイトな筋に左右差が出ていた。


痛みは筋・筋膜性腰痛だが、実態は違う。筋・筋膜性腰痛はただの結果だ。


腹筋テストもしたが、明らかに体幹筋力不足。曲がっているから


捻り筋力にも当然左右差あり。


まずは、A君の動きをイメージすることから始める。


テストした項目や触診したところだけ見れば、そこを治療したくなるが


左右のバランスを考慮したエクササイズや、左右差をなくすように柔軟性の


改善。ストレッチにもひと工夫必要だ。


そして重要なのは体幹筋強化。単純な種目は最初だけ。


あとは複合的に下肢の動きも加え多種目で構成。


徐々に野球の動きに近づけていく。


あとは、本人もやる気と根気だな。


自分で治す気を出した者こそ、ケガを克服できる。


もちろん、トレーナーはそうもっていかなきゃならんね。