井上荒野の、整頓された文章が好き。
たまにくどい時もあるけれど。
都市に住む人々が抱える秘密。
図らずしもそれに触れてしまった瞬間を描く短編集。
秘密がテーマになっているので、どの作品もミステリー感が強い。
特に「ベルモンドハイツ401」が面白かった。
古くさい臭いがして、逆に新鮮だった。そこがよい。
この前に読んだ、「ベーコン」では、この人の空白の作り方に言及したけれど、空白とミステリーは合わさると、おもしろさは二乗になると思う。
私の場合、ミステリーはすっきりしているほど、ぞくぞくする。
乙一も短編の方が断然面白い。
それにしてもミステリーは、鮮度が大事だ。
オチを知ってしまうと途端に色褪せる。
再読の楽しみがないのが残念。
