くるくると跳ねる
キミをそっと
閉じ込めたい衝動

ひらひらと舞う
指先につられて
飼いたい、なんて冗談混じり
ぽつり呟いてみる


「おっきめの水槽で」

「エサはキスだけね?」


耳打ちされた答えの
斬新な内容より吐息混じり
囁いた声に軽くノックアウト
されるなんて

まだまだこれは胸の奥
望み密やかに閉じ込めて
放し飼いくらいが丁度良い

、、、らしい。


何故

キミが此処にいないんだろう


何故

ボクは笑えているんだろう


何故?


幼過ぎる我儘と
笑うだろうと思ったのに

キミの瞳が揺れて
切なさを湛えて
今にも零れ墜ちそうで
どきん、と鼓動が跳ねる
けれど


名前を付けてはいけないの
問いただしてはいけないの
そう


これは笑い話で
ほら、やっぱりキミは低く笑って
だから
だからきっと
軋む胸の痛みは幻


明日もきっと笑える
この感情を呼ぶコトはなくても
キミが此処にいなくても
キミは此処にいるから。


降りしきる
白に
そっと口付けて

眠るキミの睫に
愛を降らせる
愛を降らせる


冷たさに麻痺した
指先
白い頬に誘われた
手のひら

キスの代わり
息を密め
髪に絡め
愛を絡め


見つめる瞳の
熱で
キミが
解けないよう


幾重にも
巡り巡らす
幾重にも
愛の雨キスの雨
そっと
降りしきる
白は
解けて流れて


降り積もる

降り積もる
キミ

降りしきり
降り積もり

白く白いキミで
いっぱいになるから
キミが零れないよう
ボクは夜になろう


キミを輝かせる
優しい闇の中
ボクを輝かせる
キミは光
白い光


降りしきり
降りしきり


降り積もり
降り積もり


降りしきる
白が
そっと


涙の涸れたボクを
優しく撫でて
優しい愛で
優しく撫でて


そっと狂おしく
潤した。