キミの小指の先
ちょこんとぴんくいろを乗せてみた
その上から
丁寧に絆創膏も巻いてみた
「ちょっと欠けただけやのに大袈裟な」
「そこらに引っ掛かったら危ないでしょ」
「しかもピンク」
「今日は他の色持ってへんの」
・・・半分嘘。
「エエやんけ。モテるようになるおまじないの色やで」
「・・・そうなん?」
ふぅん、と呟いて
絆創膏付きの指をまじまじと見つめてるのが
指切りせがんでるみたいでちょっと可愛い
「・・・無事にモテるとエエな」
「ん~?別にモテたい訳ちゃうけど」
「えー最近よう嘆いてるやんけ」
「あんなん社交辞令やろ(苦笑)」
ま、モテないのはホントだけど
なんて云いながらどこか嬉しそうで
自分でやったのにちょっとだけ後悔したり
でもいいの
お揃いだから
ナイショだけどね?
「ナニ笑ってんの」
「ふふ」
「あ、こっちの指もやって?」
「え~?どんだけ指先ぼろぼろやねんっもぉ」
今度は人差し指に
ちょこんとぴんく乗せてたら
・・・なにやら視線が痛いんですけど
まぁいつものコトだしいっか、と
思ってはみてもやっぱり近いし
頬がだんだん熱くなって色々困る訳で
仕方なくそちらに顔を向け
なるべくそっけなさを装い「なに?」と目線だけで問う
「いやーよう効くおまじないやと思って」
「は?」
「今すっごいモテてる気ぃするわ」
にこにこ笑顔のキミに
顔どころか耳まで紅い気もするけれど
気付かぬ振りで呆れ顔して溜息ひとつ
「ひとりに想われてもモテるて云わないと思うわ」
「・・・いやひとりで十分やし。というかホンマにモテてたんや今」
「あ」
しまった、なんて
顔には出さないけれど
どうやら何の意味もなく
さらににこにこ笑顔のキミが
なんだかシアワセそうだから
うーん
・・・ま、イイコトにしておきましょう。
うん。