真夜中。
唐突に思った。



…何かが足りてない。何か…何か何か何か。





…足りてない。江國香織が。




本棚を掻き回して探す。

江國香織。
いくつもの週末。




仕事やお金や彼や子供や離婚や家事。
たくさんの複雑な…でも大切な事柄が私を追い回す。
そんな…満ち足りすぎた毎日が何かを欠けさせた。

なんだろう…
ささやかな日々のささやかな幸せを感じとる
「機敏」
のような感覚的な鋭利さ。
空を仰ぎ光を浴びたくなる感じ。

一見凹凸のある日々が感覚を麻痺させて
いつの間にか、人としての単純さを忘却して
のっぺりとした私になっていた。




江國香織を読んでいます。
貪るように。