
今回の台湾訪問で機会があれば、是非観たかったのが映画「KANO」でした。
台湾でも封切られたばかりで、大ヒット中 らしいです。
ストーリーは、youtubeの予告編を見ると分かりますので、割愛しますが
台湾映画で台湾の俳優を使いながら台詞の大半が日本語という点に興味がありました。
なんと3時間という長編にも関わらず飽きさせずに最後まで一気に観ることが出来たのは
やはり、良く出来た作品なのだと思います。
正直、台湾の若手俳優の日本語の台詞は聴き取り難い時も、しばしばありましたが、何より
この作品は見方によっては非常に政治的なメッセージと受け取る事も出来ます。
既に台湾の国民党系からは、日本の植民地時代を美化し過ぎているという非難が起こっているようですし、実際に観た感想としても台湾の人達は、この映画を観て「どう感じるのだろう?」と
不思議な気持ちになりました。
映画のメッセージは非常に単純なもので、一つの目標を達成する為に異なる民族が協力する事の重要性であり、最近、アジア全体に蔓延する民族主義に警鐘を鳴らすものです。
台湾の歴史を振り返ると、日本敗戦後の国民党支配がもたらした外省人と内省人の差別や対立は、そう昔の話でもなく、ましてや日本の植民地時代に日本人が台湾人全体(漢族、原住民)を差別しなかったなんてのは、おとぎ話でしかありません。
映画の中で台湾の俳優が話す日本語は、まさに皇民教育の象徴です。
中国の友人にウイグルの友人が居ますが、彼の中国共産党に対する最大の怒りは、ウイグルの子供達に対する中国語教育の強制です。
それを思うと中国共産党と同じ事を日本は行った訳です。
勿論、日本の統治以前は台湾という小さな島に複数の民族が暮らし、共通の言語が無かった事や
日本がインフラ整備に努力した事が、今日の台湾の反映に繋がっている訳で、それが震災後の圧倒的に多額な寄付金からも台湾の親日度は伺えます。
が、しかし中国共産党もウイグル地区に莫大なインフラ投資をしている事も事実です。
そういう意味では、敗戦による日本統治の終了とそれ以降の国民党の統治の比較で、
「まだ、ましだった」程度である事を自覚しなければ、
「日本の植民地政策は正しかった!」という馬鹿の歴史錯誤を深めそうな危うさを感じます。
とはいえ、「永遠のゼロ」なんかよりは、史実に近いという点で優れた映画でしょう。
ちなみに、「永遠のゼロ」って大昔の東宝映画「南太平洋の翼」とどう違うんだろう?
「愛する人の為に死ぬ」って美学の背後に、部下に特攻を命じ、又は兵学校で自決の美学を教え込み、自らはのうのうと生き延びた輩がいた事を隠すものにしか思えない。
あと、「KANO」の監督は日本では霧社事件として知られる台湾原住民の日本統治に対する反乱をテーマにした作品も撮っています。
色々な意味で考えさせられました。