北方謙三による
チンギス・カンの物語
第3巻

全51巻にもなる『大水滸伝』から、待ちに待ったチンギス紀。
北方節は健在である。

氏の描く小説はハードボイルドであり『漢(おとこ)』の物語なのだ。
読者の大半は男性で、昭和生まれの40代以上がメインだろうと思われる。

さて、チンギス紀であるが、登場人物の名前を覚えるのに一苦労。
『大水滸伝』については、元々『水滸伝』が好きだったこともあり、何の抵抗もなく登場人物の把握ができたのだが、チンギス・カン時代の歴史に関係する書物を全く読んだことがないので(金庸の武侠物は読んでいる)モンゴル系の名前に馴染みがなく、なかなか頭に入ってこないのだ。

1巻2巻を読んでから数ヵ月が過ぎているため、誰が誰だかわからなくなっていて、もう大変。

『大水滸伝』の時代から何十年も経過しているので、基本的には別の物語なのだが『大水滸伝』からの唯一の生き残りの人物『玄翁』が、物語の鍵を握る人物として本巻に登場。

いずれは『チンギス紀』と『大水滸伝』が連動する部分も出てくるはずなので、どのように物語が繋がるのかが楽しみである。

構想では11巻~19巻になる予定で、5ヶ月に1冊のペースになる模様。
ということは19巻の場合、あと16冊。7年以上かかる計算だ。

北方謙三氏も現在70歳。
くれぐれもお元気で執筆活動されることをねがっております。