京都・大阪編 02
KUWATA
start・・・・・
・・・・。
・・・・・・。
あの頃が・・・
懐かしい・・・
オレは・・・
ここでいい・・・
JYUZOU
え？
大阪のゲーム仲間？
でもあの距離感は
ちょっと異常だろう
オレはもう
よか・・・・。
初めてのUSJ
嫁が行きたいとの
提案で
JYUZOUの処で
寝泊まりし
タダ飯タダ酒を
計画したこの家族
ともだち御殿名物
タカリ
意気揚々と
大阪入りした
たそがれは
思わぬ伏兵と
出会うことになる
・・・・。
SNSのゲーム仲間
嫁とたそがれは
同じチーム
顔も本名も知らない
この男が
突然USJに
現われる
（仮名）グリー男
嫁と約束をしていたんだろうか
たそがれは
本人が会場に現れるまで
このことは
全く聞かされていなかった
・・・・。
乗り物は
もちろんの事
嫁はこのグリー男の
隣に座り
４人テーブルのパパの位置は
このグリー男に
独占され
何よりも・・・
たそがれが結婚してこの方
見たこともない
嫁の笑顔を
これでもかというぐらい
叩きつけられたのだ
・・・・。
この男の
プライドは完全に
折れてしまっていた・・・
お前の家族を
食事に招待したのは
たそがれ、アンタが
俺たちの仲間たからだぜ
なのに
なぜ関係の無い人物が
平気な顔をして
４人テーブルで
楽しそうにアンタの
嫁と話し込んでるんだ？
ここでの主役は
お前だろうが？
なぁ
たそがれさんよ
おとうさん・・・
娘も心配して
カウンターで独り飲んでる
お前のところに来て
一緒に話そうというのに
あっちに行けと
突っぱねるお前
どういう心境しとるんよ
なぜそのイライラを
小さな子供にむける？
初めて会う仲間だから
今日は楽しませてやって欲しい
俺はもうよかけん・・・
世界一のプライド
健在
かっこつけも
ほどほどにせい
おい、たそがれ
あいつはマジで誰だよ？
お前、ここにいちゃあ
ダメだろうが・・・・
俺はもう・・・
構わないでくれ・・・
俺たちは
俺たち自らが、たそがれをからかって泣かしたり
困らせたりするのは
良いとしても
ＳＮＳで知り合ったのだか
何だか分らない
礼儀もクソも知らない
変な野郎が許せない。
こうして、仲間の嫁と
平気でイチャイチャし
子供が見ている前で平気で
仲良くする姿を、
いち友人としての
十三は見過ごすことは
出来なかった。
俺らはたそがれを
追い込んでもいいけど
他の奴が追い込むのは
許せんのよね
今回の関西旅行で
ＳＮＳで知り合った
この変な客は
たそがれとの会話もおざなりに
嫁の隣を陣取り、
ガンガンに口説いている
様子だ
それを子供は白けた目で
見ており
嫁の方も、まんざらではない
酒も入ってくると
笑い声がいっそう
不快音として
店内にこだまする
あーだめだ
もう我慢できない
そういうと、十三は
招かれざる客のところに行き
店とこの家族の関係を
説明した。
この変な客も
やっぱり変な奴だった
話を理解しているのだろうか
何をいっているのやら
さっぱりわからない
アンタの食事代は
しっかり請求するからな！！
十三はその客に
すごむが、それを
かばいだしたのは
たそがれの
嫁だった
十三君、やめてよ
彼を責めないで
そういうと、嫁は
自分でその男の食事代を
支払うと言い
固い固い財布を取り出して
十三に渡そうとした
いやいや、おかしいでしょ
なんであんたが払おうと
するんねん
この男に払わせたら
いいやろ！！
声が一層大きくなったが
カウンターに座る
たそがれの背中は
一層小さく
これでもかと言うぐらいに
小さくなっていた
たそがれオマエ！！
どうしたんや？
ここまでされて
なんで切れないんよ
いつものように
俺らに
してるように
ガツンと
言ったれや！！
俺は・・・・・
もうヨカ・・・
独りにしてくれ
ボス猿理論からすると
小さなコミュニティの中での
権威は鬼のように高く
傍若無人に見えるが
警戒心は強く、突然の
アクシデントに知能は
ついていかない
特に見知らぬオスが群れに
突然入ってきた時には
思考が停止してしまう事が
あるようだ
こうして家族が危機に
瀕している時も
子供すら守れない
子供は主人の怒りを
期待しているのだ
寂しそうに心配そうに
父親を見ている子供たち
TARO
たそがれ！あいつ！
クソのくせに
子供ぐらいきちんと守れ！
なんで普段は余計な事ばっかり
するくせに肝心な時に
オトコを見せないんだよ！！
タロもその話を電話で聞いて
心底呆れた、
そして怒りは
その嫁と客に向けられた
このたそがれという男の
情けなさ
そして本人に
関わる絶対的ピンチを
すり抜ける
方法を持つわけでもなく
流れに身を任せただけの
ただの負け犬だった。
負け犬かよ！！
つづく