TASOGARE
3
national anthem
静寂の中
我々が誇るべき
日本国の魂
立ち上がる群衆
老人は
帽子を脱ぎ
頭を下げ
ある者は
目を静かに閉じる
覚えたての
国歌を、ママ僕これ知ってると
楽しく歌い
とあるものは
ワールドカップさながら
胸に手を当てて
国歌斉唱
最近の
国内はどうだ?
保守なのか
リベラルなのか
わかんねー与党が
好き勝手やりなさる
何が
外国人留学生は
日本の宝だ?
ふざけんじゃねえよ
アホ官僚・首脳陣め
そんなおめえらを
笑い飛ばして
明日の日本に
期待しようじゃないか
口先だけの
検討使
自分の出世しか
考えてない
ザイム真理教ども・・・
選挙に行けよ
絶対に・・・・
政治的発言は
あまり詳しくないので
言わないが
日本人を舐めるなよ
そんな気持ちで
俺はいつも書いてます
とある伝説の教師が
こう言った
今逃げたら
一生このまんま。
不満だらけの
顔してないで
本気で戦え。
人間、本気で戦わないと、
何一つ変わらない
相手の欠点10個言うて
それでも
一緒にいてくれたら
本当のともだち
回想
俺は今まで
逃げてたのかもしれない
ダメなものはダメと
ハッキリと奴に
言わなくては
記憶にあるのは保育園の
TASOGARE
それから小学校中学校と
サッカーをやり
大人になっても
そのわがままは
変わらない・・・
傍若無人な態度で
女子からもウザがられ
誰もが近寄らなくとも
ムカつくことも多々あった
それでも
なんとなくであるが
俺と十三は奴の近くにいた
今まで俺は、
この男と
本気で喧嘩を
したことはない
互いに力は強かったので
エスカレートしたら
引っ込みがつかない性格のため
限界まで行くだろうという
恐怖感が
何よりも強かった
なので、俺らの喧嘩は
誰かが見ていて
止めに来るのを
期待しての喧嘩だったのだろう
この男の
傍若無人に
だいぶ泣かされたこともある
ならば
本気でやってみよう
回想終わり
立ち上がり、
胸に手を当てて
俺らの為に国歌を歌う十三
そしてこの会場に来ている
観客の前で
俺らの本気の
ぶつかり合いをみせてやる
兄弟ゲンカ
国歌を歌い終わり
観客が席に着くと
試合開始のゴングがなる
取っ組み合いの喧嘩ほど
つまらぬものはない
互いに重量級のキック力を持つ
2人なので
華麗なK1スタイルからの
間合いを詰めていく
一瞬TASOGAREの
ボレーキックが身体をかすめて
空を切る
その間合いを見切るように
クビ部分にねじるような
パンチを見舞った
接近したタロに対する
防御よりもTASOGAREの
玉砕覚悟の
膝キックが
タロの脇腹に炸裂する
重量級の
マッチョ膝が
脇腹に炸裂すると
鈍い音がして
タロは悶絶し
観客は悲鳴をあげる
苦しみながら
起き上がると
気合のポーズをタロは取り
こいやー!!
一瞬後ろにあとづさりしながらも
助走をつけての
ジャンピング前げり
これは中3の時に
悪さ坊主で教壇を破壊した
ネリチャギの応用だ
グフウ
急所は外したが
たそがれの悶絶した顔は
よくわかった
だがしかし・・・
俺らの間に
防御という
ワードはない
ひたすら互いに
攻めるのが
美学
そして
苦悶の表情が
治るまで
待つのも武士の情け
1発、2発
続けざまに
TASOGAREの
フックが腹に決まる
痛い
めちゃんこ痛い
誰がグローブなしで
ストリートファイトで
やるといった?
あ、俺だww
余りにもの痛さに
悶絶する
そのまま観客が見ている前での
骨が当たる音は
静かな会場に響き
そして肉と骨の
ぶつかり合いに
観客は悲鳴を上げる
1分を経過しただろうか
余りにも長い1分だ
リアルブレイキングダウンを
彷彿とさせる
ケンカデスマッチ
TASOGAREは
しきりに十三を見て
目くばせで
止めろと止めろと
合図をおくっている
甘いぞTASOGARE
その一瞬をついて
タロはTASOGAREの
顔面から下
あごの部分に素手パンチを入れた
きゃあああ
瞬間にTASOGAREの
口の中は切れ
開けた口から
出血が始まる
きゃあああああ
観客の叫びがあっても
俺たちは止まらない
これをチャンスにと
TASOGAREの
懐に入り込み
一瞬で
柔道技の
払い腰を使い
TASOGAREを
宙に回せた
カーペットでありながらも
その下はコンクリート
鈍い音で
TASOGAREは
地面に叩きつけられ
その姿をチャンスと思い
その場で
ジャンピングエルボー
ギロチン落としを決めようとした
着地で痛かろうとかは
関係ない
そのまま
TASOGARENの
首を狙って
宙を舞い
そのまま垂直落下
このシーンは
ビデオにも残っており
高い位置からの
TASOGAREの
息の根を止めるかのような
本気のジャンピングエルボーだった
まてい!
仕留める寸前だった
タロを横から蹴り飛ばし
そのまま
上からタロに馬乗りになる
十三
アホンダラ!!!
メガホンを鬼のように
振り回し
バコバコタロを叩く
このまま
殺ってたかもしれない
十三からメガホンで
さんざん叩かれて
そのまま
TASOGAREも
ポカポカ叩かれる
試合終了だった
会場は唖然とし
私らのやり取りを見ていた
タロの片目は
腫れあがり
TASOGAREは
口から出血したものが
だらだらと
床にこぼれていた
仕合終了
勝者、十三
俺の式を壊すな
静まり返った
会場では、おのおのへの
インタビューが始まる
もはや、息ができないくらいに
苦しい
質問に対して
答えをしたいのだが
はあはあと
息が出来なく言葉も出ない
本気で殴り合いをした
感情よりも
このまま退席して
横になりたい気分で
一杯だった
そのまま
お笑いライブに
進むのであるが
ここでTASOGAREの
渾身のネタが
炸裂する
今まで
一度も笑ってもらったことのない
TASOGAREが
選んだネタは
一発や芸人
地元の英雄
キャンプ レジェンド
「ヒロツ」
殴り愛
終了
そして
伝説の
お笑いライブへ
つづく