「嘘のようで本当の話
ラジオにでも投稿しようかなと
少し考えてみたりもする」
taro
インチキストーリーテラーの
タロです
今回はトカチェフモリスエ編の
最終となります
現実は、小説よりも
奇なり
月面宙返り
ムーンサルト体操競技の技
「後(前)方二回宙返り一回ひねり」
の通称で和製英語
この技の始まりはツカハラが
「後方かかえ込み二回宙返り一回ひねり下り」を
発表したのが最初である。
この技は、トランポリンの技
「ハーフインハーフアウト」
(後方1回宙返り1/2ひねり+前方1回宙返り1/2ひねり)
に想を得て編み出された。
なだらかな
車のボンネットに
突き上げられる瞬間に
身体をいなすように曲げ
強靭な
身体のしなりで
後方を抱え込むことで
完成する
たそがれの
身体能力なしでは
語れない
検証するには
トップロープに
登るほかないが
見事な
弧を描く
レスラーのひと
確かに
筋肉ゴリラの
身体のしなやかさは
大きく関係しているであろうが
変わらず見事な
身体能力だった
大事な部分は
フルフェイスの
ヘルメットを
着用していたことだ
頭を守ることが
一番大事
これなくして
バイクには載せないという
安易にお子さんへ
許可はしない様に
落下しながら
着地に気を遣い
そしてゆっくり
目的物にめがけて
綺麗な放物線を描いていく
MOONSALT
たそがれ
ムーンサルトで
着地失敗
その話題は
街中に広がった
恐ろしい事故だった
普通のヒトであれば
間違いなく
即死案件
こうしてネタとして
書いていられるのも
奴が助かったからこそのもので
見通しの悪い道路については
地域をあげて
安全に取り組む必要があるのだ
たそがれの驚異の
身体能力とタフな身体
であってこその
この結果だったことは
間違いないだろう
フルフェイスのヘルメットの
着用は絶対なのである
十三
俺のワードの中での
ムーンサルトと言う言葉は
無くて
誰かが言い出したんだと
思うんだよね
気も動転していて
後輩の女の子に早口で
説明して
テレビの影響もあってか
たそがれの知名度は
一気に上がった
昏睡状態からの
復帰
十三が即時
お見舞いに行くも
まだ、だれがだれか
分からない状態で
学校の先生には
敵意をむき出しにしていた
タロとアキオは
随分経ってから
見舞いに行きはじめた
俺らを見るなり
誰なのだか
気付いたようだった
タロー・・・・
アキオ・・・・
その緩やかな話し方で
少しだけ微笑んで
お母さんに、喉が渇いたと
スプライトをねだると
大ジョッキに
鬼のように注がれた
スプライトを手に持ち
無心で飲みはじめる。
一気に大ジョッキを
まるまる開けてしまうと
一瞬だけ
顔がゆがみ
そこからは
20秒近い
長い長いゲップをした
げええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっふ
・・・ここは
笑っていいものかどうか・・・
(腹がよじれる)
おばちゃんおるし
笑うに笑えん・・・・・・・
さ・・・さむかぁ・・・・
季節はもう
初夏の候であったが
スプライトを2L
一気飲みして
身体が冷えてしまったのだろう
今度はブルブルと
震えだし、医療用ベットで
布団を被って
小さくなってしまった
全身の傷は
時間と共に消える
この生き物の修復能力の
凄さには医者もびっくり
していた様子だ
俺たちは
お見舞いに行く度に
人間に近づき
まさかの
優しい口調で
会話を始めた
たそがれは
まるで聖人のよう
そのように例えられるほど
優しい口調で
ありがとうを連呼していた
えっ?
ありがとうが
言えるようになったか?
もしかして・・・・
いままで
頭の中で外れていた
ボルトのネジが
今回の件で
もどったかもしれん・・・
1本外れていた
頭のネジが
戻ったぽい
それは
たそがれを知るものの
中で
キセキに近いものがあった
たそがれが
まともになった!!!
うえーい
これで暴力的な事は
しなくなるだろうし
話も通じるようになる
奇跡が奇跡を呼んだ
だが・・・・・・・
復帰以降より
ますます連発する
おかしな行動の数々
退院後
ええかげんにせえ!!
この荒くれチームにして
荒くれの中の
荒くれ・・・
偉大なる伝説
俺はここでいい・・・・
灼熱の京都
地獄の山登り・・・
救急車よんでもいいぜ?
フツー
霊柩車を
先導するってありえんやろ
灰皿はどうした?
タロ!しつけが
なっとらんぞ!!
何とかしろ!!!
俺は
豚骨以外の
ラーメンを認めない
これ、マズいな
美味しそうに食べている割には
いう事が違う
たそがれは
こういう男だ
本心と表現が
ここまで乖離している
生き物はそうそういない
なので
今後も経過観察と共に
介助が必要な対象として
向き合っていくこととする
トカチェフかまたは
モリスエ事件
つづく