「交通事故ほど

恐ろしいものはない

人の命など一瞬なのである

 

スマホいじりながら

信号無視

 

もう一度確認しながら

安全運転で」

                 taro

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インチキストーリーテラーの

タロです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意識不明の

重体 昏睡状態

 

 

 

 

 

 

その知らせを聞く

そのまま家を飛び出し

担ぎ込まれた

地元の医療センターに

勤めているとある人物を

知っているので

 

 

 

 

 

 

そのまんま

 

 

 

俺はアキオの家に

直行した。実は

アキオのお母さんは

この病院の

看護師長である

 

 

 

 

 

 

 

アキオの部屋

のちの

(基〇外の館)

この事件の緊急

対策本部とする

 

イラスト 勉強部屋 に対する画像結果

 

 








長い間
女の子に振られ続け
それでも果敢に立ち向う

 

 

 

たそがれの姿

 

 

 

 


滑稽ではあったが
ひたむきでちょっと

可愛いところあるんだなと
思ったりもしてた



十三は、1学年歳下の
みゆちゃんの友達が
たそがれ先輩を
一目惚れして会ってみたい

と言うので

 

 

 

 

たそがれを
アテンドすることになったそうだ

 





たそがれ好きとは
よっぽど変わり者なんだなと
思われがちだが
その子はおしとやかで
可愛らしい女の子
だったのだ

 





初めての恋人が
出来るかもしれない
そんな気持ちも後押しして
お洒落に気を遣い






喜び勇んで
家を出たのだろう
それから待ち合わせ場所で
たそがれ先輩をまつ
みゆちゃんと
その女の子


 

だけどたそがれは・・
アイツは
その待合場所には

には来なかった




みゆちゃんが
十三に電話をかけ、
心配になった十三は
たそがれの
自宅に電話をする 




何ですって!
乗用車と正面衝突???
スクーターとですか



えっ



車にはね上げられて



えっ



意識不明?



えっ



大怪我して
重体なんですか!!





丁度その頃
つけっぱなしのテレビでは
地元ローカルの
ニュースをやっていた

 

 

 

 








何気に
同年代の高校生が
車にはね上げられて
重体という




そこのカーブは
割と有名なスポットで




奇抜なS字カーブなのだ、

 

 

 

 

俺もたまに気まぐれで自転車で
学校行くときに通る場所

 




 

どこの高校生かなあと
ぼーっと見てると電話が鳴る

 

 





JIRIRIRI!!

 



タロさん、テレビ見た??
あれ多分
たそがれ君だよ

 







ええええええ!!


奇妙なあぶら汗と
変な悪寒がしてきた



十三はどうした?

 

 

 

 

 


うん、なんか連絡が
取れないのよ、

病院に付き添いで行ってる

ヒサシ君と話していたら

なんかまずい事になったとか

 



ヒサシ君がたそがれの

お兄さんと

現場検証に立ちあって

そのまま病院に向かったんだって







悩みが2つになった
十三も気が動転すると
何するかわからない

 

 

 

 

ヒサシは

現場検証の警察官に

喰ってかかったらしい

 

 

相手の運転手と

話をさせろ!!!

 

 

その剣幕は

車線を越えてたそがれと

正面衝突を

引き起こした張本人が

 

 

 

向こうのパトカーに乗って

事情聴取されている

 

 

 

ヒサシは

幼少のころからの

自宅は隣同士、親も仲良く

兄弟のように育ってきた

関係だ

 

 

不安をぬぐいたいのであろう

大声で警官に食って掛かる

警官は良き障壁として

街の不良少年をガードしているのだ

 

 

いくら不良と言えども

大切な友が事故にあうという

心は不良であろうが

なんだろうが変わらない

いつもの暴れている時の

抑え方とはちょっと違った

 

 

 

 

イラスト 羽交い絞め に対する画像結果

 

優しい羽交い絞めだった

のだろう

 

 

 

アキオのお母さんは

病院で看護師長をしている

もちろんちょっと有名な

おばさんだったけど

 

 

 

息子の友人が

病院に運ばれてきたのは

すぐに分かった、

お母さんは

連絡を逐一自宅に待機する

アキオとタロに送ってくれる

 

 

 

そのうちヒサシが病院に

到着すると、公衆電話から

俺たちにその様子を送ってくれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが到着もつかの間

たそがれの容態が急変する

 

 

 

 

 

まだ連絡がついていた頃

十三に、その報告を電話越しに

その内容を伝えるやいなや

 

 

 

十三は家を飛び出し

行方が分からないようになったという

 

 

 

十三は

何処に行ったのだろう

おそらく後輩の女の子を

アテンドした事を

自分のせいだと思い込み

 

 

自分を責めているに違いない

 

 

 

 

 

 

 

実のところ彼は

カーフェリーの船着き場に

来ていた

 

 

 

 

 

辺りは真っ暗になり

フェリーが無いと

本当に寂しい町はずれの

 

 

 

すっかり真冬の様相の

船着き場

 

 

 

コンクリートの上から

海面を眺めると6メートルは

越えている

 

 

 

真冬の海は

凍えるように寒く

不安をかきけしてくれるような

荒々しさがあった

 

 

 

 

十三は大声をあげて泣いた

コノヤロ―と、やり場のない

怒りを海にぶつけていた

 

 

 

 

 

 

 

 

アキオの家に居るタロ

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもからかって

たそがれを馬鹿にしている

タロだが、もう保育園からの

腐れ縁だ

 

 

 

タロは言い忘れたが

漁師の孫だ

たそがれと並ぶと

 

 

 

 

 

 

マッチョブラザースと

呼ばれ、廊下ですれ違うと

いつも喧嘩をしていた

 

 

 

 

 

 

喧嘩と言えど、バッファローが

角を合わすように

そのいかり肩を互いにぶつけ

タイミングを併せながら

どちらが強いのかガチンコ

ぶつかり対決をする

 

 

 

 

 

シルエット 喧嘩 に対する画像結果

 

ぐぬぬぬぬー

譲らんぞぼけえ

 

 

 

 

先生が止めに来るまで

その方のぶつけ合いは

止まらない

 

 

 

 

 

 

本人同士

意地になってるんだろう

 

 

 

 

高校で別別の道に進んだが

変わらずこうして集まるのは

昔からの癖なのだろう

 

 

時間厳守の

孝行息子ヤンキーの

たそがれが、こんな時間に

なるなんてよ、

慣れない事するからだ

 

 

 

 

 

 

そういいながら

 

 

 

 

アキオちゃん

そこの神社にちょっと

お参りにいってくらあ

何かあったら呼びに来てちょ

 

 

そう言い残すと

街で一番由緒のある

その神社にヒョイと

歩いていき

 

 

 

 

 

そうか、

俺の初のお百度参りは

たそがれの為にあるんだな

 

 

 

奴は大丈夫だろう

各々が、あの鉄人の野生児

筋肉の塊が

 

 

 

 

そんなふうになるとは思わなかった

 

 

 

 

 

心肺停止

 

蘇生準備

 

 

 

 

電話越しで

ヒサシの悲痛な

ワードを

俺たちは聞き

 

 

 

絶句した

 

 

 

 

タロと十三

そしてアキオ

 

ヒサシ

 

 

 

仲間が

死ぬかもしれない

俺らの中の

 

 

 

仲間が

 

 

あの世に

逝くかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 


 

船着き場にて・・・

 

 

 

 

 

断崖に立ち尽くす十三、

海風が頬を突き刺す

「俺は何もしてやれない!!」

 

 

怒りと脱力感

そして泣きつかれた顔で

無性に海に飛び込みたくなった

 

 

 

 

自暴自棄

 

 

その暗闇の海に

飛び込んで気付いたのだが

十三は泳ぎが出来なかった

 

 

 

身投げとかさ・・・

 

 

 

内海と言えども

冬は波が高めだ

 

 

 

制服を着たまま

6メートル下に

落ちたのだが、

そこは上と違って

真っ暗な海だった

 

そうか、階段とか

フェリーの船着き場には

無かったな・・・・

 

 

犬かきで

たどり着けるかな

という不安が出てきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方

神社にて・・・

 

 

画像をダウンロード フリー 神社 鳥居 イラスト 164694 - Jpirasutohulayn

 

 

 

神社の入口に

立ち尽くし

これからお百度参りを

行う決心をする

 

 

とはいえ

 

やり方はよくわからない

鳥居からお賽銭を投げるところまで

行ったり来たりすれば

いいのだろう

 

 

とはいえ、神様に

対しては真摯であらねばならない

 

 

背筋を伸ばして

どうどうと歩くべし

 

 

俺の頭の中には

文化祭でたそがれがメインボーカルをした

エアバンドの事を思い出していた

 

俺らは前座じゃないぞと

暴れ放題で、めちゃくちゃにした

けど楽しかったバンド対決ww

 

ニヤリとしながらも

蘇生がうまくいったとはいえ

まだ危険な状態のたそがれだ

 

いつ急変するかは

わからない、泣いている

つもりは毛頭ないのだが

この流れる液体はなんだろう

 

変やなあ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幼馴染

 

 

ヒサシは

随分と警察官に

食って掛かったらしい

 

 

最後には羽交い絞めされて

抑え込まれてしまったが

幼馴染との関係が

 

 

 

終焉してしまう事への恐怖

そして、周りと衝突ばかりで

とっつきにくい同士の

共通した何かがあるのだろう

 

 

 

 

あの野郎

心配かけやがって・・・

 

 

こんなに苦しむ顔の

ヒサシはこれまで

だれも見たことなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがに

冬の海で、長時間

いるわけにはいかない

手足のしびれが

体中をはい回り

 

 

 

十三は思ったらしい

 

 

 

 

アーこれダメかな

俺も終わるかもしれない・・・

 

暗闇の海をどこに行けば

あがれるのやらわからず

犬かきでずいぶん進んだのだろう

 

 

もうだめかと思ったときに

消防隊が誰かの通報を受けて

十三を助けに来てくれたのだ

 

イラスト 海 夜 に対する画像結果

 

 

消防士が岸壁から

浮き輪を投げ入れ、

そしてそれに

捕まるように

指示すると

 

 

ゆっくりと十三の身体は

浜の方に引っ張られていった

 


消防隊に助けられ

毛布を掛けられると

警察が十三に話しかける

 

 

 

涙とこごえで

どうしようもない十三は

たそがれの話をし

 

仲間が居なくなるかもしれない

という恐怖で。思わず

海に飛び込んでいた話をした

 

濡れたままの学ランで

警察の人に

タバコをくださいというと

 

その優しい警官は

何も言わず、そっとポケットから

タバコを取り出し

 

 

 

 

 

 

 

子供のように

大声で泣きじゃくる

十三にさしだしたのだ

 

 

 

 

 

 

 



 

 

どれだけ歩いただろうか

 

 

歩く度に

奴との時間を思い出していた

 

 

唯一カノジョが出来ず

それでもオレはもてるのだを

アピールするたそがれは

 

 

 

本当の意味での

精神の強い男だと

思っていた

 

 

 

何もかも暴力で

解決しようとする姿は

あまり好ましくなかったが

 

 

俺を頼ってくれと

キラキラした目で

頼まれると

 

 

頼りないくせに

えらそうなこと言いやがって

 

 

 

 

 

そんな・・・・

 

 

 

 

そんな・・・・

 

 

 

 

泣けて泣けて

しょうがなかった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明け方になってきた

 

 

 

峠を越したらしい

なんとか、意識はないが

 

 

脈も安定してきたようだ

 

 

 

 

そうか

 

 

 

やっぱり

類人猿だな

 

 

 

死んでも死なない奴

 

 

 

 

 

 

全身ズタボロに

なりながらも

 

生死のはざまで

戦い続けたアホ

 

 

 

 

オマエは

やっぱり

アホだな

 

 

 

生きててくれて

ヨカッタ

 

 

 

本当に

ヨカッタ

 

 

 

 

 

 

翌朝



十三が、担ぎ込まれた

病院から出てきた

 

 

ウフフ

死ぬかと思た

 

 

 

あんたねえ

 

 

 

 

ええかげんにせえ

 

 

もうええわ!!!

 

 

 

 

アキオ

「意識が戻ったので

ガッコの先生いったら」

 

 

 

オマエダレやって

怒り狂うんだって!!!

 

 

ICUに入ってるから

そんなに騒いでも無理だよ!

警察よばれるよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記憶喪失の男

 

 

 

 

 

 

 

 

記憶障害で

ヒトモドキから

 

 

本当のゴリラに

なってしまった

 

 

 

 


 

たそがれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トカチェフかまたは

モリスエ事件

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく