「嘘の方便の使い方
北風と太陽、私はまだまだ
十三の太陽には及ばない北風なのさ」
taro
インチキストーリーテラーの
タロです
1989
中学3年生
春
町立
〇〇中学校
第一回
校内カラオケ大会
傍若無人
後に偉大なる伝説と
なる漢
たそがれー
そこを何とか
割り切ってくれないかなww
俺たちが
このイベントで
最優秀賞を
狙いたいんだ
なので、敢えて
パフォーマンスだけで
行きたいんよ
そうそう
歌は要らんのよ
ていうか
俺らはパフォーマンスだけで
充分いけるってww
TASOGARE
はぁ??
(*´Д`)
オマエラが・・・・
どうしても出て欲しいと
言うのなら
出てやってもいいが
俺に唄わせろ
・・・・だからさあ
今回はね
唄は歌わないの・・・
パフォーマンスのみで
行くんだって?
・・・・俺は踊りとか
好かんし、オマエラで
勝手にやれ!!
俺は自分が歌いたい唄しか
唄わんのや
その姿
斜め45度に構え
短い丈のズボン
その両ポケットに
野生を思わせる
野太い両腕を入れ
空は曇っているのに
眩しそうに
空を眺めながら
キメ顔でこう言った
まるでヤクザのような
スローペースで
いかにも自分よがりな
自分の言葉に
悦に浸る男
オマエラが・・・
そう思うなら・・
好きにすればいいさ・・・
俺は俺でありたい
オマエラの願いなんざ
カンケーないね
カンケーナイネ
・・・・・・・。
(しーーーん)
(・・・しかも
長渕と
あぶない刑事の
恭平柴田のモノマネかよ。
昨日のドラマで
完全に役柄に
ハマってるし・・・)
(なんで
コイツ、
キメ顔なん?)
(なんでこのバカの
ために演目変えなきゃ
ならないのか・・
マジで空気が読めないな
この男)
俺の美声を聞かせてやるよ
オマエラよりも
俺の歌声は
数段上だからな・・・
どうだ、俺の歌いたい
曲を今からいうから
後ろで
パフォーマンス
やらせてやるよ
知ってるだろ?
・・・知らんし。
つうか初めて聞くから
思い入れもなんもない
オマエラが何と言おうと
俺はこれを歌いたいんだ
なんそれ?
ガンダムの映画の歌?
全く知らん・・・
TMNは知ってるけど
そんな暗い歌で
盛り上がりのかけらもない
そんなのが俺らに
合うはずがないよ
たそがれさんは
パフォーマンスやってよ
どうしてもというなら
俺は出ない
何べんも言わせるな
俺は俺でありたい・・・
キメ顔でそういうと
たそがれは踵を返して
歩き始めた
困ったなあ
あの、くそゴリラ
そう言えば
4組のユカリが
たそがれの声、うまいよね
カラオケ大会でるなら
応援したいな
って、言ってたよ
ピクっ
そ、そうかw
オマエラがどうしてもと
いうのなら・・・
唄ってやってもいい
その代わり
しっかり歌詞を
覚えてこい
オマエラあの歌詞の
良さを知る為にも
覚えてこいよ
じゃあな
・・・・・
十ちゃん
今・・・・
嘘ついたやろ
・・・・。
あの目は
いきなりユカリのところに
向かう目だぜ
めちゃ怖いんですけど
たそがれくん
唄うまいんだっけ?
って話してたよ
・・・・・。
話題にしただけやん
しかも
上手なの?って
聞いてきただけよね
めちゃくちゃ
こじつけやん
それは、やってはいけない
禁断の技ですばい
ユカリはさー
あの人ベタベタ
触ってきて
気持ち悪いのよねって
話してたww
そうなんよ
タロくん友達よね
たそがれを何とかしてって
ユカリ、すまん
今回はエジキになってくれ
wwww
そう言えば
たそがれ、こんな事
話してたし・・・
オンナはなぁ
いやよいやよ
言ってるがなあ
心の中では
結構、喜んでいる生き物なんだ
オマエラに教えてやるから
よーく覚えとけ
いや、
アナタには
絶対に当てはまらない事
だと思うよ。
しかも、本当に
ニガテだって
毛嫌いしてる子が
本当に多いんだから
俺らはたそがれの
クレーム処理班じゃ
ないんだから
いい加減相談とか
やめて欲しいよね
本当に
困ったやつだ
こうして
半ば強引にメンバーに
引き寄せる形で
たそがれを招集することが出来た
タロと十三
タロには秘策があった
アバンギャルドな手法で
栄えある校内
第一回のカラオケ大会で
最優秀賞
入手すべく
奔走したタロと十三
であったが
奇策を思いついた
2部構成だ
1部で充分と
俺たちのパフォーマンスを
披露し
2部でたそがれ登場
そして
その自慢の歌声を
生徒たちに披露することとなった
校内カラオケ大会
当日
暴れ牛を
ステージに立たせることで
独特の雰囲気を
出すことを確信した
タロと十三
俺らの番が
回ってきた
秘密特訓が
功を奏して
タロと、十三
アキオとコテツ
更にはケンコウも含めた
この楽曲で
カラオケ大会を
制覇する
ステージ脇から
海水パンツを
履いた5人衆が
現われる
その飛び出す姿は
圧巻
魔性のキラメキか?
サッカーで鍛えた
その脚力
何よりも
シュールなその動き
カラオケ大会
なのに
なぜ白鳥?
鼻を抑えてるのは
シンクロですよ
違うよね
各々が
白鳥になりきり
シュールな
踊りを披露
つま先立ち
出来る筈はない
こける
つまづく
つんのめる
その
不可思議シュールな
状況に
会場は
爆笑の渦に
覆われる
曲が終わると
この男が
脇から登場
あの・・・・・
すっすっすみ・・・
割 愛
貰った賞
「・・・爆賞」
つづく