インチキストーリーテラーの

タロです

 

 

 

 

九州の田舎に
俺は産まれ育った


 

 

保育園の頃

 

 

 

怒られるという事に関心が
無かった、というよりも
今おもしろい事をやらなきゃ
気が済まない性格なのか
どの保育園でも共通する



大悪事

脱走ごっこ。
 

を楽しむような

どこにでもいる

クソガキ 
の一人だったと思う


お母さんに行ってくるねと
手を振って足漕ぎの車に乗り

 

 


家の前を出て、
俺はいなくなったらしい


それから


自宅から1キロ先の
踏切のところで

警察に保護された事が
あったらしい。

 

 

ちょっとした騒ぎに
なったらしいが

俺はその記憶が無い
足漕ぎ車で街を出ようとする
3歳児、それがタロだ


保育園の入り口のフェンスを
よじ登るのは町の子供会の悪ガキ達と
忍者ごっこと称して密集した
ド田舎の住宅街、同じような家が
重なっていたものだから
電柱登り、家と家を飛び越える
忍者ごっこは得意であり
最適な空間だった。

 

 


7〜8メートル級の

電信柱に
登る小学生はもう
最近は見ない


ドラえもんとのび太はいつも
屋根に乗って語り明かしたが
小学生の頃の自分はまさに
屋根上語りの影響を

 

 

 

 

モロに受けた
世代なのだ。




忍者の如く人の家の屋根を飛びまくる
それだけおおらかな町で俺らの遊びを
邪魔するような大人はいなかったのさ


話を戻すが

 

 

 

 

脱走、脱園時の
 

 

 

保育士先生の激怒っぷりは
毎度半端なかった
ビンタもされたのだろうか



みんなの前で立たされて
ごめんなさいを何度もさせられた。

 

 


でもね


 

次の日懲りずにまたやってしまう
そんな一筋縄ではいかないガキが
俺だったんだと思う



そのうち俺らは、
先生のタイミングを盗み
玄関の方に来ない

タイミングを見計らって
外に出ては中に戻り
また様子を見ながら外に出る


 

単純な遊びだった
単純だったけど
面白かった

 


なんで、

そこまで怒られるのか
お友達も叩いてないし、

嘘もついてない
なんでやろ?

 

 

 

先生方に見つかるのを
避けて、怒られないように

 

 

遊ぶスリル
 

これが面白かったのだ

 

 


見つかったら

大激怒をくらってまた、

みんなの前で謝らせを

させられる。それは

退屈で面倒な事だったけど






 

その変なこだわりは
小学校になっても続く 




 

 

5年生の頃

 

 

若い女の先生が
大学を出て初めて

教員になったのが
俺のクラスだった。
とにかくヒステリックで

悪ガキどもを

 


成敗し始めた



その先生の捨て台詞は

 


勉強しないなら出て行きなさい!
そういうと大抵の悪ガキは怯んだ
立たされて、授業を聞かずに
ひたすら落書きを描いているノートを
取り上げて皆の前で公表し

泣くまで説教を続けた。



女教師による

児童差別は

凄かった。

 

 


美人な先生で

 

 

 

たそがれは、

随分と懐いていたようだが

 

 

俺は毎日なにかと

 

 

 

注意されるのが嫌だった。


女教師の

ヒステリックになる


 

ブチっ

 

 

ていう感触は皆んなが知っていた
キレ始めると授業が進まない



そうなると今度は
その対象者が立たされて
いつもの制裁が始まる


授業を聞かない悪ガキ達は
この手法で随分とやられた

 

 

ガキ大将で

仲間想いの福ちゃんが

この教師から制裁を

受けたときは、

起立したまま

泣かされているのを見て

正直、腹が立った。

 

 

いわゆるカリスマ

ガキ大将だ

足も速く、カッコイイ

 

オレは

 

この教員が

なんか許せなかった


 

俺は授業中は

考え事をしている
特に授業を真面目に

聞くつもりは
無いのだが、

これと言って
注意を受けるような

事はしてない  



 

ただ、

一つの事を除いて。




それは、
教科書を学校に持ってこない


毎度忘れてしまい
毎度隣の人と机をつけて
その人と小声でお喋りしたり
勉強わからないところを
教えてあげたりしするのが
楽しかったんだ


うん、

俺は普通に勉強できた
そして塾で学ぶことが

大好きだった
塾の授業は効率的で

楽しみだった
学校は友達と遊ぶところと
思ってたので、

そもそも
授業で習うところなんて
目を閉じてても分かった


 

『あなた、

いい加減に

しなさいよ

起ちなさい』





しめしめww
女教師のスイッチが
入ったようだ、

そのまま俺の前にやってきて、

そのヒステリックをぶつけてくる



俺は勉強が出来た
そしてこの時は

本を見せてくれている
相手の子に算数の解き方を

教えていただけ



いつもは全く

先生の話を聞いてないけど
今日は隣の子に

きちんと

勉強を教えてたんだ。





 

ガミガミガミ、

ブツブツブツ

あんた、タロ!!!
教室から出て行け!






(ニヤリ)

キタキタ、やっと俺のところに
きやがったぜこのヒト。



おお!出て行くよ。


そのまま席を立ち上がって
廊下に出ようとする自分に
女教師は声を張り上げる!


 

 

開き直るの?
アナタは!!








俺はあんたから出ていけと

言われたので
出て行こうとしてるだけだ。

そういうと
教室の扉を、

 

 

全力で締めてやった


泣きながら俺を追いかけて
手を掴み、何か叫んでる




許してやるか。
俺は席に戻った



そして次の日から
半年、いや1年だろうか


 

教卓の隣に

机を固定された。


 

 

 

面倒なのでランドセルから
1人だけ許可も取らずに

 

 


ショルダーバック

に替えて

机の脇にバックの手提げ部分を
かけた。

 

 

快適だった


俺の隣は女教師の教卓だ、

話し相手ががいなくなったので

勉強に集中するしかなかった。

 

女性教師が俺の隣

で大きな声で話してるから

良く聞こえた。

ホームルーム帰りの会で

明日、転校生

が来るらしい。

 

 

 

 

 

との事、

どんな奴が来るんだろう

 

 

 

 

 

面白い奴ならいいけど

どんな人物か楽しみだ。





色々あったが、
地元の進学校に入る事になる。
俺は子供の頃からの夢は
ラーメン屋になりたかったけど
まあ、それは別の話として。


俺の悪ガキ仲間の母親や、

 

 

兄弟からは
あのタロは危険すぎるから

近づくのはやめなさい。

 

 

そう言われてたらしい。

 

 

 

 

 

 

「十三」の

家族もしかり

「たそがれ」の

親もしかりだ。

 

 

でもこの二人は

おいらの

友達でいてくれた.

 

 

 

 


こんな虫も潰さないような

スッキリイケメンを

 

 

どうして

そんなに警戒するの?


ヤンキーの親が

警戒する自分は何者?

 

 

 

 

 

 


笑ってしまう話である。








俺は昔から

至ってまともなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく