『(三成! くれてやるぞ! おれの生命いのちは)』



吉川英治『大谷刑部』より



大谷吉継公の視点で綴られた関ヶ原。三成公との友情の物語です。

上杉討伐の道程にて乳母の娘・お篠が吉継公の元を訪れるところから始まるのですが、先ず民草と吉継公との距離感を描いて格を感じさせるのが流石ですよね。そこから乳母の思い出話により親しみを醸し出し、命を掛けても良いと思える程の友情を描き込んで関ヶ原へ。最後は一筋の線をスッと引くような静かな幕引きです。


関ヶ原の戦いに詳しくない方でも小説として楽しめるのではないかと思います(当時の歴史資料に基づいた作品のため、現代で判明している事がらと異なる部分があるのは御愛敬)。




今回はお抹茶を中心に、作中に登場する麦の打菓子と、吉継公をイメージして松の実ペーストを求肥で包んだお餅を作ってみました。

麦の打菓子は丁寧に摺り、振るって、丁寧に混ぜ合わせ、和三盆、はったい粉、しとり水のみで作ったので口溶けサクしゅわです。

お餅に松の実を使ったのは吉継公の生まれの逸話から。