牧野信一『祝福された星の歌 An episode from the forest』より
降誕祭を山の丸太小屋で過ごす事にした二人の子供たち。飾り付けに盛り上がる中、欧米ではクリスマスに付き物のヤドリギが無い事に気付きます。そこで二人は森の中へヤドリギを探しに行くのですが……というお話。
とてもかわいらしい恋の物語です。ほのぼの。掲載されていたのが詩雑誌だったこともあってか、詩的な表現が多いように思われます。
ただ最後の一文の解釈で迷っていて、「胸に止め度もない花やかな竜巻が~」のあたりまでは心象風景だと思うのですが、ここだけ現実のように見えるのですよね。「戦きに襲はれました」で終っているのでそうだったとしても悲劇にはならなかったのだとは思っているのですが。これはあえて続きを書かずにここで終えているのでしょうか。個人的には、有頂天になっていたけどふと我に返り自分たちがしている事の危険を思い出して戦いた、というオチ的な一文であって欲しいな、と思っています。
今回作ったのは小さめサイズのブッシュ・ド・ノエルです。添えてあるのはヤドリギを模した抹茶チョコレート。あしらいは本物のヤドリギです。まさか日本のお花屋さんでヤドリギを見掛けると思いませんでした。寄生植物なので生態系の関係で扱いが難しいですとか、そういう事なのでしょうか。
ところで、ヤドリギの実は甘いと聞いてケーキに使えるかもと思ったのですがどうやら毒性もあるようで、大人が一粒二粒食べる程度なら影響は無いそうなのですが、やはり止めておきました。主人公が子供ですしね。