『丁さんでがんせうがの。まあまあすつかり見違へた。こつちへおいで丁さん。あたしぢゃのに。──もうあたしをお忘れたか。──ほゝゝ別つたの?』
鈴木三重吉『おみつさん』より
身体が弱っている祖母と二人で暮らす少年の元に、幼かった頃世話になっていた女性・おみつさんが帰って来る。そして一緒に暮らすことになった三人のお話。短編小説です。
ほのぼのしたやり取りと、その底に仄かに滲む哀しさのようなもの。お祖母さんに何があったかは語られず仕舞いですが、主人公が小さな子供なのでそれを説明不足とは感じずニュアンスとして受け取れるんですよね。無邪気さが救いというか。会話が全てお故郷言葉で、それもまた心和みます。何も起こらないというか、何か起こったけれども小さな子供に聞かせたくない、という大人たちと一緒に暮らす幸せな子供のお話。
今回作ったのは筍の煮たの、韮の蒸し物、あられ。
小さい筍が売っていたので作ってみました。
あられもちゃんと手作りです。塩味。
韮には胡麻を少量添えて香り良く。
ところで、あられとおかきの違いを調べたところ「大きさ」だそうです。そうだったのか。
[2022.12.21]追記
微妙にリテイク。
筍の煮たのを若竹煮にしてみました。韮の蒸し物は胡麻のみでシンプルに。こちらの方がお話の雰囲気に合うかな、と。
わかめを使うかで葛藤したのですが、隣がお肴屋で~というくだりがあるので(もう無くなったという話ですが)わかめも入手出来ないことも無いかもしれないという事で御容赦下さい。