『わが為めに母がむすびしおむすびを

 いま子にむすぶそのおむすびを。』



岡本かの子『初秋に送る』より


初秋の味覚、梨とお握飯について書かれた随筆。短いものなのですが、実りの中に伝統を見、慈しむ、素敵な随筆です。
岡本かの子先生の作品には母性を感じさせるものが多いですよね。



今回作ったのは一握の円き白飯……おむすびと、カットした梨、稲穂揚げ。ソース風のものは胡麻だれ。クリスタルソルト(カリっとした食感の塩)を散らしてあります。
稲穂揚げ、職人さんの手にかかれば稲穂に白い花が開いたように仕上がるものなのですが、揚げ油が少なかったのか泳がせ方が悪かったのか、はたまた収穫してから少々日が経った稲穂を使ったのが良くなかったのか、揚がったお米が稲穂を離れてしまいました。カリカリさくさくで美味しいのでこれはこれで良いということにします。

稲穂と美味しそうな梨が売っていたので作ってみました。