片山廣子『乾あんず』より


乾あんずを食べて物思う。

戦時下にありながら日常のささやかな愉しみを描いた随筆……と思ったのですが、某先生を連想させるものの多さに、ああこれはお手紙なのだなと思い直したのです。わすれな草はもうすっかり終る、との事なので完全な別れのお手紙ですよね。

切ないようなほのかな幸せを感じるような。作品を送り、時を経て作品で返す。文士同士ならではの粋を感じます。

といっても事情も事情ですので何とも言えないところもあるのですけどね。



[2023.07.16]

リメイクです。今回作ったのは乾あんず、ほし葡萄、乾無花果。緑茶とドライエディブルフラワーの忘れなぐさを添えて。

乾あんず、セミドライにしたので柔らかくて甘酸っぱくてなかなかの出来です。