林芙美子『牛肉』より



体一つで生きていた奔放な女性と、そんな女性に惚れ込んでいたある男性の話。

気怠い独特の空気感が良いなぁと。登場人物の少し荒れた言葉遣い、片仮名読みのフランス語、"……"や"──"を多めに使う間の取り方がそう感じさせるのでしょうか。多過ぎても野暮ったくなるので、この匙加減がセンスというものなのでしょうね。

夢から覚めるような物悲しいお話ですが、最後の一行には続く人生と心の逞しさも感じるのがとても好きです。




今回作ったのは牛肉のタリアータ、クランベリーミルクソース、クリームチーズをぽってりのせたガーリックバタートースト。ガーリックバタートーストにはドライクランベリーをトッピングしています。

このお話はピンク(口紅の牡丹色も含めて)の印象が強いので、ピンクが一番綺麗に出るクランベリーを使ってみました(ドライフルーツと丸のままの実との対比をしたかったのもありまして)。ピンク色の粉末はクランベリーパウダー。全て着色料不使用でこの発色です。