『へんなことを言うようですけれども、君はまるはだかの野苺と着飾った市場の苺とどちらを誇りに感じます。登竜門というものは、ひとを市場へ一直線に送り込む外面如菩薩の地獄の門だ。けれども僕は着飾った苺の悲しみを知っている。そうしてこのごろ、それを尊く思いはじめた。僕は逃げない。連れて行くところまでは行ってみる』


太宰治『ダス・ゲマイネ』より



登場人物が喧嘩していると見せ掛けてそれぞれに自己投影して自己批判してるんですかね、このお話。御自身を鍍金の盾、イミテーションだと思っていらしたのでしょうか。「着飾った苺の悲しみ」は御自身の事ですよね。太宰先生の場合は本当の剽窃ではなくオマージュや翻案の範囲だと思うのですが、当時はそういった見方が浸透していなかったのでしょうか。

御存知の方も多いと思いますが、この題名はダブルミーニングであるという説があります。

ドイツ語で通俗性、卑俗性を示す『Das Gemeine』、そして津軽弁で「だからだめなんだ」という意味の『んだすけ まいね』。




今回作ったのは甘酒のアイスバーク、苺ソース、ジュレカクテル。シンプルな料理を着飾ってみました。

アイスバークは甘酒にヨーグルトを加えたさっぱり味です。アーモンドダイス、カカオニブ、苺スライスをトッピングして香ばしさと甘酸っぱさを加えてみました。

ジュレカクテルは甘酒、苺、ビイルのジュレをクラッシュしたもの。