『──影や道陸神、十三夜のぼた餅──』
岡本綺堂『影を踏まれた女』より
幻想文学。子どもたちの戯れに影を踏まれ、「寿命が縮む」「三年の内に死ぬ」等の伝説や迷信に脅えるおせき。影を踏まれる事に震え、また、影を落とす光にをも震える女の結末とは。
何が恐いって結局何も分からないのが恐いですよね。髑髏とは何だったのか、おせきには何かが見えていたのか。何かが始まり、何も分からない内に終わる。ぬるっとした読後感。
さえざえとした明るい月やおせきと要次郎の和やかな場面を挿す事で、影がより深く、得体の知れない恐怖を煽るように感じます。
今回作ったのは二色ぼた餅と焼きポテトチップス。「シャドークイーン」という紫のじゃがいもを使っています。この品種が手に入った時にこのお話で作るしかあるまいと思ったのです。
二色ぼた餅は、紫の方がシャドークイーンを使用したじゃがいも餡。甘さ控えめに作ってみました。もう一つはシンプルにこし餡です。
焼きポテトチップスの味付けは塩のみです。ちなみにぼた餅のお餅部分が土台になっているので、最後にお餅にお皿の餡をつけて食べるのです。
お話とは関係無いですがこのおいも美味しい。ビシソワーズにしても美味しそうですね。