日仏ハーフの作家ギランと、その恋人で蠱惑的な美少年レオ。ある過ちから破滅に向かう男性同士の恋愛を描いた物語。
まず昭和37年にBLを書いたというのが凄いですよね。
耽美な筆致で、欧風の人物像や建築物、映画のカメラワークを思わせる風景描写など、全体的な雰囲気が往年の洋画のようです。レオはファムファタルですね。ギランの愛ゆえの狂気が物悲しい。
なお、人が亡くなる描写が結構具体的なのでご注意下さい。観測者視点の描写です。あまりのリアリティにそこだけはイメージするのを止めて文字として読みました。無駄に薄目で。
ここで念のため分かる方には分かるであろう注意書きをしておきますと、耽美・浮気・死ネタ・嗜虐表現というキャプション盛りだくさんな内容でございます(何を言っているか分からない方は純粋なままでいて下さい)。
今回作ったのは初期の二人をテーマしたカクテルと、キャビアのブルスケッタ。
カクテルの内容は、レオは菫の香りがするということでパルフェタムール、作中でギランが呑んでいたブランデー、味を整えるのにレモン果汁、それから甘めにしたかったので甘口のシャルドネを。
ブルスケッタはレオが作中で食べていたキャビアをのせたパンから。
焼いたバゲットにクリームチーズを塗り、キャビア、オコゼの削ぎ切り、刻んだ玉葱、オリーブのジュレをのせてあります。オリーブのジュレはレオのペンダントからの着想。
下のソースは味に変化をつけるためのもので、色々煮詰めていたら最終的に焼き肉のタレっぽい味になりましたが美味しいからいいか。枯葉の形に描いたのですがほぼ見えないですね。
盛り付けはラストシーンをイメージしています。レオが眠る枯葉の寝床に向かうギラン。