夢野久作『きのこ会議』より



きのこの生存戦略会議とその顛末。

題名で可愛らしいお話を想像し著者名で覚悟を決めた読者は私だけではあるまい。児童文学ですが皮肉が効いたお話でした。可食きのこも毒きのこも生き残ることを目的とするなら間違いではないんですよね。ただ、人を傷付けることを選んだら自分も傷付けられる覚悟はしないといけない。

それにしても人間のエゴイズムが一番救いが無いですね。


大正11年に発表されたお話なのですが、登場するきのこにも色々事情が変わったものがあるようです。激減して現在は入手困難になっていたり、人体にあまり良くない成分が発見され食用ではなくなったものも。調べていたらお話の内容をリアルに感じてしまい、何とも言えない気持ちになりました。




今回作ったのはシンプルに焼ききのこ。真ん中にあるのはぽん酢です。焼きなめこ(作中ではぬめり茸)初めて作ったのですが、こういうのも良いですね。