内田百閒『ノラや』より
猫にアジ・サバ駄目、絶対。
失礼致しました。
しかし、これだけは前もって言っておかねばなりますまい。読んでいて何度「あかーーん!」と口走りそうになったことか。
『(前略)後にお医者から鯖や鯵はあぶらが強くて猫のおなかに悪いから、鰈の様な淡味のものを与へる様にと云はれたので、(後略)』というくだりで、当時はそういう認識だったのだなぁと思ったりしました。
猫に鯵や鯖が駄目な理由は、アサニキスにやられたり、ヒスタミン中毒になったり、黄色脂肪症になる可能性があるからです。猫には青魚全般止めておいた方が良さそうですね。人間には良いものなんですけどね。
気をとり直しまして。
内田百閒先生のお宅の猫ちゃん、ノラの失踪とその顛末が書かれた随筆集です。切ない。しんどい。早く帰ってくると良いなぁと思いながら読んでいました。つらい。ノラ失踪後に住み着いたクルツ(愛称・クル)も可愛いのですがまたしんどい。猫好きよ泣くが良い。私は泣いた。なお百閒先生はノラとクルツが可愛いのであって猫好きという訳では無いそうです。
今回作ったのは大根おろしアートのノラとクルツ、屋根の形のだし巻き玉子、鰹出汁のジュレ。お造りはノラの好物の鯵とクルツの好物の鰈です(鰈のお造りが白飛びしている気がする)。