
井伏鱒二『厄除け詩集』より
于武陵の漢詩『勧酒』を井伏鱒二先生が訳し、翻案した詩です。
花発多風雨
人生足別離
を読んで、
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
とする感性。
元の詩はどちらかというと儚さを色濃く感じるのですが、井伏先生の翻案は語りかけの言葉で言い切りなので、別離への決意がより強調されているように感じます。一期一会の精神ですね。一生一度限りの出会いを大切にする。素敵な詩だなあと思うのです。
今回作ったのはナミナミの桜酒、桜と昆布で締めた鯖(井伏作品をテーマに作るときは何かしらお魚を入れたくなるのです)。とある地域ではしめ鯖が酸っぱ過ぎた時はマヨネーズを付けて酸味を和らげると聞いて、桜マヨネーズを添えてみました。
桜は別れと出会いのイメージ。